ビジネス イノベーションを促進する Windows Server 2016 と System Center 2016 の Technical Preview 4 を発表

このポストは、11 月 19 日に投稿された Make innovation easier with Windows Server 2016 and System Center 2016 Technical Preview 4 の翻訳です。

著者: Mike Neil (クラウドおよびエンタープライズ担当コーポレート バイス プレジデント)

少ないリソースで大きな成果を挙げられるようにすることは、長年にわたる IT の課題です。今日の競争社会で鍵となるのは、やはりスピードです。クラウド ファーストの世界に参入することで競合他社を常にリードし、新しいアプリや新機能を生み出すことによってビジネス価値を高めていくことが重要です。こうしたアプリケーション中心の考え方の中でスピードを十分に備えるには、自社のデータセンターを見直すことが非常に重要になります。Windows Server 2016 と System Center 2016 では、クラウドのテクノロジを既存のデータセンターに移植することで、現在所有しているリソースを最大限に活用し、お客様のイノベーション提供の実現をサポートします。

このたび、Windows Server 2016 System Center 2016  の最新の Technical Preview がリリースされました。今回の新機能と機能強化には、2016 年度版のハイブリッド データセンター ソリューションの高速化への取り組みが反映されています。Technical Preview 4 では、Windows Server と System Center の機能が大幅に強化されました。今年初めにリリースされたプレビュー版に対する皆様からの貴重なフィードバックがその多くの機能に反映されています。

  • Nano Server の新機能、Windows Server コンテナーの更新や、今回のリリースで新たに追加された Hyper-V コンテナーなどのアプリケーション プラットフォーム機能は、最新のアプリ開発に大いに活用できます。
  • ストレージ、ネットワーク、コンピューティングを網羅する Software-Defined Datacenter 機能により、コストの削減とアジリティの向上を実現します。また、新しいセキュリティ機能により、進化する脅威や新しい攻撃経路に対処します。
  • 強化された管理機能は Software-Defined Datacenter を高度にサポートし、直観的な監視機能を強化します。

Hyper-V コンテナーのリリースとアプリケーション プラットフォームの更新

Windows Server 2016 では、コンテナー ソリューションの選択肢を広げ、柔軟性を高めることを重視しています。Windows Server コンテナーの軽量なコンテナー オプションに加えて、より高度な分離が必要となるシナリオ向けの新たなデプロイ オプションとして、Hyper-V コンテナー (英語) のパブリック プレビューを今回初めて提供します。Hyper-V コンテナーは、コンテナー向けに最適化された Hyper-V によって分離が強化された、柔軟性の高いコンテナー モデルです。セキュリティ ニーズは多様に変化するため、マルチテナント環境を含むさまざまなエンタープライズのシナリオでコンテナーを使用できるように選択肢が拡大されています。新しい Hyper-V コンテナーの実際の動作については、Mark Russinovich によるオンライン番組「Microsoft Mechanics (英語)」をご覧ください。

Windows Server コンテナーが今年 8 月に初めて試用版としてリリースされて以来、マイクロソフトは最高レベルのコンテナー エクスペリエンスを提供するべく、機能強化を追加してきました。Windows Server コンテナーでの Nano Server サポートにより、フットプリントの大幅な削減というヘッドレス インストール オプションのメリットを得られるようになりました。また、共有フォルダーでは、コンテナー ホストのフォルダーをコンテナーにマッピングできるため、コンテナー間でホスト ストレージへの共有アクセスが可能になると共に、コンテナーに永続ストレージが提供されます。さらにリソース コントロールも有効になり、コンテナー環境での作業方法をより柔軟に選択できるようになりました。

Windows Server 2016 のアプリケーション プラットフォームの技術革新の基盤となる Nano Server により、サービス要件の緩和とセキュリティの向上が実現されます。Technical Preview 4 では、Nano Server で新たに Desired State Configuration がサポートされ、Nano Server の構成をデプロイ、管理できるようになりました。また、Nano Server を DNS サーバーまたは Web サーバー (IIS) として使用できるため、サポートされるシナリオが広がりました。さらに主な新機能として AppX ベースの Windows Server Application (WSA) インストーラーが追加され、Nano Server に他のエージェント、ツール、アプリケーションをインストールできるようになりました。

Software-Defined Datacenter の機能強化

以前の Technical Preview でリリースされた Software-Defined Datacenter 機能の強化として、インフラストラクチャ運用を容易にする機能が追加されました。今回は、パフォーマンスと信頼性の向上が主な優先課題となっています。

  • Hyper-V: ハイパーバイザーは進化し続けています。Nested Virtualization の初期プレビュー、Direct Device Assignment、VM のアップグレードにおける PowerShell のサポート強化などが追加されました。Nested Virtualization は開発/テスト シナリオで使用可能な、Hyper-V コンテナーを実現する主要テクノロジです。
  • ネットワーク: Technical Preview 3 では、Azure の一貫した SDN スタックが導入されました。Technical Preview 4 ではお客様からのフィードバックを多方面で取り入れ、ネットワーク コントローラーの高可用性、East-West 型の負荷分散の強化、コンテナー ネットワークの強化、ライブ マイグレーションのサポートなどを実現しています。さらに、Virtual Machine Multi-Queue の導入により、10 Gbps 以上のパフォーマンスを実現します。
  • ストレージ: ストレージの効率性を向上させるために、Storage Spaces Direct を強化し、NVMe SSD および SATA SSD デバイスによるオールフラッシュ構成や Erasure Coding がサポートされるようになりました。Storage Health Service もサポートされ、クラスターごとに一元的に監視できるため、稼働状況の監視が容易になると共に、運用が合理化されます。また、記憶域のサービスの品質 (QoS) では、アルゴリズムの標準化サイズを現在の既定の 8 KB から変更できるようになりました。その他にも VHD/X の最大帯域幅の設定など、制御性を高める機能強化も行われています。
  • セキュリティ: 運用環境への対応準備を確実なものにするために、Shielded VM と Host Guardian Service の機能が強化されました。また、管理者権限を制限してセキュリティを強化する Just Enough Administration がドメイン コントローラーとサーバー メンテナンスの役割に拡張されています。

場所を問わない IT 管理の実現

クラウド規模での運用環境では、管理にも技術革新がもたらされます。System Center 2016 では、クラウドの経験をデータセンターに反映し、複雑な環境のシームレスな管理を実現します。ハイブリッド環境を採用し、System Center 2016 を Microsoft Operations Management Suite と組み合わせることで、インフラストラクチャからアプリケーションまで、あらゆるクラウド、あらゆるオペレーティング システムをあらゆる角度から包括的に把握できます。場所を問わない管理が実現すれば、IT 部門はシステム パフォーマンス、セキュリティ、新しい問題に関する強力なデータに基づいて早急に対応することができます。また、複雑性に対応できる管理ツールにより、IT 部門は環境全体の俊敏性を向上できます。System Center 2016 の Technical Preview 4 の主な機能強化は以下のとおりです。

  • Windows Server 2016 での Software-Defined Datacenter の高度なサポート (プロビジョニング中のホストへの修正プログラムの適用などの新しいテクノロジ、論理ネットワークの作成の簡略化、Storage Spaces Direct と SAN ストレージの自動化によるスケールアウト ファイル サーバー、ストレージの監視の強化など)
  • Shielded VM と Host Guardian Service のデプロイと管理によるお客様の IP の保護
  • データ駆動型のアラートの管理や視覚化の強化による、Operations Manager の監視機能の使いやすさの向上

マイクロソフトは今も皆様のビジネス ニーズを満たすために Windows Server 2016 と System Center 2016 の改良を進めています。ぜひ最新のテクニカル プレビューの機能をお試しいただき、ビジネス向上にお役立てください。