[パートナー事例] 日本ワムネットの「DIRECT! EXTREME」の基盤として Azure を CSP で提供~インテックのオープンなマルチ クラウド戦略と、最終的に Azure が採用された理由【9/5 更新】


2017 年 6 22 日、日本ワムネット株式会社 (以下、日本ワムネット) が新サービス「DIRECT! EXTREME (ディレクト エクストリーム)」の発表を行いました。これは 1 ファイル最大 2 TB という超大容量ファイルを、ファイル数無制限で高速転送できるというもの。その技術支援パートナーとして、サービス基盤に Microsoft Azure を提案したのが、株式会社インテック (以下、インテック) です。

それではなぜ Azure が採用されることになったのでしょうか。そしてそれによって得られたメリットとは?インテックでこの案件に携わってきた君塚 修 氏と渡辺 涼 氏にお話を伺いました。

写真左より、インテック ネットワーク&アウトソーシング事業本部 クラウドサービス事業部長 君塚 修 氏、同社 首都圏産業本部 MCI営業部 主任 渡辺 涼 氏

 

インテックの会社概要と「DIRECT! EXTREME (ディレクトエクストリーム)」について

 

―― まず御社の概要についてお教えください。

 

君塚 インテックは、ICT 技術の研究および開発からアウトソーシングまでの一貫した「ビジネス領域」をトータル ソリューションとして提供している IT 企業です。事業領域は技術研究から ICT コンサルティング、ソフトウェア開発、システム インテグレーション、ネットワーク サービス、アウトソーシング サービスと幅広く、クラウド サービス「EINS WAVE (アインス ウェーブ)」という統合ブランドで提供しています。お客様は公共/行政や金融、製造、流通、医療、メディアと多岐にわたっています。

 

―― 2017 年 6 月に日本ワムネット様が発表された「DIRECT! EXTREME」のプレス リリースにも、技術支援パートナーとしてコメントを寄せていますね。

 

君塚 はい、当社の常務執行役員である倉田がコメントを述べています。

 

―― この「DIRECT! EXTREME」とは、どのようなサービスなのですか。

 

君塚 超大容量データを高速転送するサービスです。日本ワムネット様は 1999 年の設立以来、大容量データ転送サービスとして「WAM!NET Direct!」を提供しており、コンテンツ業界の標準インフラになっていますが、「DIRECT! EXTREME」はその後継サービスに位置付けられるものです。

 

―― サービスの特長は?

 

君塚 最大の特長は、1 ファイルあたり最大 2 TB の超大容量データを、独自の UDP プロトコルとオン ザ フライ機能によって、安定的に高速転送できる点にあります。一度に転送できるファイル数は無制限で、アーカイブされたデジタル資産をまるごと転送することも可能です。また SSL 暗号化、AES 暗号化によるセキュリティ確保や、自動化ツールによる業務効率化なども実現しており、すべてのアクションはログとして記録されます。さらにワムネット サポート センターによって、トラフィックを 24 時間 365 日体制で監視しており、信頼性もきわめて高くなっています。

 

サービス基盤として Azure を採用するまでの経緯

 

―― そのサービス基盤として Azure を活用されているということですが、その選定はどのように行われたのですか。

 

渡辺 2016 年 4 月に当社が技術支援パートナーとして選ばれましたが、既に 2016 2 月には、複数のクラウド サービスを候補に挙げて、比較検討を開始しています。候補となったのは Azure の他、Amazon Web Services と国内事業者 2 社を含む、合計 4 社のサービスです。それぞれを実際に使って大容量ファイルの転送試験を行い、最終的に Azure の採用に至りました。

 

―― Azure が選ばれた理由は?

 

渡辺 最も重視したのは転送スピードの速さと、安定性の高さです。他のサービスは、十分な帯域が確保できなかったり、スピードのバラツキが生じるといった問題がありましたが、Azure はトラフィックを大量に流した場合でも、高速転送を安定的に行えました。このようなことは、CPU 性能やコア数、メモリー容量といったスペック上の数値では、なかなか把握できません。高速なデータ転送を行う場合には、安定的な帯域と十分な I/O 性能の確保が重要になるからです。

 

―― 御社でもクラウド サービスを提供していますが、なぜあえて Azure Amazon Web Services を候補にしたのですか。

 

君塚 確かに自社ブランドのクラウド サービスもありますが、当社は常にオープンなマルチ クラウド戦略に基づき、お客様に最適なものを提案するというスタンスを貫いているからです。

 

渡辺 実は検証前から、商用サービスに求められる十分なスケールを確保するには、Azure のようなメガ クラウドでないと難しいのではないかと考えていました。今回は念のため国内サービスも候補に挙げたのですが、やはり満足のいく結果にはなりませんでした。

 

君塚 旧来型のシステムを堅牢に管理したいというニーズに対しては、自社のクラウド サービスを提案するケースも少なくありません。しかし今回は転送スピードの速さとパフォーマンスの安定性、そしてスケーラビリティが重視されていたため、メガ クラウドの提案に至りました。重要なことは、適材適所でクラウド サービスを使い分けることだと考えています。

 

―― Azure の採用が決まったのはいつですか。

 

渡辺 当社が技術支援パートナーに採用されてから、すぐのことです。その後 2016 4 月から要件定義を行い、開発が進められていきました。2016 年 10 月には単体テスト、2017 年 2 月にはシステム テストを開始。2017 年 8 月からサービス提供予定です。

 

LSP でもあるインテックが CSP を提案した理由

 

―― Azure をどのような形で利用していますか。

 

渡辺 IaaS と PaaS の両方の機能を利用しています。サービスのフロントエンドとなる Web サーバーとデータ転送を行う配信エンジンは、Linux が走る仮想マシン上で動いています。アップロードされたデータを格納するストレージは、PaaS として提供されている Azure Storage を使用しています。また、アプリケーションにて実装するオート スケール機能と連携し、負荷が増減した場合には、自動的に仮想マシンを増減させて対応できるようにしています。

 

―― 今回のライセンス提供は CSP (Cloud Solution Provider) プログラムで行われているそうですね。インテック様は LSP (Licensing Solution Partner) にも認定されていますが、なぜ CSP での提供を選択したのですか。

 

君塚 日本ワムネット様が負担するコストを最適化したいと考えたためです。「DIRECT! EXTREME」のようなサービスは、今後どんどん容量が増大することが予測されます。これに柔軟かつきめ細やかに対応していくには、月額課金で契約の自動更新が行われる CSP が最適だと判断しました。日本ワムネット様からも、月額課金モデルならお客様から受け取るサービス料金とコストを連動させやすく、「コスト超過になるリスクを回避できる」という評価をいただいています。

 

―― Azure の提案によって、他に得られたメリットはありますか。

 

渡辺 Azure による本番サービス提供開始はこれからなので、実際に得られたメリット挙げるのはまだ難しい状況です。ただ、事前の負荷テストで安定的に高速なデータ転送が行えることや、アプリケーションにて実装するオート スケール機能と連携して、サービスに耐えうる大規模のサーバーが問題なく起動および稼働することは確認されており、3 年後を想定した負荷にも現在の構成で十分に対応できることがわかっています。これは大きなメリットだと思います。

 

君塚 日本ワムネット様の選定理由の 1 つとして、リージョンの多さも挙げられていたのですが、これは今後のメリットにつながっていくはずです。「DIRECT! EXTREME」のサービスはまず国内で提供される予定ですが、将来は世界展開が計画されているからです。また Azure には機械学習やデータ分析などの PaaS 機能が用意されており、これらを活用することで、より付加価値の高いサービスが提供できることにも期待が寄せられています。Azure には Media Services のような強力なメディア系機能もありますが、将来はこれを活用することも視野に入っているようです。

 

 

今後の展望

 

―― 最後に、この案件に関する今後の展望や期待についてお教えください。

 

君塚 「DIRECT! EXTREME」の利用企業が順調に増えていくことを期待しています。最近では企業が取り扱うデータの機密性が高まる一方で、ビッグ データや IoT、映像データなどによる大容量化も進んでいます。「WAM!NET Direct!」はコンテンツ業界の標準インフラになっていますが、「DIRECT! EXTREME」はより広い領域で活用されるのではないかと思います。

 

―― 日本ワムネット様のプレス リリースでは、3 年後に年間 5 億円の販売を見込んでいるとありますが、それ以上に成長する可能性もありそうですね。

 

君塚 そうなると嬉しいですね。マイクロソフトはしっかりとしたパートナー制度を確立しており、協同マーケティングにも力を入れています。日本ワムネット様も、マイクロソフトとの協業によって販路を増やしたいというお考えがあるようです。このようなマーケティング面でも、一緒に取り組みを進められればと思います。

 

―― 本日はありがとうございました。

 

 

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株式会社インテック

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