小売革命: 小売業界で加速するデジタル変革の舞台裏 【3/6 更新】


(この記事は 2017 年1 月 13 日にMicrosoft Partner Network blog に掲載された記事 Retail Revolution: Inside the Digital Transformation of Retail の翻訳です。最新情報についてはリンク元のページをご参照ください。)

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小売業界ではテクノロジ変革が進み、刺激になるようなパートナー事例 (英語) がいくつも生み出されています。今回は全米小売業協会 (NRF: National Retail Federation) 年次大会 (英語) の開催に合わせて、小売業界でデジタル変革を推進しているパートナー様の事例をご紹介し、そうしたソリューションを導入することでカスタマー ジャーニーがどのように変化しているかを見ていきたいと思います。

 

変化する小売業界

小売業界には膨大なビジネス チャンスが広がっています。IDC の『Worldwide Vertical Markets IT Spending 2014-2019 Forecast (2014 ~ 2019 年、世界の市場産業分野別 IT 支出額の予測)』(英語) によれば、2016 年の小売業界の IT 支出は全世界で 860 億ドルに上ると見られています。小売業界では、実店舗かオンラインかにかかわらず、テクノロジを活用してパーソナライズされたエクスペリエンスを提供していくことに注目が集まっており、業界全体がきわめて大きな変革 (英語) の中にあると言えるでしょう。オンライン ショッピング、ショールーミング、ソーシャル メディアなどのテクノロジが普及し、顧客の購買意思決定に大きな影響を及ぼすようになった今、小売企業では新たなテクノロジを導入してデジタル ストアと実店舗との溝をなくし、便利で魅力的なカスタマー エクスペリエンスを提供することを目指しています。

小売企業は、顧客 1 人ひとりに合わせた、他にはないショッピング エクスペリエンスの実現に力を入れると同時に、いかに効果的に (英語) 従業員の能力を高め、ビッグ データを活用し、新しいテクノロジを取り入れていくかを考えなければなりません。未来型の小売店舗は、従来の形態とは異なり、没入型のデジタル ショッピング エクスペリエンスからモバイル決済プラットフォームに至るまで、顧客からはほとんど意識されずに利用されることになるでしょう。

 

カスタマー エクスペリエンスの変革

小売業界にイノベーションを起こしているパートナーの皆様に、デジタル変革によって業界がどのように変化しているのか伺いました。ここ数年のテクノロジ業界や通信業界の動向を見ていると、企業と消費者の間で行われている商品売買の方法が、新しいテクノロジによって刷新される日はそう遠くないようです。こうした取り組みを実際に推し進めているマイクロソフト パートナー様 3 社の事例をご紹介したいと思います。

 

ELSE Corp と E.L.S.E.

 

E.L.S.E. (英語) は「Exclusive Luxury Shopping Experience (究極に贅沢なショッピング エクスペリエンス)」の頭文字を取って名付けられました。簡単に言えば、カスタマイズされた仮想ショッピングを提供する、クラウド ベースの SaaS プラットフォームです。同社はイタリアを拠点とするスタートアップ企業で、フロント エンドの小売プロセスとクラウドで管理するバックエンド プロセス (仮想試着、スマート製造、受注など) の溝を解消して、より優れた総合的なショッピング エクスペリエンスを顧客に提供したいという思いから事業を立ち上げました。

「テクノロジによるイノベーションと顧客行動の変化に伴い、小売企業にはもっと訴求力が高く、時間の無駄にならない、パーソナライズされた購入エクスペリエンスを提供することが強く求められています。パーソナライゼーションはきわめて重要なポイントです。仮想小売サービスとは、いわば「在庫不要の小売サービス」であり、創造的なプロセスのあらゆる局面において、かつてないほど詳細に消費者の要望を反映できます」

– ELSE CorpCEO 兼共同創業者、Andrey Golub

 

ELSE Corp では、Azure を「ユニバーサル 3D プロダクト コンフィギュレーター」として活用することで、Golub 氏が考える「次世代の小売ファッション エクスペリエンス」を実現しています。このテクノロジはどのブランド環境にも統合でき、来年中にはハイエンドの小売企業で利用できるようになる予定です。さらに E.L.S.E. では、仮想マシンと .NET を利用してカスタマイズ機能を強化し、パーソナライズされた仮想ショッピング エクスペリエンスを提供しています。オンライン ショッピングでは、既にある製品を販売することが主ですが、E.L.S.E. のようなオンデマンド テクノロジでは、完璧な製品を作成して視覚化することができます。

こうしたアプローチを採用したことで、E.L.S.E では消費者が製造プロセスに大きく関与できるようになりました。形状、素材、色、付属品、フィット感からポケットの位置に至るまで、細部にこだわって商品を完成させることが可能です。さらに、このプロセス全体を通して AI ショッピング アシスタントがガイドしてくれるので、消費者は自分が欲しい商品を確実に手に入れることができます。

 

Orckestra

マイクロソフト パートナーである Orckestra (英語) では、店舗用の対話型ディスプレイを開発して、顧客が希望どおりの色やサイズの商品を購入し、配送場所も指定できるサービスを提供しています。店舗を縮小し、多くの在庫量を抱えられない現状にあって、オンラインと実店舗を融合した「オムニチャネル」エクスペリエンスを実現するために、このソリューションを導入しました。同社は、各ブランドが新しいデジタル経済に順応し、変革していけるように、また、日々高まる顧客の期待に応えられるように取り組んでいます。

「端的に言えば、私たちは現実世界をデジタルの世界につないでいます。小売企業がデジタル経済に順応し、運用し、変革できるように、小売分野でのエクスペリエンスやデータ、処理をまとめて管理できるソリューションを提供し、プラットフォームを再構築することなくオムニチャネル コマースを可能にします。デジタル変革の時代を先導していくつもりです」

– OrckestraCMO 兼マネージング ディレクター、Gary Guy

Orckestra のクラウド ベースのコマース ソリューションは Microsoft Azure 上で動作しています。Azure Cognitive Services を利用して、店舗内で優れたデジタル ショッピング エクスペリエンスを提供することにより、緊密につながり、高度にパーソナライズされたカスタマー ジャーニーを実現しています。このプラットフォームでは、小売サービスのデジタル世界と現実世界でのタッチポイントを統合することで、顧客 1 人ひとりとつながり、顧客の理想どおりの商品を提供することができます。パーソナライズされたモバイル ショッピング エクスペリエンスが可能になるほか、的確にお勧め商品を提示したり、対象を絞り込んでプロモーションを実施したり、顧客のロイヤルティを高めてビジネス チャンスを確かなものにすることができます。

 

Genetec

Genetec (英語) は、店舗向けのセキュリティ ソリューションを提供し、小売業界の変革を後押ししています。クラウド ベースの監視カメラ システムとリアルタイム分析のほか、店舗運営、購買パターン、消費者トレンドにまつわる有用なインテリジェンスを提供します。マーケティング、運営、販売に携わるスタッフは、顧客セキュリティ システムや POS システムから取得したデータを分析して関連付けることで、顧客の行動やニーズ、関心についてより深く理解できます。たとえば、レジや試着室の待ち行列が長くなると、店舗管理部門はアプリケーションから通知を受け取るので、必要に応じてスタッフを配置し直すことができます。

「実店舗に足を運ぶお客様は、お目当ての商品を探しているだけでなく、エクスペリエンスを求めています。Genetec Retail Intelligence を利用すれば、充実したカスタマー エクスペリエンスとリアルタイムの対応が可能になります」

– Genetec、プロダクト マーケティング マネージャー、Derek Arcuri 氏

 

Microsoft Azure をベースとする Genetec の Retail Intelligence サービスでは、カスタマー エクスペリエンスに関する強力なインサイトが 1 か所に集約され、単一の画面で確認できます。顧客が最新デバイスやサードパーティ システムを利用できるほか、このサービスは抜群の柔軟性と信頼性を誇るため、変化する顧客のニーズに合わせてソリューションを拡張していくことも可能です。

 

NRF の年次大会では、このほかにもさまざまな最先端テクノロジや顧客事例が紹介されることと思います。近い将来、未来型の店舗が現実のものとなるでしょう。マイクロソフトのブース (#2803) では、今回ご紹介しきれなかった数多くの革新的パートナー ソリューションの事例をご覧いただけますので、ぜひお立ち寄りください。

今回ご紹介したパートナー様のようにクラウド ビジネスを差別化したいとお考えの皆様には、電子ブック『突出するための差別化』をご一読されることをお勧めします。

 

 

 

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