価値ベースの価格戦略を採用するメリットとは【9/15 更新】


(この記事は 2017 年 8 月 3 日にMicrosoft Partner Network blog に掲載された記事 The Win-Win of Value-based Pricing Strategies の翻訳です。最新情報についてはリンク元のページをご参照ください。)

 

パートナー様に苦労しているポイントを伺うと、よく返ってくるのが価格戦略という回答です。皆様が悩むのも無理はありません。クラウド ベースのサービスを提供するにあたっては、コストに利益を上乗せするという、これまで標準的に採用されてきた永続ライセンスの提供スタイルは適さない場合があります。また、使用量を基準とする新しい従量課金モデルが定着して業界の常識は覆されましたが、このモデルにはあまり付加価値を高める余地がありません。そのため、広範囲への導入を促進して、提供するサービスを論理的に拡大し、利益を拡大していくことが困難なのです。

今日の市場においては、価値ベースのクラウド サービスを提供することで、料金という要素も価値提案の 1 つとしてお客様に全面的にアピールできます。この記事では、営業活動において競争力を高める武器となる、効果的な価値ベースの料金モデルをご紹介します。

 

標準料金モデルや固定料金モデルからの脱却

価値ベースの料金モデルについて説明する前に、従来の 2 つの料金モデルについて触れておきます。いずれも根強く残ってはいるものの、長期的な成長には足かせとなる可能性があります。まずは、モバイル アプリ市場で主流の標準料金モデルです。このモデルでは、既存のサービスを参考にして料金体系が決定されています。お客様は既に似たようなサービスの販売価格を把握しており、標準的な料金からかけ離れた値段では受け入れてもらえないリスクがあるため、結局は自社のサービスにも同程度の料金を設定することになります。

このモデルはサービスの差別化に役に立たないばかりか、お客様にユーザーを増やしたり、サービスを追加したりするように促すきっかけにもなりません。

もう 1 つは、すべてのお客様に一律の料金を請求する固定料金モデルです。この手法の大きな問題は、たくさんの収益機会を逃してしまいやすい点です。お客様は一様ではありません。さまざまなニーズを抱え、多様なセグメントに分かれています。重ねて言いますが、固定料金モデルでは、お客様に追加購入しようという気を起こさせることはできません。

そのため、私は価値ベースの価格戦略をお勧めします。特にマネージド サービスを販売する場合には、価値ベースのモデルを検討してください。マネージド サービスでは、徐々にお客様への価値を追加できるうえ、時間の経過と共に収益を増加させることができます。価値ベースのモデルでマネージド サービスを販売する場合、必ずしも実際のコスト、追加のメリット、マネージド サービスによるコスト削減効果を考慮に入れる必要はありません。

 

好循環を生む料金モデル

この料金モデルの目的は、1 回の販売によってお客様の組織内でまた新たな販売が促進されるような、好循環の販売サイクルを構築することです。これにより、サービスの導入と利用拡大が期待できます。好循環を生む料金モデルとしてお客様に人気があるのは、ユニットあたりのコストが安くなる累進制料金モデルです。ユニットあたりの固定料金に一括購入割引が付いたものと考えることもできます。ユーザー単位の累進型料金モデルなら、ユーザー数の増加に応じてユーザーあたりの料金を下げるポイントを設定します (下図参照)。

© 2016 Lemon Operations for Microsoft

 

一見わかりにくいかもしれませんが、このモデルはパートナー様の利益にもつながります。シートあたりのコストは安くなるものの、より積極的な購入を促進することで契約規模を拡大できるのです。以前にご説明 (英語) したとおり、クラウド ベースのサービスにおいて規模は何よりも重要です。当初はお客様の一部の社内ユーザーしか利用していなくても、別の事業部門が似たようなサービスを探していれば、パートナー様の代わりにお客様が社内でサービスを勧めてくれます。ユーザー数が増えて次のポイントに達すれば、ユーザーあたりのコストを抑えられるためです。

段階制料金モデルも累進制料金モデルの一種ですが、収益性は大幅に向上します。累進制料金モデルと同様に、ユニットの範囲 (ユーザー数 10 ~ 19 名、20 ~ 49 名など) を設定しますが、各ユニットの範囲の最大ユーザー数に合わせて料金を計算する点が異なります。たとえば、最初はユーザー数が 15 名であっても、お客様は 19 名分の料金を支払うことになります。ユーザー数が増えると次のレベルに移行し、今度は上限が 49 名となります。各レベルの最大ユーザー数に近づくほど、お客様にとって価値が高まるため、結果的に好循環の販売サイクルが促進されます。

 

定額制料金モデル

定額制料金モデルは長年にわたって有効性が実証されている料金戦略です。このモデルは、すべてのお客様が支払う一定の金額に対して一定水準の価値を提供するもので (銀行ローンや保険の支払いと類似)、80 対 20 のルールが適用されます。このモデルでは、すべてのお客様の平均使用量を割り出し、それを上回る水準に料金を設定します。80% 以上のお客様の使用量が設定水準を下回るようにして、残りの 20% 未満のお客様については支払った金額以上の使用を認める形になります。つまり、お客様の 80% 以上の支払いによって、超過利用のお客様 (お得意様) の費用を賄うということです。定額制料金モデルは、従来のモデルと比較して収益性が 1.5 ~ 3 倍になることが証明されています。

 

© 2016 Lemon Operations for Microsoft

 

前払金と支払条件

前払金はよく質問されるポイントです。前払金は請求すべきなのでしょうか。

何事にも言えることですが、答えはパートナー様のビジネスやお客様によって変わります。1,136 社の Azure パートナー様を対象とした最近の調査では、プロジェクトやマネージド サービスの前払金を請求している企業は約半数のみで、前払金を請求する場合は合計金額の 25% 未満としているケースがほとんどでした。前払金を請求する理由としては、作業を開始するための運営資金の確保や、プロジェクトに出資してもらうことによるリスク軽減、お客様の支払いが長期にわたる場合の財務的な影響の最小化などが挙げられます。

マイクロソフト クラウド プラクティス開発スタディ」によると、支払条件で最も一般的なのは 30 日以内でした。多くのパートナー様は迅速な支払いに対して割引 (10 日以内に支払った場合は 2% 割引など) を提供しています。これは、お客様にとって期日どおりに支払いを済ませる動機付けになります。

IT サービスが進化し続けている現状では、効果的なサービス料金戦略も進化しています。ただし、その目標は常に、自社の利益を最大化すると同時に、広範囲への導入を促進してビジネスを拡大することであるべきです。財務モデル、価値向上モデル、パートナー様の収益性の詳細については、クラウドの収益性に関するシナリオをご覧ください。

料金モデルや前払金について、皆様のご意見をお聞かせください。皆様の企業ではどのような戦略が有効でしたか。こちら (英語) のマイクロソフト パートナー コミュニティまでお寄せください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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