[パートナー事例]「デバイスをコアにした ERP」というユニークなコンセプトで急速に市場を拡大~昨年日本市場にも本格参入した Annata のビジョンと広がりつつある活用領域【5/29 更新】


2016 年 11 月に一般提供が始まり、その後も数多くの革新を続けてきた Microsoft Dynamics 365。そのパートナー動向の中で大きな話題となったのが、昨年 10 月に発表された Annata の日本市場参入です。同社は Dynamics Global ISV (GISV) であり、その日本市場参入は他のパートナーにとっても大きな意味があるといえるでしょう。それでは Annata とはどのような企業であり、いかなるソリューションを提供しているのでしょうか。そして今後のビジネス展望は?日本支店 ジェネラルマネージャーの岡 寛美 氏と、プリセールスマネージャーの伊藤 由佳 氏にお話をお聞きしました。

 

Annata

Japan Country General Manager
North Asia Regional Director
岡 寛美 氏 (写真左)

Annata

Presales Manager
伊藤 由佳 氏 (写真右)

 

 

Annata の概要について

 

―― まず会社の概要についてお教えください。

 

 Annata はアイスランドのレイキャビクに本社を置く、グローバルな IT ソリューション企業です。Microsoft Dynamics AX の前身である Axapta の実装を行っていた企業の従業員が、その知見を製品化するため 2001 年に設立しました。それ以降一貫して、Dynamics をベースにした製品を提供し続けており、マイクロソフトのゴールド パートナーに認定されています。昨年には Dynamics 365 の発表に伴い、ブランディングを「Annata 365 for Dynamics」に変更。2017 年 10 月には日本支社を開設し、日本市場への本格参入を開始しました。

 

―― Annata 365 for Dynamics とは、どのような製品なのですか。

 

 デバイスをコアとした ERP です。自動車や産業機器のようにある程度長い寿命を持つ製品をサポートし続ける場合、メーカーや代理店はデバイスのライフ サイクル全般にわたるデータを一元管理し、必要となる保守部品の在庫管理や交換履歴、サービス履歴や適正なタイミングを可視化しなければなりません。このような業務をサポートするのが Annata です。デバイスのライフ サイクル バリュー チェーンに特化した ERP といってもいいかもしれません。

 

―― これまでの導入実績は?

 

 全世界で 150 以上のブランドで活用されており、ユーザー数も 9 万人を超えています。また導入されている国や地域は 40 を超えており、英語や日本語を含む 14 の言語をサポートしています。グローバルで最大のお客様はボルボ様ですが、今年 4 月にハノーバーメッセ出展時に事例紹介させて頂いた日立建機様をはじめとする日本の自動車や重機メーカー様にもご利用いただいております。

 

Annata のデバイス管理画面例。デバイスの形式選択から組み立て、オプション指定、付属品など、デバイスに関連する各種情報を一元管理できます。

 

 

エンドツーエンドのデバイス管理を短期間で実現可能

 

―― デバイスをコアとした ERP というのは、あまり聞いたことがありません。同じような機能を提供する競合はあるのでしょうか。

 

 他社の ERP CRM が競合になると考えていますが、同様のコンセプトの製品は他に存在しないと思います。

 

―― 競合に対する貴社製品のアドバンテージはどこにありますか。

 

 圧倒的に導入が容易で、導入後も長期的に使い続けやすいことです。たとえば、日立建機様はオランダで新規にレンタル事業に着手する際に Annata を導入していますが、2017 年 10 月にキックオフし、導入作業開始からわずか 6 週間で本番稼働を開始しています。

 

―― キックオフから 6 週間というのは、ERP 導入としては驚異的なスピードですね。

 このようなことが可能なのは「デバイス 360°」というコンセプトに基づき、デバイスをエンドツーエンドで管理できる機能を最初から標準機能として実装しているからです。提供している機能群は 17 年間の実績から生まれたもので、お客様から新たな機能のご要望をいただいた場合には、Extension として機能を追加しています。一般的な ERP では、独自に機能を拡張した場合に ERP のバージョンアップによって動かなくなるケースもありますが、Annata ではその心配もありません。また最近では「カスタマー 360°」というコンセプトに基づいた CRM 機能も提供しています。デバイスと顧客の両方の観点からの情報管理機能とプロセスを標準で提供しているソリューションは、他にはないはずです。

 

 

 

Annata の「デバイス 360°」のコンセプト。デバイス構成 (CONFIGURE) から提供 (RENT)、管理 (MANAGE)、接続 (CONNECT)、サービス (SERVICE) に至るまで、一貫した情報管理と可視化が可能になります。

 

伊藤 Dynamics をベースにしていることも、アドバンテージの 1 つだと感じています。私自身は今年 4 月に Annata に入社し、それ以前は他の ERP 製品を扱っていたのですが、Dynamics は Microsoft Office 製品や IoT との連携が容易で、カスタマイズ性も高く、デジタル トランス フォーメーションに活用しやすい基盤だと思います。またセキュリティが十分に担保されている点も魅力の 1 つです。

 

―― 「デバイスをコアにする」というコンセプトによって、対象業種が狭くなる可能性はありませんか。

 

 必ずしもそうではありません。創業時のお客様が自動車メーカーだったこともあり、お客様の中には今でも自動車メーカー様や建機メーカー様、産業機器メーカー様が数多くいらっしゃいますが、最近では他の業種、業態のお客様も増えています。長期的に使われるデバイスを多数抱えている業界は、実は数多く存在するからです。そして現在でも、それらをスプレッド シートやメールで管理しているケースは少なくありません。「デバイスをコアに」というコンセプトは、広く応用できるものなのです。

 

 

 

 

急速に広がりつつある適用領域

 

伊藤 私もプリ セールス活動を行う中で、「確かに業界の垣根はなくなりつつあるな」と実感しています。従来の顧客リストからすると、思いもよらないお客様からお問い合わせをいただくことが増えているからです。その一例がある食品メーカー様のケースです。このお客様では自社製品の製造装置を自社で開発/製造しているのですが、海外進出の際には製品を輸出するのではなく、海外のパートナー企業に製造を任せ、自社の製造装置を輸出するというアプローチを採っています。これらの製造装置を適切な形でメンテナンスし続けるため、Annata を使いたいというお話をいただいております。

 

 他にもロボットやエアコン、医療機器メーカー様等からのお問合せもありますし、公共のお客様におけるフリート管理の活用事例もございます。

 

伊藤 日立建機様のケースのように、レンタル事業にも適しています。レンタル事業の場合、顧客となる使用者が頻繁に変わるため、顧客だけを軸にした情報管理では、デバイスのメンテナンスを継続的に行うことが難しくなります。しかしデバイスを軸に情報管理を行えば、使用者が変化しても使用状況を追跡しやすくなります。リース業でもご活用いただけるはずです。

 

―― なるほど、自動車や建機などのメーカーだけではなく、継続的に使われるデバイスが存在するビジネス全般に活用できるわけですね。

 

伊藤 17 年間の実績で確立されたデータ モデルもあり、Power BI のテンプレートも用意されているため、デバイスの使用状況などを分析することも容易です。将来はこれらの機能を活用し、シェア エコノミーの基盤にすることも可能だと考えています。

 

 そのために Microsoft Azure IoT との連携も計画しています。Annata には IoT データを入れるための受け皿が多数用意されているため、これによって各種センサーやメーター、GPS などのデータを取り込んでいきたいと考えています。そのために最近、Azure の専門家の採用も決まりました。

 

 

 

 

 

 

 

他のパートナーと共に Dynamics を盛り上げたい

 

―― これからおもしろい展開が見られそうですね。

 

伊藤 ありがとうございます。これまでの IoT 関連の取り組みは実証実験レベルのものが多く、それを収益につなげているケースは少なかったのではないかと思いますが、IoT データを Annata に取り込むことで、実証実験レベルから実際のビジネスへのステップアップが容易になるはずです。Azure IoT のパートナーの皆様にも、ぜひ Annata の活用を検討していただきたいと思います。

 

―― 他に何かメッセージはありますか。

 

 世界各国の市場動向を見ると、Tier 0 の GISV が活動する国では、その GISV が取り扱うマイクロソフト製品のウィン レート (勝率) が高くなる傾向があります。Dynamics の GISV として日本で活動しているマイクロソフト パートナーは、現時点では当社しかいませんが、当社が日本に参入したことで日本の Dynamics 市場が盛り上がったといっていただけるよう、努力したいと考えています。日本で Dynamics が盛り上がれば、それを見た他の GISV も日本市場に参入し、さらに盛り上がるという好循環が生まれてくるはずです。このような世界を、ぜひ他のパートナーの皆さまと作り上げていきたいと思います。

 

―― ぜひそうしてください。本日はありがとうございました。

 

 

 

 

Annata

Axapta (後の Microsoft Dynamics AX) の専門知識と経験を製品化するため、2001 年に設立。アイスランド レイキャビクに本社を置くグローバル IT 企業です。Dynamics 365 を基盤に、デバイスをコアとしたビジネス管理ソリューション「Annata 365」を提供しており、2017 年 10 月には日本市場に本格参入するため日本支社も設立。Dynamics のゴールド パートナー&Global ISV でもあり、世界 40 か国以上、150 を超えるブランドに対してソリューションを提供しています。

 

 

 

 

 

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