Microsoft Azure Stack テクニカル プレビューの初回リリースを発表

このポストは、1 月 26 日に投稿された Announcing the first Technical Preview of Microsoft Azure Stack の翻訳です。

 

今日では多くの企業が、ビジネスの俊敏性向上とイノベーション促進のためにクラウドへの移行を急速に進めています。私たちマイクロソフトは、Microsoft Azure の採用が急速に拡大しているの目の当たりにして、このことを実感しました。新規サブスクリプションの申込みは、実にひと月、約 10 万件近くにも上っています。しかし、多くの企業はデータ主権や規制遵守といったビジネス上の懸念を今も抱えており、パブリック クラウドに完全移行することには抵抗を見せています。このため、パブリック クラウドを部分的に活用し、オンプレミス環境も使用し続けるという複雑な状況に陥っている企業が少なくありません。

このように複雑化した企業環境を管理するためには、クラウドを場所としてではなく、モデルとしてとらえてアプローチすることが重要と考えられます。このモデルはインフラストラクチャ、アプリケーション、ユーザーを対象とするもので、プライベート クラウド、ホステッド クラウド、パブリック クラウドの間で一貫したハイブリッド クラウドのアプローチを行う必要があります。その実現にはハイブリッド環境を網羅する一貫したクラウド プラットフォームが必要です。そして、ハイパースケールのパブリック クラウド分野で実績があり、プライベート クラウドとホステッド クラウドに拡張可能なプラットフォームを提供できるのは、マイクロソフトの他にありません。

このたびマイクロソフトは、ハイブリッド クラウド戦略を次の段階へと推し進めるソリューションとして、Microsoft Azure Stack テクニカル プレビューの初回リリースの提供を開始しました。Microsoft Azure Stack は最先端のパブリック クラウドと一貫性のある唯一のハイブリッド クラウド プラットフォームで、Azure を基盤として構築されており、企業の自社データセンターからの Azure サービス配信を支援します。

マイクロソフトは、ハイパースケールのデータセンターから企業スケールのオンプレミス環境にいたるさまざまな規模の環境に対して、IaaS サービスやその上位の PaaS サービスといった実績あるイノベーションを Azure Stack で実現し、お客様のビジネス要件に対応します。

ではなぜ Azure Stack のような一貫したハイブリッド クラウド プラットフォームが必要なのでしょうか? それは、多様な Azure エコシステムへのアクセスが可能で、開発者や IT 担当者、企業にとって、次のような大きなメリットがあるためです。

  • アプリケーション開発者 は「一度コードを作成すれば、Azure にも Azure Stack にもデプロイできる」ため、無駄を省き生産性を向上できます。Azure Stack では Microsoft Azure と同一の API を使用して、オープン ソースまたは .NET のテクノロジを基盤としたオンプレミスとパブリック クラウドのどちらの環境でも簡単に実行可能なアプリケーションを作成できます。また、充実した Azure エコシステムを活用して Azure Stack の開発作業を活発化させることもできます。
  • IT 担当者 は、オンプレミスのデータセンターのリソースを Azure の IaaS サービスや PaaS サービスに移行し、マイクロソフトが Azure で使用しているものと同じ管理ツールや自動化ツールで管理することができます。このクラウドに対するアプローチにより、IT 担当者はサービス提供を迅速に行いながら企業ガバナンスに関するニーズに引き続き対応することができます。
  • 企業 は、規制やデータ主権、カスタマイズ、レイテンシなどの業務や技術にかかわる問題を解決するために、それぞれの条件に応じてハイブリッド クラウド コンピューティングを活用できます。Azure Stack ではテクノロジの制限を受けることなくアプリケーションやワークロードの配置を自由に決定できるためこれが可能です。

では、Azure Stack ではどのようにしてパブリック クラウドと自社データセンター間の一貫性を実現しているのでしょうか? Azure Stack は Azure と同じく、先進的なビジネス アプリケーションをホストする包括的なプラットフォームです。Azure と Azure Stack では、同一のポータル、統合されたアプリケーション モデル、共通の DevOps ツールなど、標準化されたアーキテクチャが採用されています。アプリケーション モデルは Azure Resource Manager を基盤としていて、Azure と Azure Stack のどちらで実行する場合でも同じ宣言型アプローチを使用できます。ツールに関しても、開発者は Visual Studio や PowerShell、その他のオープン ソースの DevOps ツールを使用できるため、エンド ユーザーのエクスペリエンスも Azure と同じものにすることができます。

マイクロソフトは一連のテクニカル プレビューを通じて、OS イメージや Azure Resource Manager テンプレート (英語) といったサービスやコンテンツを随時追加していき、Azure Stack を利用するお客様が得られるメリットをどんどん増やしていきたいと考えています。また、Azure のアプリケーションやコンポーネントなどは GitHub (英語) で 100 種類以上公開されていますが、Azure Stack でも同様のサービスを利用できます。これについては、特に Canonical などのオープン ソース パートナーから多くの反響をいただいています。Canonical 社は Azure Stack 環境でのオープン ソース アプリケーションの実行を可能にする Ubuntu Linux イメージの検証に携わってるパートナー企業です。

マイクロソフトが行っているハイブリッド クラウド プラットフォームの取り組みは、他社にはない唯一のものである、と私たちは考えています。マイクロソフトは、オンプレミスとパブリック クラウドにまたがる多大な資産を保有しており、同時に大規模な投資も行っています。また、革新的なデータセンター テクノロジ開発を行ってきた長年の経験を通じて、開発者と IT 担当者の双方の業務ニーズを深く理解していると考えます。さらに、マイクロソフトにはハイパースケール データセンターの構築と運用に関する知識と経験も十分にあり、Azure Stack ではこのような経験を基にオンプレミス環境に対する対策を行い、お客様が場所による制約を受けることなくクラウド モデルのスピードやイノベーションを活用できるように尽力しています。つまり、マイクロソフトは、 真のハイブリッド クラウド プラットフォームの力を完全に提供 できる唯一の企業なのです。

Azure Stack テクニカル プレビューの初回リリースは、1 月 29 日 (金) (米国時間) にこちら (英語) で公開される予定です。ぜひお試しのうえ、ご意見をお聞かせください。また、マイクロソフトではこれから数週間のうちに Azure Stack に関する情報をさまざまな形でお届けする予定です。直近では 2 月 3 日 (米国時間) に予定されている Microsoft Azure 担当 CTO の Mark Russinovich とエンタープライズ クラウド担当チーフ アーキテクトの Jeffrey Snover による Web キャスト (英語) があります。今年は Azure によるデータセンター イノベーションがたいへん盛り上がる年になるでしょう。今後もどうぞご注目ください!