[パートナー事例] CSP 発表後から Office 365 の販売を本格化~多様なサービスをパッケージングした月額課金モデル確立を目指す大日光商事【7/4 更新】


月額課金方式でマイクロソフトのクラウド サービスを取り扱える CSP プログラム。そのパートナーとして活動しているクラウド リセラーが、どのようにクラウド ビジネスに取り組み、いかなる成果を上げているのか、興味を持たれている方も多いのではないでしょうか。そこで、クラウド ディストリビューターであるダイワボウ情報システム株式会社 (以下、DIS) に複数の CSP パートナーをご紹介いただき、インタビューを行いました。今回ご登場いただくのは、株式会社 大日光商事。取締役本部長の工藤 由也 氏と営業部 営業課の赤羽 裕介 氏に、お話をお聞きしました。

 

写真左より、取締役本部長 工藤 由也 氏、営業部 営業課 赤羽 裕介 氏

 

会社概要と Microsoft Office 365 への取り組み

 

―― まず御社の概要についてお教えください。

 

工藤 当社は株式会社大日光・エンジニアリングの子会社として 2012 5 月に設立されました。親会社の大日光・エンジニアリングはキヤノンの複合機向けの基盤を製造するメーカーですが、販売も手掛けるために特販部を設置、この部署が分離独立したのが大日光商事です。現在の主要事業はキヤノンの複合機や OA 機器の販売および保守ですが、IT システムの電話サポートや出張サポート、PC 修理、PC のリモート保守、NAS のオンサイト保守なども、栃木県を中心に展開しています。複合機の販売と保守は単価の下落が進んでおり、今後安定した収入が見込みにくいため、サービスの幅を広げています。

 

―― DIS とのお付き合いはいつごろからですか。

 

工藤 まだ大日光・エンジニアリングにいたころからのお付き合いなので、もう 20 年以上になります。DIS には数多くの商材があり、サポートもしっかりしているので、当社のような小規模な会社がビジネスを広げるには、最適なパートナーです。電子商取引システムである「iDATEN (韋駄天)」も、他社より見やすくていいですね。今後は「iKAZUCHI (雷)」も、積極的に活用していきたいと考えています。

 

―― Office 365 の取り扱いは?

 

工藤 まだ CSP が発表される前に、DIS 経由で数本販売しましたが、手間のわりには利益が薄かったので、その後しばらくは販売を中止していました。本格的に再開したのは 2016 5 月、CSP が発表されてからです。

 

―― CSP 発表後に取り扱いを再開した理由は?

 

工藤 Office 365 と他のサービスをパッケージングすることで、収益を増やせると考えたからです。当社では先程申し上げたように、PC のトラブル対応やリモート保守もサービスとして手掛けているのですが、栃木県では「PC を買ったら保守やトラブル対応もやってもらうのがあたり前」というお客様が多く、これらのサービスで料金をいただくのが簡単ではありません。実際に OA 機器のサポートは、無料で行うケースも少なくなかったのです。しかし Office 365 CSP で販売すれば、月額料金の中にサポート費用を組み込みやすくなります。そこで最近では、無料サポートよりも迅速に対応するというメリットを打ち出して、Office 365 とセットにした有償サポートを提供しています。

 

Office 365 の販売促進のためのくふう

 

―― これまでに販売した Office 365 のライセンス数は?

 

工藤 80 くらいです。お客様の感触は悪くはないのですが、OEM 版の Office と比べるお客様も多いため、Office という言葉を使うと販売につながりにくい感じですね。

 

―― 販売促進のためにくふうしていることはありますか。

 

工藤 クラウド版の Office としてではなく、Microsoft OneDrive などを強く押して、ついでに Office も最新版が使えますよ、という提案をしています。ただ実際には、PC の入れ替えのタイミングで導入されるケースが多いですね。OEM 版の Office が入っていなければ、PC を安く購入できるからです。少ない初期投資で PC を入れ替えることができれば、月額 1,000 ~1,200 円程度の料金への抵抗感も薄くなるようです。

 

―― OneDrive に対するお客様のご評価は?

 

工藤 高いご評価をいただいています。OneDrive なら自宅の PC でもファイルを見ることができ、外出先でもスマートフォンでアクセスできます。当社は中小企業のお客様が多いのですが、社長自らがこのような使い方をすることで、とても気に入っていただけるケースが増えています。またデータをクラウドと同期しておけば、PC が故障した場合でもデータがなくなる心配はありません。PC データのバックアップが自動的に行われているようなものなので、安心感も高くなります。

 

―― 他の機能の活用状況はいかがですか。

 

工藤 実は当社ではキヤノンの Web サーバーやメール サーバーも提供しているのですが、お客様によっては Microsoft Exchange Online を提案することもあります。キヤノンのメール サーバーは月額 1,980 円で 60 のメール アドレスが使えるのですが、メール ボックスの容量が全体で 3GB しかありません。社員数が少なく大容量が必要なお客様には、Exchange Online を提案すると安くなるので、喜ばれます。ただ、Microsoft SharePoint Online や Yammer は、まだほとんどつかわれていません。Skype for Business は、使っているお客様もいらっしゃいます。

 

―― お客様の規模はどの程度のところが多いのですか。

 

工藤 CSP で Office 365 を提案するお客様は、30 名以下のところが多いという状況です。これ以上の規模になると金額が大きくなりますし、特にボリューム ライセンスで導入している企業の場合は、CSP の導入は難しいですね。やはり OEM 版で入っているところに、PC 切り替えのタイミングで導入していただくというのが、最適なアプローチだと感じています。

 

営業担当者から見た Office 365 という商材

 

―― 赤羽 様にお聞きしたいのですが、営業担当者から見て、Office 365 はどのような商材ですか。

 

赤羽 常に最新版の Office を使えるという点は、お客様の興味を引くようです。今年から Microsoft Access が含まれるようになって、さらに売りやすい商材になったと思います。実際に最近も、Office を最新版にしたいというお話をいただき、Office 365 の導入につながりました。また栃木県では震災を経験したことで、社内に物理的にデータを保存する方法に、疑問を持つお客様も増えています。「ネットにデータを置くのは不安」というお客様もいらっしゃいますが、Office 365 のセキュリティを説明することで、導入を決断されるケースも多くなっています。

 

―― 導入後の PC 設定やユーザー教育はどのように行っていますか。

 

赤羽 いずれも営業担当者が自ら行っています。お客様に対するサポートは、複合機のメンテナンス担当者と営業担当社の 2 名体制で行っているのですが、社内でも全員が Office 365 を活用しているため、営業担当者だけでもある程度の設定作業やサポートは行えるようになっています。

 

―― 営業担当者自身が設定まで行えるというのは、すばらしいですね。

 

赤羽 ありがとうございます。

 

工藤 当社のスタイルとして、細かいところ、深いところまで、営業が説明できるのが望ましい、という考え方があります。設定までトータルでわかっていないと、お客様の懐に深く入り込むことはできません。営業担当者自身がここまでやることで、販売につながると考えています。

 

―― 技術者ではないお立場で、最新の Office 365 にキャッチアップしていくのは、たいへんではないですか。

 

赤羽 確かに Office 365 の進化は非常に速く、これについていくのはたいへんです。しかし難しさもありますが、楽しさもあります。お客様に新しい提案ができるからです。たとえば Teams もデモ版のころからテスト的に使っており、今後のどのように提案していこうか考えているところです。Office 365 に関する実践的な知識があれば、お客様にヒアリングをしながら、さらに他のビジネスにもつなげることができます。

 

 

 

 

今後のビジネス展開

 

―― 最後に、今後のビジネス展開についてお聞かせください。

 

工藤 当社のビジネスでクラウドが占める割合は、現在はまだ 5% 程度ですが、今後も CSP の拡販を続け、今年中に 100 ライセンスに到達したいと考えています。CSP のような再販可能なライセンスは、これからの主流になると思います。光回線も再販が行いやすくなっており、通信費を販売店が請求するモデルが登場しています。これはこの業界にとって、大きな流れになっていると感じています。

 

―― 再販可能なサービスが今後さらに増えていくと。

 

工藤 そうです。販売も重要ですが、請求業務をどのように行うかはそれ以上に重要です。現在の主力事業であるキヤノン製品の保守は、お客様からではなくキヤノンから入金されるモデルですが、これではお客様との関係を深めることが困難です。もちろん月額請求は手間がかかり、1 本あたりの利益は決して多くはありません。しかしこれを乗り切り、光回線やサポートといった他の商材とまとめて請求できるモデルを確立すれば、間違いなく利益につながるはずです。当社はこれを他社に先駆けて取り入れ、お客様の囲い込みを積極的に進めていきたいと考えています。CSP はそのきっかけとなる商材という意味でも、当社にとって重要な存在だと言えます。

 

―― 本日はありがとうございました。

 

 

 

 

株式会社 大日光商事

株式会社大日光・エンジニアリングの子会社として 2012 5 月に設立。キヤノンの複合機や OA 機器の販売/保守を主力事業とする一方、IT システムの電話サポートや出張サポート、PC 修理、PC のリモート保守、NAS のオンサイト保守なども、栃木県を中心に展開しています。また CSP の発表を契機に Office 365 の販売も本格化。これによって月額課金ビジネスの確立を目指しています。

 

 

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