電子書籍のご案内:Enterprise Cloud Strategy – 自社アプリケーションをクラウドに移行することをご検討中の皆様へ


執筆者: Eduardo Kassner (Cloud and Data Services Architecture, Worldwide Director)

このポストは、2 月 16 日に投稿された Guidance for enterprises looking to take their application portfolio to the cloud の翻訳です。

貴社のポートフォリオ全体において、すべての部署とそこで使用するアプリケーションの運用を効率化し、同時にイノベーションも達成することができたら素晴らしいと思いませんか? また、クラウドそのものやクラウド環境で利用可能なすべてのリソースと機能を活用することで、「個別の力によって得られる成果よりも、総体的な力によって得られるより大きな成果」を実現できたら良いと思いませんか? これらは、その道しるべとなる的確なロードマップと確固たる戦略があれば実現できます。マイクロソフトは先日、アプリケーション カタログをクラウドに移行することが企業環境にどう影響するかを広く調査しました。最近発表した電子書籍『Enterprise Cloud Strategy』(Barry Briggs と私による共同執筆) では、私たちマイクロソフトが経験した道のりと、お客様の実際の事例を紹介しています。

ここに載っている戦略は、貴社のロードマップ作成にきっと役立つと思いますので、どうぞこちら (英語) からご一読ください。

この本では以下のような移行戦略を提示し、それぞれのメリットとデメリットを詳しく説明しています。

  • ホストの変更: VM や運用環境を、オンプレミスのデータセンターからホスト先やクラウドに移行します。このモデルはコロケーションとも呼ばれます。
  • プラットフォームの変更: コストや運用上の要件の変更によって従来の環境を維持できなくなった場合の解決策として、コードの変更が不要で運用の整合性と安全性も失われずに済む「持続とラッピング」という方法があります。
  • 使用の中止と再作成 (または再企画): 従来の環境では対応できない要件が発生した場合は、新たな要件に対応した環境向けにアプリケーションを再作成するのがベストな方法です。この問題は、アプリケーションのポートフォリオを見直したり、類似の機能を統合するときによく発見されます。
  • 急速な成長: 従来の IT 環境からは絶対にアクセスできなかった機能や能力が、クラウド環境では新しいコンピューティング モデル、データ モデル、サービス モデルとして提供されます。このことから、多くのアプリケーションがクラウド環境で急成長を遂げ、分析、レポート、高速演算、グラフィックなどのさまざまな分野でイノベーションを起こしています。一般的には、使用頻度が高い (ホットな) データをローカルに置き、使用頻度が低い (コールドな) データを低価格のクラウド ストレージに格納します。
  • 拡張: 企業は、既存のアプリケーションを拡張する方法、そして、これまでは PC でのみ利用できた機能をモバイル デバイスや Web フロントエンドでも利用できるようにする方法を求めています。また、それらのアプリケーションに検索サービスやビデオ サービスを追加して強化することも考えています。
  • クラウド ネイティブのアプリケーション: 企業がクラウドの調査を始めてまず気付くのが、さまざまな形態の新しいアプリケーションが出始めているということです。ビッグ データを使ったものやこれまでなかったタイプの分析アプリケーション、機械学習を取り入れた最新機能、クラウドならではのメリットを活用した IoT (モノのインターネット) アプリケーションなどさまざまです。

マイクロソフトが推奨するクラウド移行計画は、静的な計画を示すものではなく、より多くのプロセスを組み込んだものになっています。移行計画は一般的に次のパターンで進められます。

  1. 分析: 現在の状態を最適な状態に移行するための計画を作成するプロセスです。このプロセスは、現在の能力とワークロードと、これらをクラウドに移行した後との差を把握するのに役立ちます。この差は、ワークロードのアーキテクチャの変更や、プログラムを完全に書き直す必要があることに関連していることが考えられます。
  2. アプリケーションの移行: あるワークロードをクラウドに移行することが決まったら、次に、クラウドでアプリケーションを動作させるために最小限のデータを持つワークロードを作成するか、または新しいアプリケーションを作成します。アプリケーションが既に VM で実行されている場合は、何も変更せずに、ただ VM をクラウドに移行すればよいという可能性があります。一般的には、オンプレミスのアプリケーションの多くは最小限の変更か、または何も変更することなく Microsoft Azure で実行することができます。しかし、このままではパフォーマンス、スケーラビリティ、セキュリティの面が最適化されません。このため、最新のサービス指向型の原則に従って、アプリケーションをある程度再設計して再構築することが必要な場合があります。
  3. データの移行: アプリケーションの移行と少し似ていますが、データ構造もそのまま、クラウド上のリレーショナルな場所 (Azure SQL Database、Azure VM 内の SQL Server) またはリレーショナルではない場所 (BLOB、Table、Queue、Azure DocumentDB など) に移行できます。場合によってはこの作業はきわめて簡単で、SQL Server Azure 移行ウィザードなどの指示に従って実施することができます。しかし、移行先の Azure SQL Database で最大限のパフォーマンス、スケーラビリティ、耐久性、安全性を得るには、データ モデルを再構築することも検討します。データをオンプレミス環境と SQL Database やその他の SQL Database サーバーの間で同期させる必要がある場合、SQL データ同期サービスのセットアップと構成を行います。また、ユーザーがエラーを発生させた場合や自然災害などに備えて、データ復旧計画のセットアップと構成を行うこともお勧めします。
  4. 最適化とテスト: アプリケーションとデータを Azure に移行したら、次は機能とパフォーマンスのテストを行います。ここではクラウドでアプリケーションのテストを行い、期待どおりに動作することを確認します。また、オンプレミス環境と Azure でパフォーマンスを比較します。その後、クラウドに移行したアプリケーションで発生している、機能、パフォーマンス、スケーラビリティに関する問題を解決します。
  5. 運用と管理: 最適化とテストの段階が終了したら、Azure Application Insights でアプリケーションの監視とトレースをセットアップして実装します。これによりアプリケーションのテレメトリを収集し、分析することができます。このデータはデバッグやトラブルシューティング、パフォーマンスの計測、リソースの使用状況の監視、トラフィック分析、キャパシティ プラニング、監査などに利用できます。

出典: 『Enterprise Cloud Strategy』(Eduardo Kassner、Barry Briggs 共著)。Eduardo Kassner は、マイクロソフトのワールドワイド エンタープライズ & パートナー グループのクラウド ソリューション アーキテクチャ ディレクターを務めています。Barry Briggs は、ソフトウェアおよび企業のコンピューティング分野で長期的な実績を持つ独立系コンサルタントです。

電子書籍をダウンロードする (英語)

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