(この記事は 2016 年11 月16 日にMicrosoft Partner Network blog に掲載された記事 Microsoft’s Commitment to Open Source Expands Opportunities の翻訳です。最新情報についてはリンク元のページをご参照ください。)
現在、クラウド IT への支出額は急激な増加傾向にあります。IDC の予測 (英語) によれば、パブリック IT クラウド サービスの収益は 2019 年までに世界全体で 1,412 億ドルに上り、また、来年までにクラウド統合戦略の基盤として 60% の企業でオープン ソースやオープン API が導入される (英語) ことが見込まれます。マイクロソフトは、パートナー様がこうしたクラウドでのビジネス チャンスをつかみ、ビジネスの変革を押し進めていけるように継続的なサポートを進めると共に、すべての開発者様に向けてビジネス面と技術面の両方の課題に対処するうえで役立つソリューションを提供しています。
この取り組みの一環として、マイクロソフトではオープン ソース テクノロジやオープン標準に関する投資を行っており、その結果、パートナー エコシステムでは既存のスキルを活かして、成長を続ける大規模な顧客ベースを獲得することができます。先日発表された Red Hat との提携 (英語)、Xamarin のオープン ソース化、オープン ソース ベースの Azure Container Service のリリース (英語) などは、いずれもオープン化に取り組むマイクロソフトの姿勢を表しています。さらに今回は、SQL Server v.Next のプレビュー版が発表 (英語) されました。SQL Server を Linux で活用できるようにするための製品です。既存のパートナー様だけでなく、これからパートナーになるすべての企業の皆様も、こうした製品を利用することで、お客様に新たなシナリオを提示することが可能になります。
拡大する IoT のビジネス チャンス
パートナー様にとってビジネス チャンスが急速に拡大しているシナリオの 1 つが、IoT (モノのインターネット) です。マイクロソフトのパートナーである Adafruit (英語) は、オープン ソースのハードウェア キットやツールの販売を手掛け、この分野で中心的な役割を果たしています。同社のソリューションを利用すれば、高度な技術者や趣味として楽しむ熱心な一般ユーザーも独自の IoT 製品を作成することができます。Adafruit の創業者兼エンジニアである Limor "Ladyada" Fried 氏は、次のように記しています。「オープン ソースのメリットを、もっと多くの人に体験してもらいたい。そんな思いで、マイクロソフトと共同で IoT パックを開発しました。また、IoT への取り組みの足掛かりとするねらいもありました。当社とマイクロソフトとのパートナーシップは、Kinect ハッキング コンテストの開催を任せられるなど、Kinect を糸口に製作者たちをマイクロソフトの世界に呼び込むための取り組みをきっかけにスタートし、その後 Microsoft IoT Pack for Raspberry Pi 3 や Microsoft Azure IoT Starter Kit の開発へと関係を広げていきました」
「みんなでモノ作りを進めていくには、IoT のメリットを理解しなければなりません。多くの人々に働きかけるには、マイクロソフトの力が大いに役立ちます」
– Adafruit、創業者兼エンジニア、Limor "Ladyada" Fried 氏
The Linux Foundation との新たな連携
マイクロソフトの取り組みは、製品のオープン ソース化だけにとどまらず、オープンなテクノロジ開発と商用展開を推し進める標準化団体や財団との連携へと広がりを見せています。そしてこのたび、マイクロソフトは The Linux Foundation にプラチナ メンバーとして正式に加入したことを発表しました。これは、Linux on Azure の認定資格 (英語) を設置したことをはじめ、これまで同団体と築き上げてきた協力関係 (英語) の上に成り立っています。
マイクロソフトは Azure をオープンで柔軟性の高いクラウド プラットフォームにするために、オープン ソースやテクノロジを幅広く高度にサポートするなど、過去数年にわたってさまざまな投資 (英語) を行ってきました。昨今発表されているこうした取り組みもその一環となるものです。現状、Azure 仮想マシンのほぼ 3 台に 1 台が Linux を実行しており、Azure Marketplace で提供されているイメージのうち 60% を Linux ベースのイメージが占めています。
ビッグ データの活用
今回の Connect でも取り上げられたように (英語)、多くのお客様はコスト効率の良い方法でビッグ データからビジネス インサイトを引き出したい、そして、従来のトランザクション データ ストアの復元力と持続力を高めたいと考えています。Microsoft Azure では Hortonworks、DataStax、Cloudera などの ISV と連携して、業界有数の包括的なエンドツーエンドのビッグ データ パイプラインを提供しており、その対象はデータ レイク、ビジネス インテリジェンス スイート、機械学習、IoT、リアルタイムのデータ収集、Hadoop/Spark 処理など、多岐にわたります。
マイクロソフトのパートナーである GoDataDriven と Xpirit は先ごろ、新たに開設された意欲的なデータ サイエンス ラボラトリを通じて、ヨーロッパの有名な空港 (英語) がビッグ データを効果的に利用できるように支援を行いました。ヨーロッパで実施された Microsoft Azure 上での Cloudera CDH データ統合プロジェクト (ビッグ データとデータ分析) としては最初の例となります。
この初めてのプロジェクトによって、空港のデータ サイエンティスト チームが空港全体の運用状況をこれまで以上に詳しく把握できるようになりました。ポイントとなったのは、運用にまつわるあらゆるデータ資産を活用することで、空港の顧客サービスを強化し、運用効率を向上することでした。Azure と Cloudera の連携が奏功し、この目標は見事に達成されました。
「技術者として、Azure プラットフォームのオープン性にはすっかり感心させられました。オープン ソース ソフトウェアとマイクロソフトのネイティブ テクノロジやクラウド サービスを理想的な配合でブレンドすることで、ヨーロッパで最も多忙な空港に最適なソリューションができあがりました。しかも、必要なときにはいつでもレドモンドのエンジニアと直接連絡が取れるので、とても便利で助かりました」
– GoDataDriven、共同創業者兼マネージング ディレクター、Rob Dielemans 氏
オープン ソース エコシステムによって、マイクロソフトのパートナー様にどのようなビジネス チャンスがもたらされるかについては、マイクロソフト + オープン ソースのパートナー様向けページで詳しくご紹介しています。
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