AzureConでの発表内容 – インテリジェント クラウドの構築: Azure のイノベーションでビジネスを変革


このポストは、9 月 29 日に投稿された Building the Intelligent Cloud: Announcing New Azure Innovations to Transform Business の翻訳です。

 

お客様のお話を伺うと、クラウド環境でビジネス価値を最大化し競争で優位に立つには、業種、規模を問わずあらゆる企業で 3 つの大きな流れがあることがよくわかります。まず企業では、アプリケーションを活用することで、価値創出までの期間を短縮しています。それと同時に、機械学習や予測分析、モノのインターネット (IoT: Internet of Things) といった高度なサービスを活用して、より短期間でイノベーションを生み出すことを可能にしています。そうしたことにより、ビジネス プロセスへの再投資だけでなく、新たな可能性の再考につなげています。しかし、だからといってクラウド インフラストラクチャが重要でなくなったわけではありません。クラウドの基盤となるインフラストラクチャは、信頼性と安心をお客様に提供し、迅速なスケールアップと最終的な収益の向上を支援するうえで、今後もその重要性は変わりません。

今回の AzureCon では、マイクロソフトは一連の新しいイノベーションを発表しました。これらのイノベーションによって、アラスカ航空、NASCAR、国連開発計画 (UNDP)、Jet.com、Rockwell Automation などのお客様は、アプリケーション開発、データ、IoT、インフラストラクチャのそれぞれの面で、クラウドのスピードと拡張性を活かしたビジネスの変革を実現しています。

先進的なアプリケーションの構築と管理

今日、アプリケーションはビジネスを変革するうえで中核的な役割を果たしています。充実したポートフォリオを持つクラウド サービスで開発者が最新のアプリケーション プラットフォームを構築することができれば、1 つのコードベースですべてのデバイスに対応することができ、価値を高めることにつながります。Azure を採用しているアラスカ航空もそのような企業の 1 つです。アラスカ航空は、Azure App Service、Azure SQL DB、API Management、Visual Studio Online、Xamarin、Power BI を利用した独自のアプリを配信し、従業員がすべてのフライトの空席を検索したり、使用可能なゲートや気象情報を確認したりできるようにし、その結果として賞を獲得しています。従業員がアプリケーションについての意見を伝えると、それに基づいて新機能が開発されます。Visual Studio Online を使用することで簡単かつすばやいリリースを可能にしており、GitHub などのサービスも併用されています。

アプリの構築、デプロイメント、実行の形態は、コンテナー テクノロジにより変わりつつあります。その中でも、コンテナー アプリの構築とパッケージ化を簡素化し、あらゆる環境でアプリを実行できるようにする Docker は、俊敏性や密度の面でメリットが大きいことから、業界の大きな注目を集めています。運用環境へのコンテナーの導入が進むにつれ、注目はその管理方法に移ってきています。開発者や IT 管理者は、マルチコンテナー型のアプリの拡張性と柔軟性を保ったまま、アプリのデプロイと管理を支援するソリューションを求めています。

マイクロソフトはこのたび、コンテナーのスケジュール設定とオーケストレーションを行うオープン ソースのサービスである Azure Container Service を発表しました。このサービスは Docker および Mesosphere とのパートナーシップの下で開発され、この分野のオープン ソース プロジェクトに対するマイクロソフトの取り組みも反映されています。このサービスでは、コンテナー ワークロードを実行するオープン ソース環境を提供するために、Docker と Apache Mesos の両方の技術が活用されています。これまでの Docker との協力体制を考えると、その重要なテクノロジが活用されることは自然な流れですが、それだけではなく Mesos のテクノロジも同時に採用されています。これは、多数の企業ユーザーの方々のお話を伺ったところ、コンテナー ベースのアプリケーションに関する課題を解決するサービスとしては Mesos が最適であり、最初にサポートされるオーケストレーターとして Mesos を選択すべきであることが明白であったためです。Mesos は、Twitter、Apple の Siri のすべて、Airbnb の一部、Netflix、OpenTable など、大手ブランドのサービスで実績を積んでいます。

Azure Container Service は、Mesosphere との緊密な連携の下、DCOS Marathon (コンテナー ベース アプリケーションのリリースとスケーリング) および Chronos (分散型クローンとバッチ ワークロード) を含む DCOS のオープン ソース コンポーネントを使用して構築されています。また、お客様の多くは Docker Swarm や Docker Compose を使用して Docker コンテナーをデプロイしています。今後も Docker とのパートナーシップを継続し、Azure Container Service で Swarm ベース ソリューションのデプロイメント、スケーリング、オーケストレーションの各機能を提供していきます。Azure Container Service は、今年中にプレビュー版の提供を開始する予定です。

ビッグ データと IoT

インテリジェント クラウドの力の根源はデータです。接続されている資産やデバイス、システム全体でデータを共有、収集してインサイトを得ることができれば、イノベーションの可能性は無限に広がります。そこで世界中から関心を集めているのが IoT です。Rockwell や ThyssenKrupp Elevator などのお客様は、データやデバイスへの接続を活用して業務上の問題の解決や運用の改善を図っています。このたびマイクロソフトは、Azure IoT Suite (英語) の提供開始を発表しました。このスイートは実績のあるクラウド プラットフォーム上に構築されており、企業の既存のプロセスやデバイス、システムと連携し IoT プロジェクトの構築や拡張を簡単にすばやく行うことができます。また、リモート監視、資産管理、予測的なメンテナンスといった、IoT で必要とされる一般的なビジネス ニーズに対応する目的に特化しています。企業が既存の資産に接続し、それらの資産で生成されているデータの価値を活用することで、業務効率の改善やイノベーションの推進が実現され、ビジネスを変革することが可能になります。

さらに、マイクロソフトは新たに Microsoft Azure Certified for IoT プログラムを発表しました。このプログラムでは、パートナー エコシステムとして検証および認定済みのサービスを提供し、企業が IoT デバイスやプラットフォームのニーズに対応することを支援します。BeagleBone、Freescale、Intel、Raspberry Pi、Resin.io、Seeed、Texas Instruments の各社が初期パートナーとして名を連ねています。

上記のサービスを利用できない場合でも、完全に管理されたビッグ データおよび高度な分析サービスを提供する Cortana Analytics Suite をご利用いただけます。このサービスでは、先日の発表 (英語) にあるとおり、お客様のデータをインテリジェントな対応に変換することが可能です。また、Azure Data Lake の拡張に関する展望についても発表しました。その中で、ストレージ サービス、分析サービス、そして既に提供されている管理された Hadoop-as-a-Service や Azure HDInsight について触れています。さらに、Linux 用 HDInsight の一般提供も開始されました。Visual Studio が統合されたことにより、ビッグ データ コードの作成、デバッグ、最適化の工程が簡素化されます。このほか U-SQL 言語も新たに導入され、お客様のコードの表現力と SQL のメリットを統合できるようになりました。ビッグ データを活用するにあたって、チームのメンバーが生産性を発揮するために特に新しいスキルを習得する必要はもうありません。

インテリジェントなインフラストラクチャ: ハイパースケールで信頼性

ここまで説明してきたようなことは、信頼できるクラウド インフラストラクチャという基盤がなければすべて成り立ちません。世界中のマイクロソフトのお客様にとっては、ピーク時の負荷が高かろうと、世界のどこでサービスを利用しようと、自社のビジネス ニーズの成長や規模に応じてインフラストラクチャを利用できることが不可欠であり、そこで真価を発揮するのがハイパースケール クラウドです。Microsoft Azure のように、AWS と Google の合計を超える世界 24 の地域でサービスを提供しているハイパースケールのクラウド サービスはほかにありません。

インフラストラクチャへの取り組みをさらに進めるために、先日、中央インドのプネ、南インドのチェンナイ、西インドのムンバイの 3 つのリージョンを開設しました。これにより、マイクロソフトはインドでハイパースケールのパブリック クラウド サービスを提供する初のプロバイダーとなりました。新しいリージョンではこの地域のユーザーが現地でデータを保存できるうえ、バックアップと復旧に使用するデータが複数リージョンに複製され、またクラウドにプライベート接続するオプションも提供されます。この 3 つのリージョンでは既に Azure のサービスが提供されています。Office 365 は 10 月中に、Dynamics CRM も 2016 年前半にサービスが開始される予定です。

ユーザーがクラウド インフラストラクチャおよびクラウド資産全体で制御性、セキュリティ、透明性を確保するためには、信頼できるインフラストラクチャが欠かせません。世界中でサイバー攻撃のニュースが絶えない今、このことはますます重要になっています。こうした問題に対処するために、マイクロソフトは新たに Azure Security Center を導入することを発表しました。この統合セキュリティ ソリューションでは、ユーザーが自らの利用する Azure リソースのセキュリティについて把握、管理することができ、進化を続ける脅威に先行して対策を取ることができます。

他に類を見ないこの先進的なセキュリティ サービスは、Barracuda、Check Point、Cisco、CloudFlare、F5 Networks、Fortinet、Imperva、Incapsula、Trend Micro などのパートナー企業のソリューションと連携しています。Azure Security Center では統合型のセキュリティ、監視、ポリシー管理の機能を提供するほか、ユーザーへの助言も行います。ユーザーの皆様のデプロイメントから収集した情報を分析し、マイクロソフトが集約している全世界のスレット インテリジェンスと比較して、クラウド セキュリティに関する推定を行いながら脅威を検出します。このようなサービスは業界内でも独自のものです。Azure Security Center は、今年中にすべての Azure ユーザーに提供が開始される予定です。

Cisco 社セキュリティ ビジネス グループの戦略およびビジネス開発担当シニア ディレクターの Dov Yoran 氏は次のように述べています。Azure Security Center を使用すると、Cisco ASA ファイアウォールなどの重要なセキュリティ サービスを簡単に検索、デプロイ、管理できます。Cisco ASAv の優れた保護機能、高パフォーマンス、柔軟な従量課金制モデルにより、弊社とマイクロソフトの共通のお客様は、セキュリティに妥協することなく自信を持ってクラウドを活用することができます。」

また、世界規模の Azure インフラストラクチャのパフォーマンスをさらに高めるために、Azure Virtual Machines に GPU 機能を搭載した N シリーズを新たに発表しました。GPU は、演算処理およびグラフィック処理の負荷が高いワークロードに適し、リモートでの視覚化や、高パフォーマンスの演算・分析処理などのシナリオでお客様のイノベーションを支援します。この N シリーズは、NVIDIA Tesla Accelerated Computing Platform と NVIDIA GRID 2.0 テクノロジを採用し、現在提供されているクラウド サービスの中では最高クラスのグラフィック機能をサポートします。N シリーズは今後数か月以内にプレビューの提供開始が予定されています。

手頃な料金で簡単に利用できるクラウド

マイクロソフトは、お客様がクラウドの特性を活かしてイノベーションを容易に進められるようにするだけでなく、新しいトラブルシューティング ツールやサポート リソース、料金オプションにより、お客様がクラウドへの投資を手軽な料金で簡単に管理できるよう継続して取り組んでいます。先日、マイクロソフトは新しい料金プログラムとして Azure Compute Pre-Purchase Plan を発表しました。これは状態が一定している予測可能なワークロードを Azure で実行しているお客様に向けたプランで、Azure のコンピューティング能力を 1 年分事前購入することで、コストを最大 63% 低く抑えることができます。このプランは 12 月 1 日から全世界で提供が開始されます。

Azure での継続的なイノベーション

マイクロソフトは、世界最高レベルのアプリ開発環境、データ サービス、インフラストラクチャ サービスを提供するリーディング企業であり続けるために、今回の AzureCon で以下のことを発表しました。

  • App Service Environment の一般提供を開始しました。サービスには SLA が完全に適用されます。App Service Environment では、Web Apps、Mobile Apps、API Apps、Logic Apps の各サービスのスケーリング オプションと共に、あらゆるアプリケーションを安全に実行できる、完全に独立した専用環境を利用できます。
  • Akamai と戦略的パートナーシップを締結しました。これにより、業界最大規模の Akamai の CDN 性能が Azure に統合されることになり、Azure CDN の性能、スケール、提供地域を大幅に拡大できます。マイクロソフトと Akamai の双方のプラットフォームは FedRAMP JAB で最高レベルの認証を受けているため、公共機関のお客様も高い利便性を実感していただけます。
  • Azure Mobile Engagement の一般提供を開始しました。このサービスでは、ユーザーのセグメント化、アプリケーション ユーザーの分析、コンテキストを考慮したスマート プッシュ通知やアプリ内メッセージングといった機能をあらゆるデバイスで利用でき、アプリケーションの使用率、維持率、収益性を最大化することができます。
  • Azure Media Services で Live Encoding の一般提供を開始しました。Live Encoding では、イベントのライブ ストリーミングにおいて、さまざまなネットワーク条件とあらゆるデバイスに対応した高品質のビデオを配信することが可能です。第 49 回スーパーボウルや 2014 年冬季オリンピックなどの世界的ビッグ イベントの配信に使用されたデジタル放送技術と同じテクノロジが使用されています。 
  • Azure SQL Data Warehouse のパブリック プレビューの提供を開始しました。最近リリースされた Power BI との統合も導入されています。Azure SQL Data Warehouse は他に類を見ない新しい弾力的なクラウド データ ウェアハウスです。企業向けクラウド データ ウェアハウスとしては初めて、ストレージと独立して演算能力を秒単位で動的に拡大、縮小、停止することが可能となっています。必要なときに必要なだけのクエリ パフォーマンスを得ながら、料金を低く抑えられます。
  • Office 365 および Skype for Business へのアクセスでの ExpressRoute の一般提供を開始しました。また、ExpressRoute から Microsoft Azure Government Cloud への接続も可能になりました。これにより、ExpressRoute を経由して Office 365 にアクセスできるようになります。
  • ExpressRoute に新しい料金プランが導入されます。2015 年 10 月 1 日から、ExpressRoute 接続で 2 種類のデータ プランをお選びいただけるようになります。以前の料金プランはサービス プロバイダーごとに設定されていましたが、今回導入されるプランでは、通信量や通信速度に基づいて最適なプランを柔軟にお選びいただけます。詳細についてはこちらのページを参照してください。
  • D シリーズの次世代 Virtual Machines インスタンスである Dv2 の一般提供を開始しました。Dv2 インスタンスは Virtual Machines または Cloud Services の各サービスで利用できます。カスタマイズされた 2.4 GHz Intel Xeon® E5 v3 (Haswell) プロセッサを採用し、Intel Turbo Boost Technology 2.0 により 3.2 GHz まで性能を向上させ、現行の D シリーズ インスタンスと比較して最大 35% 高速化しています。Dv2 シリーズと D シリーズは、高速な CPU やローカル ディスク、大容量のメモリを必要とするエンタープライズ クラスのアプリケーションに適しています。
  • A8 ~ A11 のインスタンスの料金が値下げされます。マイクロソフトはお客様のコストを削減することに常々取り組んでいますが、その成果として、A8、A9、A10、A11 の各インスタンスの料金が約 60% お安くなります。これらのインスタンスでは強力な Intel Xeon E5 プロセッサが採用されており、高パフォーマンス クラスター、モデリングやシミュレーション、ビデオ エンコード処理といった、高いコンピューティング性能やネットワーク性能が必要とされるワークロードに適しています。新しい料金は 2015 年 10 月 1 日から適用されます。詳細については Virtual Machines の料金ページでご確認ください。
  • Azure File Storage の一般提供を開始しました。Azure File Storage は地理レプリケーションが適用される可用性の高いファイル ストレージとして、低料金でファイル共有機能を利用できます。このサービスでは、広く利用されている SMB 3.0 プロトコルを使用して、オンプレミス環境とクラウド環境の両方でアプリケーションとの永続的で安全な接続を確立できます。
  • Azure Backup でのアプリケーション ワークロードのバックアップの一般提供を開始しました。Azure Backup は Microsoft Operations Management Suite の一部として提供されるサービスで、今回の変更で SQL Server、SharePoint、Microsoft Dynamics を直接バックアップできるようになります。
  • 新サービスの Azure Resource Health の提供が開始されます。このサービスでは Virtual Machines、Websites、SQL Database などのそれぞれの Azure リソースの正常性を確認でき、問題発生時にはその根本原因をすばやく特定できます。また、その根本原因に応じて、サポート チケットの送信などを含め、問題解決のための実用的なガイドやツールを利用できます。Azure Resource Health は、10 月からパブリック プレビューの提供が開始される予定です。
  • 金融サービス コンプライアンス プログラムを発表しました。金融業界は他の業界よりも規制の遵守が厳格に求められます。そうした業界のお客様に Azure をより手軽に採用していただけるように、国際的な金融関連規制の遵守状況やリスク管理要件についてご理解いただくための新しいコンプライアンス プログラムをご用意しました。このプログラムでは、監査レポートの証明書やプラットフォーム侵入テストの結果をご覧いただけます。

これらの発表はすべて業界で最もインテリジェントなクラウドを配信するという取り組みをさらに推し進めるためのものです。マイクロソフトは、クラウドでビジネスを変革するだけでなく、人々の暮らしを変革することも目指しています。アプリ開発、データ、IoT、クラウド インフラストラクチャなどの各分野で差別化された独自のサービスを提供することで、ツールや言語、プラットフォームにかかわらず、クラウドならではのイノベーションをシンプルかつ手頃なコストで利用していただけるようにしたいと考えています。今回の AzureCon (英語) の基調講演やセッションをご覧いただき、インテリジェント クラウドによってどのようにビジネスを変革し、より多くの成果を生み出せるようになるのかご理解いただけますと幸いです。

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