[パートナー事例]ビジネス チャットという新市場を積極的に拡大 サービス基盤を Azure へと移行しつつある WowTalk と、その提供におけるマイクロソフトとのパートナーシップ【7/12更新】


PC 向けのセキュリティ ソフトや総合オフィス ソフトの提供で高いシェアを持ち、近年はスマート デバイス市場でも革新的なアプリケーションを次々とリリースしているキングソフト株式会社 (以下、キングソフト) 。ここではビジネス チャット「WowTalk」の提供基盤を Microsoft Azure へと移行する取り組みが行われており、Microsoft Office 365 との連携も積極的に進められています。それでは WowTalk とはどのようなアプリケーションであり、なぜマイクロソフトとのパートナーシップが強化されているのでしょうか。キングソフトの皆様に、お話をお聞きしました。

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写真右より、WowTalkセールスDiv. マネージャー 壁本 典之 氏、WowTalk Department Assistant Director 伍 陸 氏

 

会社概要と WowTalk について

 

まず御社の概要についてお教えください。

0712-2壁本 キングソフトは、中国の大手 IT 企業である「KINGSOFT CORPORATION」のジョイント ベンチャーとして、2005 年に設立されました。日中の高度な技術力を結集し、セキュリティ ソフトや総合オフィス ソフトを安価に提供することで、業界でトップクラスのシェアを獲得しています。また最近ではスマート デバイスの普及に合わせ、スマートフォンをターゲットにしたイノベーションも加速しています。

 

 世の中の動きに合わせてビジネスを展開するというのが、当社の基本的なポリシーです。スマート デバイス市場へのシフトを開始したのは 2013 年からですが、ツールやユーティリティなどを含め、全世界でのダウンロード数は 26 億に上っています。そのうちの 1 つとして、2014 年 3 月には「WowTalk」もリリースしています。

 

WowTalk とはどのようなものなのですか。

 

壁本 簡単に言ってしまえば「法人専用の LINE + Facebook」です。LINE や Facebook に近いユーザー インターフェイスで、テキスト チャットや音声通話、ビデオ通話などを行えます。Facebook のようなタイム ラインも利用でき、友だちリストと同様の機能も提供、日本の企業文化に合わせて無限に階層化できるようにしてあります。

 

 普段は付き合いのない他部門の人を探す場合、フラットなユーザー リストでは相手を探すのが難しいのですが、階層型リストがあればピン ポイントで相手を探し出せます。相手の名前が思い出せなくても、たとえば「本社/経理部門/経費担当」といった形でツリーをたどっていけば、目的の相手が見つけられるからです。

 

壁本 法人向けなので、充実した管理機能も用意しています。ユーザー登録や削除はすべて管理者が行うようになっており、チャットのログなども残せます。端末制限もかけられるので、個人所有の端末からの使用を禁止する、といったことも可能です。そのため情報漏えいが起きにくく、問題が発生した場合でも過去のログを参照することで、すぐに対応できます。

 

 チャット、音声通話、タイム ラインをオール イン ワンで提供していることも重要な特長です。これらすべてを提供する企業向けのツールは少ないと思います。メジャーなものとしては、他にはないはずです。

 

 

WowTalk の提供方法と Azure 選定について

 

WowTalk の導入企業数はどの程度ですか。

 

0712-3 国内だけで 1,000 社を超えています。WowTalk は 1 ユーザーあたり月額 300 円ですが、有料サービスの導入企業数としてはかなり多いほうだと思います。よく知られているお客様としては、佐川急便様や亀田製菓様、ピーチ・ジョン様、ディーンアンドデルーカジャパン様が活用してくださっています。

 

壁本 お客様からは、使い勝手の良さを高くご評価いただいております。LINE や Facebook にインターフェイスが似ているため、使い方の説明やマニュアルがなくても、すぐに使いこなせます。新しいツールを導入する場合には「本当に使ってもらえるのか」という不安があると思いますが、WowTalk であればその心配はありません。

 

 

アプリケーションの提供形態は。

 クラウド サービスの上に実装し、インターネット経由で提供しています。当初は他社サービスを利用していましたが、2016 年 4 月からは Azure への移行を開始しています。

 

Azure を選んだ理由を教えてください。

 

 お客様から「Microsoft Active Directory と連携させたい」というニーズを数多くいただくようになったからです。日本企業のほとんどは社内に Active Directory 環境を持っており、これでユーザー管理を行っています。これとシームレスに連携させるのであれば、Azure Active Directory の利用が最適だと言えます。お客様の声をお聞きしながら、それに最適なインフラ整備や開発を進めていきたいと考えています。

 

壁本 やはりエンタープライズのお客様を獲得するには、アカウント管理をどうするかが大きな課題になります。Active Directory との連携は、必須条件になっています。

 

実際に Azure を使ってみての印象は。

 

 大きい障害もなく、開発上の壁も感じません。技術サポートも手厚く、レスポンスも速いので助かっています。

 

 

マイクロソフトとのパートナーシップについて

 

キングソフトといえば、オフィス系アプリケーションの提供を行っていることもあり、マイクロソフトの競合だと考えている方も多いと思います。マイクロソフトとの協業には、社内の抵抗はなかったのですか。

 

0712-4壁本 日本法人としてマイクロソフトとパートナーシップを結ぶのは今回が始めてですが、特に抵抗はありませんでした。

 

 当社はアプリケーション ベンダーであり、当社のアプリケーションが売れれば、マイクロソフトの OS およびクラウド サービスの市場も拡大すると考えています。

 

壁本 WowTalk に関するマイクロソフトとの話し合いは 2015 年 10 月から始めており、その当初の目的は、Office 365 とのコラボレーションを模索することでした。その話し合いを進めていくうちに、Active Directory 連携へのニーズも高いので、Azure を使おうという話になりました。

 

Office 365 との連携も既に始まっているのですか。

 

 Office 365 上の各種情報に WowTalk からアクセスできるしくみを開発し、5 月 24 ~ 25 日に行われたマイクロソフトの「de:code 2016」で発表をしました。これは WowTalk のチャットに「WowTalk bot」というボット機能を常駐させ、ユーザーがつぶやいた言葉を解析し、関連する情報を Office 365 の中から見つけ出して表示するというものです。Microsoft Outlook でやり取りしたメール データも見つけだすことができます。格納される情報量が増えると、目的の情報が埋没しやすくなりますが、ボットで自動的に見つけ出せれば、情報活用が行いやすくなります。

 

壁本 Office 365 を導入した企業の中には、機能によってアクティブ率が極端に低いケースや、利用ユーザーを一部のナレッジ ワーカーに限定しているケースも少なくありません。しかしこの状態では Office 365 のポテンシャルを最大限に引き出すことが困難です。WowTalk のようなだれでも簡単に使えるツールをフロント エンドに置き、ここから Office 365 の情報にアクセスできるようにすれば、情報活用の裾野が一気に拡大し、アクティブ率の向上も期待できます。Office 365 のライセンス販売数増大にも貢献するはずです。

 

今後の展望について

 

WowTalk に関する今後の展望についてお教えください。

 

壁本 Active Directory 連携と Office 365 連携を実現することは必須ですが、それだけではなく、「Wow Talk bot」をより大きな bot プラットフォームとして提供することを構想に入れています。これは、マイクロソフトさんの Microsoft bot Framework の考えに沿い、オープンに各種コミュニケーション サービスと容易に繋がる環境を実現し、Azure Machine Learning による機械学習の技術を取り入れることで bot サービスの精度を高めることや、利用ユーザーによるパーソナライズを実現することを考えています。

 

 社内のコミュニケーションは、会社の重要な資産です。この資産の価値を、特定のツールやサービスに依存せずに、どのように最大化していくかが、これからの重要テーマになっていくはずです。

 

壁本 これを実現し、ビジネス チャットの市場を拡大してくうえで、マイクロソフトは重要なパートナーです。マイクロソフトと手を組むことで、さらにおもしろいことができると考えています。これからも協力し合いながら情報資産活用を支援し、日本企業の競争力強化に貢献していきたいと思います。

 

ありがとうございました。

 

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取材に対応してくださったキングソフトの皆様

向かって右から、WowTalkセールスDiv. マネージャーの壁本 典之 氏、WowTalk Department Assistant Director の伍 陸 氏。

 

キングソフト株式会社

中国の大手 IT 企業「KINGSOFT CORPORATION」のジョイント ベンチャーとして 2005 年に設立。日中の高度な技術力を結集し、セキュリティ ソフトや総合オフィス ソフトを展開し、業界でトップ クラスのシェアを獲得しています。また近年ではスマート デバイス向けの革新的なアプリケーションも次々とリリース。新たな市場におけるイノベーションも加速しています。

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