[パートナー事例] “遅いわね。止まって見えるわ…” ~ プライム・ストラテジーの「KUSANAGI」による Web システムの数千倍の高速化【1/14更新】


今日、WordPress は Web システムとして広く使用されています。その WordPress を数千倍のレベルで高速化するプライム・ストラテジー株式会社 (以下、プライム・ストラテジー) の「KUSANAGI」を導入した企業ではどのようなメリットが生まれているのでしょうか。マスコット キャラクターに「遅いわね。止まって見えるわ」と言わせしめる「KUSANAGI」の特長とパフォーマンスについて、代表取締役の中村 けん牛 氏とマーケティング部長の楠木 大三郎 氏にお話をお聞きしました。

プライム・ストラテジー株式会社

代表取締役

中村 けん牛 氏 (写真左)

プライム・ストラテジー株式会社

マーケティング部長

楠木 大三郎 氏 (写真右)

 

プライム・ストラテジーの概要について

―― まず会社の概要についてお教えください。

中村 プライム・ストラテジーは今年で 17 期目を迎える会社です。創業以来、私が社長を務めています。主なビジネスは当社が提供する KUSANAGI をコアとしたインテグレーション サービスとマネージド サービスです。また、私はプログラミング歴に加えて執筆歴も長く、マイコン少年として中学一年生のときに『マイコン BASIC マガジン』誌に寄稿したときから数えて 30 年ほどの経験があります。その経験を生かして技術者向けの書籍の執筆なども手掛けていて、SBクリエイティブ社や O’Reilly 社等から出版されている WordPress 関連のシリーズは累計 5 万部を売り上げています。私が金融系の経験があることもあり、会社としては技術色に加えてビジネス色が強い傾向があり、現在、東京に加えて、ニューヨーク、シンガポール、そしてインドネシアのジャカルタといったビジネスの中心地にオフィスを展開しています。

―― 提供製品の特長は?

中村 KUSANAGI はCentOS 7 をベースとし、セキュリティとパフォーマンスがチューニングされた OS 実行環境です。WordPress をより高速かつセキュアに運用するためのベスト プラクティスが組み込まれています。ご存知の通り、WordPress はオープン ソース ソフトウェアですが、Web システムで広く使用されています。特にメディア系のサイトでは CMS (コンテンツ管理システム) として活用されています。最近の W3Techs による調査によると、WordPress はアクセス数の多い世界トップ 1 千万サイトの約 30% で使用されていて、CMS としてのシェアは約 60% です。日本の検索トレンドでも WordPress が 2 位を大きく突き放してトップです。当社の KUSANAGI は、この WordPress のパフォーマンスとセキュリティを大幅に強化した仮想マシンです。KUSANAGI はフリーミアムとして無償で提供していますが、当社は KUSANAGI を使用したサーバー構築などのインテグレーション サービスと保守運用をメインとするマネージド サービスの 2 つのサービスを提供しています。

 

WordPressを標準の CentOS 7 にインストールした場合と比べて、KUSANAGI では 10 ~ 15 倍の高速化が可能です。ここで理解していただきたいポイントは、この高速化はページ キャッシュによるものではないということです。具体的に言えば、キャッシュに残った情報から情報漏洩につながる可能性が危惧される管理画面や、ユーザーごとにパーソナライズされた画面を表示する必要がある場合など、キャッシングなしでパフォーマンスの強化が求められる場合に KUSANAGI を使用すれば大幅な効率化による業務改善を実現できます。キャッシュが使用できる場合であれば、数千倍といったレベルでの高速化が可能です。

―― KUSANAGI はフリーミアムで提供されているとのことですが、どのようなビジネス モデルを展開されているのですか。

中村 当社の 2 つのビジネス モデルのうち、プロジェクト単位で当社がサーバー構築やマイグレーションのサービスを提供するインテグレーション サービスは当社のビジネスの 40% を占めています。残りの 60% を占めるマネージド サービスは主に運用と保守に関するもので、システム インテグレーターの企業様が KUSANAGI で構築したシステムの保守を KUSANAGI の開発元である当社が担当するという形で展開しています。開発元による保守ということで多くのお客様から高い信頼をいただいています。

―― これまでの導入実績はどのくらいですか。

楠木 KUSANAGI は Microsoft Azure を始めとする主要なクラウド プラットフォームで動作します。KUSANAGI が実行しているプラットフォームは多岐にわたりますが、Microsoft Azure だけでも 1 冊の導入事例が作れるほどです。

 

中村 KUSANAGI は 26 か国の 215 リージョンで利用可能です。ローカルやオンプレミスで利用されていて計測できないケースを除き、実際に計測可能な範囲では、現在 2 万台以上のマシンで KUSANAGI が使用されています。1 年前は 1 万台だったので、この 1 年で倍増したことになります。

 

楠木 ベトナムでもKUSANAGIがクラウドサービスとして作られていて、事後承諾的に私が社長に報告したという変わったケースもありました (笑)。

 

中村 国内でのケースとしては、読売新聞東京本社様が Yomiuri Online のポータルとして提供している「yomiDr.」とメルセデス・ベンツ日本株式会社様の「Mercedes-Benz LIVE!」を始めとして多くの事例が当社のホームページで紹介されています。「yomiDr.」は医療・健康・介護に関する情報を提供するサービスで Microsoft Azure のコンピューティング リソースを使用していることとコンテンツの運用を除き、企画/デザインから設計、実装、そして保守/運用まで、すべての作業を当社が担当しています。「Mercedes-Benz LIVE!」では、他のクラウド上にあった既存のサイトを KUSANAGI for Microsoft Azure に移行したプロジェクトをきっかけに当社のマネージド サービスをご利用いただいています。

KUSANAGI」のメリット

―― 数千倍の高速化が可能とのことでしたが、他にはどのようなメリットがあるのですか。

中村 KUSANAGI には高度に強化されたセキュリティという特色もあります。この記事が公開されている頃にはリリースされていると思いますが、今回予定されている v.8.4 のアップデートでは WAF (Web アプリケーション ファイアウォール)、Vuls (脆弱性検出ツール)、そして IDS/IPS (不正侵入検知/防御システム) の実装によってエンタープライズの要件が満たされると同時に、TLS 1.3、対応 と SELinux 完全対応という形でセキュリティが大幅に強化されています。個人的には、これ以上どこを強化できるのかというレベルでセキュリティが強化されていると思います (笑)。

楠木 KUSANAGI ではアプリケーション リポジトリから最新のミドルウェアを提供しています。一般的に WordPress ではアップデートが問題になることが多いのですが、KUSANAGI ではアップデート可能な仮想アプライアンスとして提供されています。たとえば、CentOS 7 の PHP のバージョンは非常に古く、標準では PHP 5.4 のアップデートしか提供されていませんが、Microsoft Azure で作成した KUSANAGI のインスタンスでは、PHP 7 系の最新版へアップデートが可能です。仮想アプライアンスを提供するサービスでもミドルウェアのアップデートまで行っているケースは稀ですが、KUSANAGI では常に最新のミドルウェアをリポジトリから提供しているので、最新機能を活用した Web アプリケーションも利用できます。

 

 

 

中村 高速化と堅牢なセキュリティという 2 つのメリットはエンタープライズだけでなく、特にメディア系のサイトを運営するお客様に高く評価されています。回遊率がアップした結果、ページ ビュー (PV) が 40% 増えたというケースがあります。

 

楠木 CMS で使用する場合、ページキャッシュではなく KUSANAGI そのものの性能によって高速化が行われるので、管理画面の処理が非常に高速になります。また、専用のプラグインを使えば、画像のトリミングなどの処理も自動的に行って公開用に最適化することが可能になるので、結果として大幅な業務改善が期待できます。さらに、KUSANAGI ではハイスペックのコンピューティング リソースは必要ないので、サーバー インスタンスそのものをロースペック化してコストを削減することもできます。

 

中村 クラウドでアクセスが増大するとオートスケールで対応するというケースが多いのですが、私たちは元々オートスケールに依存しないサーバーを構築しています。実際、これまでオートスケールが必要になったことはありません。オートスケールのようなシステマチックな方法ではアクセス数の急激な増加には対応できずにサーバーがダウンすることがあるのですが、KUSANAGI では、ユーザー エクスペリエンスを維持したまま高速化とセキュリティ向上を実現できるので、サーバーの管理労力が大きく削減されます。

 

楠木 KUSANAGI のコマンドでデプロイや SSL 化が可能なので、KUSANAGI ベースで開発を行う開発者も増えてきています。フリーミアムで無償提供されていることに加えて、さまざまなツールが含まれているのでエンジニアの生産性もアップします。Web システム開発の標準環境として KUSANAGI が使われているケースも多く、システム インテグレーターがシステムを構築して、その保守作業が当社に依頼されるという形で棲み分けが行われています。

KUSANAGI の可能性を広げるマイクロソフトの多様なテクノロジとソリューション

―― どのような経緯でマイクロソフト パートナーになったのですか。

中村 当社がスポンサーした WordPress コミュニティのイベントにマイクロソフトもスポンサーとして参加し、ブースが隣り合うというようなことが頻繁にあって、その現場レベルで親密な交流が生まれたのがきっかけです。そのうちに Azure のハンズオン資料の作成を依頼されたり、WordPress on Microsoft Azure のロードショーを一緒に開催したりという流れでパートナー登録されたと記憶しています。

 

楠木 日本の企業で初めて Azure Marketplace に登録されたのが KUSANAGI for Microsoft Azure でした。現在、当社は Gold クラウド コンピテンシーを取得しています。最初はエバンジェリストのチームとマーケティングすることやセミナーを開催するということが多かったのですが、マイクロソフトと一緒に動いているということがエビデンスとしてお客様にアピールできたケースも少なくありませんでした。

中村 そのような意味では、営業面の連携という点では大いに恵まれていると思います。さらに、マイクロソフトで開発系のチームにいた方々が別の部署に異動して、いろいろな部署から個別案件の相談を受けたりするので、現在はパートナー チーム以外のさまざまなチームと頻繁に連携させていただいています。

 

 

楠木 2020 年に Windows Server 2008 のサポートが切れることを受けて、Web システムとして使っている Windows Server 2008 を Microsoft Azure に移行して KUSANAGI でリプレースするというような案件の相談を受けることがあります。マイクロソフトが Microsoft Azure をコアとして新たな次元でビジネスを展開しているのだと考えています。

 

中村 パートナー部門の KPI に稼働台数が設定されていたときは KUSANAGI for Microsoft Azure はトップでした。最近の KPI は Azure リソースのコンサンプションになったようで、「もっと (KUSANAGI を) ブン回してリソースのコンサンプションを上げてほしい」とリクエストいただいています。KUSANAGI の性質上、どうやってもブン回らないのですが (笑)、期待に応えたいと思っています。

―― 最後にマイクロソフト パートナーへのメッセージをお願いします。

中村 マイクロソフトのパートナーに対する力の入れ具合は他のクラウド ベンダーに比べて桁違いです。加えて、マイクロソフトのプロダクトとソリューションの幅は非常に広いので、プロダクトとソリューションごとに異なるパートナーがいます。他のクラウド ベンダーのパートナーが協業しようとしても結果的に競合してしまうのですが、マイクロソフトの場合は、パートナーごとに得意分野が異なるので質の高い協業が可能です。

 

楠木 Web システムはオープン化が進んでいるので、その点からも多様なテクノロジを持っているマイクロソフトと協業するメリットは大きいと思います。KUSANAGI は優れた OS 実行環境ですが、マイクロソフトのテクノロジを使うことでその可能性は大きく広がります。たとえば、可用性、冗長性、そしてサイト リカバリーといった DR 機能を使うとなると専用のデータ センターが必要ですが、Microsoft Azure ではリージョン間での自動的なレプリケーションが行われるので、月額わずか数万円のコストで高度な DR を実現できます。

 

プライム・ストラテジー株式会社

WordPress のリーディング カンパニーとしてだけでなく、超高速 WordPress 実行環境 KUSANAGI の開発元として、インテグレーション サービスとマネージド サービスを多岐にわたって提供している企業です。同社の KUSANAGI for Microsoft Azure は日本企業のソリューションとして初めて Azure Marketplace に登録された製品です。多様なクラウド プラットフォームで動作する KUSANAGI は、メディア系を始めとする多くのサイトで驚異の高速化とセキュリティ強化を実現しています。

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