【パートナー事例】 すべてはお客様への「安全・安心・安定」の提供のために-モバイルデバイス管理 シェア No.1の「CLOMO MDM」を提供するアイキューブドシステムズに聞く、Microsoft Azure へのオープンソース・ソフトウェアベースのプラットフォーム移行の背景と今後の展望【6/21更新】


種類も多く使われ方も多様化し、特に法人市場ではユーザー側の使い勝手だけでは無く、その「管理性」が強く求められる現在のデバイス運用。 iOS 搭載デバイスを主軸にマルチデバイス・キャリアフリーのモバイルデバイス管理(MDM)サービスで、 2011年から実に 5年連続という圧倒的な市場シェアを誇る「CLOMO MDM」を提供する株式会社アイキューブドシステムズ(以下、アイキューブドシステムズ)と日本マイクロソフトの協業ニュースが大きく報じられ、続々と具体的なソリューションが展開されています。

今回は、そのアイキューブドシステムズを牽引される皆様から協業の背景と今後の展望を中心にお話を伺いました。

 

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写真右から
・製品開発運用本部 プラットフォーム運用部 部長 松村 亮輔 氏

・執行役員 製品開発運用本部長 市川 仁 氏

・代表取締役社長 佐々木 勉 氏

・マーケティング本部 マーケティングコミュニケーション部 リーダー 山崎 隆弘 氏

 

1.「CLOMO MDM」

 

i3-2■ まず、御社の概要と「CLOMO MDM」についてご教示ください。

佐々木 私たちは 2001年に創業しました。創業当初はお客様へ SI を行いながら、平行して製品を作っていた会社でした。技術の会社として “テクノロジの進化” は常に興味深く見ており、早い段階から HTML 5 や Open XML などにも着目しヒントを得たり、DevOps や各種自動化の工夫をしたりと、少しずつではありますが開発のやり方などもいろいろな要素を取り入れ、改善しながらやってきました。そんな SI の経験・過程を経てリリースされたのが CLOMO で、そのリリースから製品メーカーへと変化してきました。

 

CLOMO MDM は、クラウドで提供しているモバイルデバイス管理の製品です。お客様が「モバイルファースト」を実践する際に必要となるデバイス管理そのものや、社内への安全なアクセスを可能とする機能などいくつかの製品・サービスを提供しています。

 

 

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CLOMO MDMの最新バージョンの機能と特徴について、当日は山崎氏にデモを交えながら説明していただきました。

 

■ iOS対応版の提供開始直後から、この分野ではまさに敵なしの 5年連続のシェア No.1 と伺っています。今の市場に受け入れられているポイントはどの辺りだと思われますか?

i3-4佐々木 提供開始直後はお客様にご迷惑をおかけするケースもありましたが、お客様からリクエストを受けた部分へ積極的に投資するなど、お客様が「安全、安心、安定」で使っていただけることを意識したプラットフォームとして提供しています。また、サービスにおいてもできるだけ素早い対応が出来ることを常に意識しており、特定の言語・環境にベンダーロックイン(注.1)されて課題解決ができないなど、お客様にご迷惑をかけないようにオープンソースを全面的に採用してきました。

(ニーズの高かった)iOSも早くから対応してきて、そんな製品ロードマップやサービスの在り方を認めてもらったのではないかと思っていますし、日本企業らしくお客様から示唆をいただいた事で今に至ると思っています。

 

 

 

 

i3-5■技術的な側面でもお聞きします。開発当初Linux (オープンソース) やAWS をプラットフォームとして選定されたポイントをお聞かせください。

市川 それまでの開発で PHP/Linuxを使っていたのと、あるタイミングの Web アプリケーション開発で  Ruby に出会い、 CLOMO は「それで行こう」とキックされました。パブリッククラウドプラットフォームについては当時 AWS が唯一の選択肢でしたが、「クラウドの時代が来る、クラウドを使っていく」という事業転換の方向性があり、その中で必要なもの(技術要素)が自然に決まっていきました。

 

佐々木 一方、スタートした時点では私たちが使えないもの(技術)は使わない方針で考えていました。当時のクラウドは、コンポーネント・機能がどんどん投入されていく「進化中」の状態でしたので、私たちが選ぶのではなく「お客様に安定的に提供できるか」という視点も必要でした。そうした進化中のクラウドをうまく使うために経験のあるオープンソースを選択しましたし、それは今もそのまま踏襲しています。

 

 

 

2.日本マイクロソフトとの協業

■まずはCLOMO MDMのプラットフォームを AWS から Azure へと移行するきっかけや決め手はどこにありましたか?

i3-6佐々木 ビジネス視点があります。 (CEOの) Satya Nadellaさんのメッセージを聞いてマイクロソフトが変わるという期待があり、その期待がどんどん形になっていました。ビジネスパートナーとして、一緒にお客様のITを進めるのに「最良のパートナーは誰か?」と考えた時にマイクロソフトがまずあって、次にAzureがどのレベルで・・と言う順番で見ていきました。 新しいマイクロソフトならば私たちのようにフルオープンソースを製品のプラットフォームにしている会社でも積極的に一緒にビジネスを創っていけて、新しい価値を提供する機会を増やし「お客様の利益」になるだろうと確信したところがありました。

 

市川 もちろん、弊社サービス自体のSLAを持っていて、Azure移行後にもそれにしっかりはまるかどうかの比較・検証もしました。LinuxやMySQL、Rubyなどのオープンソース・ソフトウェア(以下OSSと表記)がAzureのIaaS上で問題なく動くことや、サポートについても確信は持っていましたが、使い始めて非常にスムーズにサポートしてもらえており、良かったと思っています。

 

 

 

i3-7■計画から実施まで、移行作業はかなり苦労されましたか?

松村 クラウド基盤の移行自体は年末年始の実質1日の作業で切り替えを実施しました。今回利用したSDK for Ruby(注.2)では、GitHub(注.3)でサンプルコードが提供されていて使いやすく、Azureを触って苦労したというところはそれほど無かったです。今回の移行をきっかけに、今まで AWS 上でビジネス成長に伴って適宜追加・強化していて統一されていなかった、レガシーだった一部を見直しつつ、OSSのツールやWebサーバーを最新のバージョンに合わせる作業を行うなど、CLOMO MDMのインフラ刷新作業を同時に行い、主にそちらに時間をかけました。

 

佐々木 この機会にミドルウェアを変更して、少しでも(パフォーマンスを)早くしよう、安定させようなど現場ではそういう面に労力を割いてくれました。

 

 

 

■実際に運用してみて、プラットフォームを移行したことによるメリットや周囲の反応などあればお聞かせください。

市川 コスト面では、おおよそ20%~25%は削減できたと言う事は確認できています。テスト作業では仮想マシンインスタンスを同時にたくさん利用することもあり、様々なシーンで Azure の特徴である分単位の課金によるコストメリットが出せているかなと思っています。

 

佐々木 移行については事前にマイクロソフトにも協力してもらい、半年前には具体的な日付をお客様にご案内出来ました。協業発表の際も良い反応でしたし、Windows 10やSurface への期待と言う意味も含め、お客様からは不安よりも喜びの声が多かったです。


 

 

3.今後の展望と期待

■「CLOMO MDM」というサービス、またアイキューブドシステムズは日本マイクロソフト・Microsoft Corporationとの協業をきっかけに今後どの様に発展していきそうですか?

 

 i3-8佐々木 クラウドやモバイルなど、これまでは新しい “道具” で新しい生産価値を生む、広げる支援をしてきました。私たちのミッションに「ITを身近にする」とありますが、いつでもどこでも IT が使える=追いかけられて嫌いになるのではなく、お客様がITを取り込んで、より自然に使える環境が必要と思っています。期待している IoT やマシンラーニングなどの Azure のコンポーネント群と、私たちの持っているもの、これらを組み合わせる事によって、お客様にもっと「自然なIT」を提供できると思っています。こうして協業後の次の段階でも私たちが価値を提供できると思い、いろいろと計画しています。

 
 
 
 

■協業の発表会見では「福岡から世界へ」と仰っていました。クラウドサービスならではの「地方からグローバルへ」と言う世界進出が楽しみですが、この世界進出の期待や海外への展開に向けて意気込みをお聞かせください。

佐々木 お客様のおかげで、日本では幸いにも毎年140 %、150 % の成長を継続して来ました。グローバルで成長するためには、より「想像する事」が多くなりながらも、お客様からの声をいかに取り込めるか、が必要になってくると思います。日本のお客様は要求が高いのもありますので、その経験を活かしグローバルでもお客様のリファレンスを作り、成功を確実にし、次の展開でまた想像していく、と言う循環の展開が出来れば充分に戦っていける領域を作れると思っています。

 


 

■最後に、日本マイクロソフト・Microsoft Corporation へ今後総合的に期待する点やコメントなどあればお言葉をお願いします。

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松村 エンタープライズ向けに Azure AD との親和性を高めるなど、私たちのOSSベースのシステムもどんどん成長していきたいと思っていますので、ご支援よろしくお願い致します。

 

市川 Azure移行の理由の一つが、ワンストップでOSSを含めたいろいろなものがAzure上で全て実現できると言うのがあります。これとこれ(要素と要素)が連携する、シームレスに実現できると言うシナリオを企業向けソリューションとして大事にされていて、AzureをコアにしたIT ソリューションの提供の力の入れ方が凄いなと思っております。是非このまま素晴らしいソリューション提供を継続して欲しいです。

 

佐々木 はっきり言うと今は不満がない状態です。満足しています(笑)

協業前はメディアに出る情報だけで変わりそうと期待を感じていましたが、協業後は「明らかに変わった」「私たちに近い存在」と実感しています。私たちはサービス提供者ではあるもののデベロッパーの立場であるのは変わりません。今後も Azure の進化、OSS化されたXamarin(注.4)など、モバイルの進化を後押しする更なるデベロッパー支援にも期待しています。

 

お忙しい所ありがとうございました。


注.1      特定ベンダー(メーカー)の独自技術に大きく依存した製品、サービス、システム等を採用した際に、他ベンダーの提供する同種の製品、サービス、システム等への乗り換えが困難になる現象のこと。

注.2      Azureでは、Azure上のWindowsまたはLinux VM上で動作する、さまざまなオープンソースアプリケーションのためのSDKやツール群を提供している。

注.3      ソフトウェア開発プロジェクトのための共有ウェブサービスの名称。 

注.4      LinuxなどのUnix系OS、iPhoneなどのiOS、Android上で動作するクロスプラットフォームの .NET環境。2016年2月24日、マイクロソフトによりオープンソース化された。

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