マイクロソフトとの提携により大きな成果を達成した Tech 系スタートアップ 4 社の事例【9/6 更新】


(この記事は 2017 年 7 月 17  日にMicrosoft Partner Network blog に掲載された記事 Be Inspired: 4 Tech Startups Achieving More with Microsoft の翻訳です。最新情報についてはリンク元のページをご参照ください。)

 

スタートアップはさまざまな面で独自性を持っています。独特の文化や目標を持つだけでなく、働き方やソリューションまでもが一般の企業とは異なります。優れたアイデアをビジネスとして形にするのはだれにとっても難しい挑戦ですが、成功を収めている企業は、挑戦できることそのものが報酬の一部であると捉えています。

マイクロソフトは、立ち上げて間もないスタートアップを育成する場を設け、Tech 系スタートアップ コミュニティのあらゆる成長段階を支援する環境を整えています。Microsoft for Startups (英語) は、こうした企業の市場における可能性を伸ばすと共に、マイクロソフトのクラウド サービスを活用して、信頼できるインテリジェントな未来のアプリを開発、展開できるようにすることを目指しています。

今回は、マイクロソフト パートナー エコシステムのスタートアップの挑戦と成功の事例をご紹介します。

 

Coralogix: ソフトウェア配信と保守プロセスの改善

 

2014 年にイスラエルで設立された Coralogix (英語) は、ソフトウェア プロバイダー向けに配信・保守プロセスを改善するログ解析 SaaS プラットフォームを提供しています。同社では、機械学習とビッグ データを組み合わせて、企業の問題解決までの時間短縮、システム稼働率の向上、保守費用の削減、包括的な顧客満足度の向上を支援します。ターゲットとする業界は、ゲーム、データ分析、Web アプリケーションなど、多岐にわたります。主な顧客には AGS、New Relic、AppsFlyer、EatWith、Zerto、IronSource、Plarium などが名を連ねており、エンジニア、DevOps、品質管理部門が抱える運用課題を解決する独自のソリューションを提供しています。

創業者であり CEO を務める Guy Kroupp 氏は Coralogix について、ソフトウェアの動作を自動で把握し、コンポーネント レベルやマシン レベルに限定したインサイトを提供する唯一のソリューションであると説明します。

「当社のソリューションを使用すれば、運用における問題の認識から解決までの時間を短縮できます。Coralogix は、独自のインサイトをソフトウェア配信プロセスに適用することで、継続的な配信と品質保証を実現します」

– Coralogix、創業者兼 CEO、Guy Kroupp 氏

 

Coralogix は、グローバル規模の企業で日々大量に蓄積されるログ データの不満点やコストに着目し、何百万ものイベントを手動で選別する代わりに、ログ データやイベント データから有用なインサイトを自動で抽出できるようにしました。Coralogix は、Azure の Linux サーバーおよびネットワーク上で動作し、TFS (英語)、MSBuild、.NET (英語) などのマイクロソフト製のアプリケーション配信ツールと統合されています。同社はエンタープライズ市場を視野に入れ、引き続き Azure のハイブリッドおよびプライベート スタックを使用して、迅速な問題解決につながる詳細なインサイトを提供できるハイブリッド ソリューションの展開を計画しています。このソリューションは主に、独自のインテリジェントなアルゴリズム、拡張性と柔軟性に優れたビッグ データ インフラストラクチャ、シンプルかつ効果的なユーザー インターフェイスという 3 つの要素で構成されています。

ビジネスをゼロから立ち上げるという困難な挑戦の中で、マイクロソフトとパートナーシップを提携したことは非常に有益だったと Kroupp 氏は述べています。同社は、Accelerator プログラムのサポートにより 300 万ドルの創業資金を確保できました。同様に、多くの Accelerator プログラムの参加企業が、マイクロソフトのサポートを受けて飛躍的な成長を遂げています。

 

Sensoro: デジタル世界と物理世界の橋渡し

 

Sensoro (英語) では産業用 IoT として、資産追跡、エネルギー管理、環境計測の用途に強化された超広範囲な IoT ソリューションを提供しています。2013 年の設立からわずか 4 年のうちに従業員数は 95 人にまで成長し、現在は米国と中国に事業所を構えています。Sensoro は、マイクロソフトや投資家が出資するプログラムのシリーズ A ラウンドで 1,000 万ドルの資金を調達し、グローバル市場で提供可能なハードウェアおよびソフトウェア ソリューションを開発しました。

Sensoro の CSO を務める Vivian Li 氏によれば、ビジネス立ち上げのきっかけは、難しい IoT 環境でのオフライン データの取得に着目したことです。特に、位置情報や時間といったリアルタイムの詳細データを収集するのは、非常に困難とされています。ビーコン技術を使用してプッシュ通知でリアルタイムの顧客データを送信するアイデアは、小売業界で利用できる大きなチャンスでした。一方、IoT 環境の急速な拡大やアプリケーション依存度の高さが原因で、ビーコンの管理が複雑になるという課題もありました。

Sensoro の Laura テクノロジは、2 ~ 6 マイルの範囲内で収集できるセンサー データを提供し、ターゲット エリア内のすべてのビーコンを効果的に管理します。パートナーのソリューションを使用して追跡用ビーコンを展開し、Sensoro の IoT センサー ネットワークが湿度、温度、その他の環境情報に関するデータを分析して、建物内のエネルギー消費の改善など、データに基づく意思決定を実現します。

Sensoro の IoT ネットワーク ソリューションは、Azure IoT Hub を基盤として独自に知的財産 (IP) を組み合わせて構築されています。Microsoft Accelerator (英語) プログラムのサポートは非常に有益だったと Li 氏は言います。同社はシアトルのマイクロソフト オフィスに拠点を置き、Azure クレジットを活用してトレーニングを実施して、従業員が Azure のサービスや機能に関する最新情報を常に把握できるようにしています。

 

「マイクロソフトは、スタートアップの成長に最適なプラットフォームを生み出しました。特に、Azure IoT Hub と Accelerator プログラムはとても役に立っています」

– Sensoro、CSO、Vivian Li 氏

さらに Sensoro は、Accelerator プログラムを通じたマイクロソフトとの提携がきっかけとなり、スマート シティ プロジェクトに積極的に参加するようになりました。現在では、ホワイト スペース (未使用の周波数帯域) の有効活用を検討する中国国内の複数の地区に IoT 製品を販売しているほか、政府機関に信頼できる IT インフラストラクチャ ソリューションを提供しています。エネルギー浪費対策から、早期発見モニターによる洪水時の人命救助まで、Sensoro が構築した IoT ネットワークは、今後世界中の市場で間違いなく変革をもたらすことでしょう。

 

Cognisess: 人的資本の公平な評価

 

Cognisess (英語) は、人材に関する予測分析ソリューションを提供する企業です。CEO を務める Chris Butt 氏は、仕事の成果、キャリアの向上、日常業務などに直結する従業員のスキルや潜在能力をさらに深く理解することを目指していると説明します。Cognisess のビジネスのヒントとなったのは、IQ テストや性格診断など、偏った時代遅れの指標に基づいた評価により、若くして可能性を見限られたり、早すぎる段階で能力を判断されたりする人がいるという現実でした。同社は、企業が従業員や採用希望者の将来的な業績、勤続の可能性、スキル開発のニーズなどを予測するための分析ツールを開発しました。Cognisess の評価、機械学習、AI ツールは、何百万ものデータ ポイントをビジネスに関するインサイトに変換できます。神経科学者、データ サイエンティスト、ソフトウェア エンジニア、心理学者から構成される開発チームは、人的資本の公平な評価を目指して取り組みを進めています。

Butt 氏は、あらゆる業種において、適切な人材を見つけ出し、従業員のモチベーションを維持しながら長期的に雇用することは非常に困難であると述べます。「主観的に過小評価された結果、最適な仕事に就けず、力を発揮できないケースは少なくありません。Cognisess のソフトウェア プラットフォームでは、性別、年齢、経歴などではなく、主要な属性や仕事の予測因子に基づいて、客観的なデータ駆動型のマッチングを行います。人々は大きな可能性を秘めていても、多くの場合、それを発揮する方法を知りません」英国に本社を置き、ヨーロッパ各地、オーストラリア、イスラエルにパートナー オフィスを構える同社は、ゲームベースの評価、人事考課または企業の KPI、顔分析やテキスト分析、従業員に関するデータなど、業績の評価に役立つデータを収集・分析する単一プラットフォームを提供しています。Cognisess が開発した機械学習ソリューションおよび AI エンジンの Deep Learn は、8 種類の能力分野と 100 種類以上の属性にわたる膨大な量のデータを計算できます。あらゆる規模の企業で利用しやすい手頃な価格のソリューションは、最適な仕事の斡旋、従業員の成果向上、雇用主の将来的な人材ニーズの予測などを実現します。このプラットフォームは Microsoft Azure を基盤としており、Deep Learn には Cognitive Services を採用しています。

「能力の測り方や評価方法を再構築して、人々が自分に適した仕事やキャリアを見つけられるようにしたいのです」

– Cognisess、CEO、Chris Butt 氏

Cognisess では、ユーザー エクスペリエンス戦略やビジネス モデルを構築する前の段階で、同社が提唱する科学の裏付けと実証のために、時間をかけて 40 種類の評価項目を含むプラットフォームを構築しました。現在はモデルの拡張段階にあり、AppSource との統合など、マイクロソフトのエコシステムを大いに活用しています。同社はシード ラウンドの期間に 90 万ドル以上を調達することに成功し、現在 IHG、Volkswagen、Babcock、Uber、MyOptique などの顧客にソリューションを提供しています。

 

Agolo: 要約の科学

 

Sage Wohns 氏は、自動要約を得意とする自然言語処理のスタートアップ Agolo (英語) の CEO を務めています。同社が開発したソリューションは、公開されているテキストと社内文書の両方を取り込んで集約し、リアルタイムで要約を作成します。これにより、職場の生産性の向上や情報過多の抑制を実現し、世界中のビジネスにおいてだれもが最も重要な要点を把握できるようになることを目指しています。

Wohns 氏は、人工知能の躍進に関して、非常に重要な時期を迎えていると主張します。現在、膨大な量のデータが利用できるようになり、データ活用のためのアルゴリズム レベルも成熟してきました。Agolo プラットフォームは、文字 (テキスト) と文章 (コンテキスト) の両方を考慮して、非常に効率的で有用な要約を提供します。同社の大きな特徴は独自の AI へのアプローチです。これは、世界中の人間が作成した要約という膨大なデータ セットを軸に置き、人間の脳に関する詳細なインサイトを活用して調整を行うというものです。

「今、人工知能システムにとって非常に重要な時期を迎えています」 – Agolo、CEO、Sage Wohns 氏

同社が主なターゲットとするのはメディア関連の企業ですが、このしくみはあらゆる業界で活用できるソリューションであると Wohns 氏は考えます。Agolo プラットフォームは、視聴者や配信メディアに基づいて、大規模にコンテンツをパーソナライズすることを目的としています。このプラットフォームは Azure クラウド上でホストされ、各タスクは HDInsight や Spark Streaming などのツールを活用して実行されます。今後は他のマイクロソフト製品を使用して、事業のさらなる可能性を追求する予定です。

画期的なアイデアをビジネスにしようと考える新しいスタートアップに向けて、Wohns 氏は「車輪の再発明」は避けるべきだとアドバイスしています。既に深い専門知識が確立されているのであれば、それを活用しない手はありません。

「スタートアップはイノベーションでなく、ビジネスを世に広めることに尽力すべきです。既にあるものをゼロから作り直していては、アイデアを広めるチャンスを逃してしまいます」

 

マイクロソフト パートナー ネットワーク コミュニティでは、この他にも多数のビジネスの成功事例をご確認いただけます。今回の記事に関するご意見を他のメンバーとぜひ共有 (英語) してください。

 

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