【パートナー事例】 岡山市下水道河川局が下水道 BCP のために採用 BCP 支援パッケージ「メール de レスキューⅡ」を提供するピコシステムの取り組みと Azure への評価 【4/5更新】


災害発生時にはいち早く関係者の安否を確認し、被災状況も把握したい。このようなニーズに応えるため、BCP 支援パッケージ「メール de レスキューⅡ」を Microsoft Azure 上で提供しているのが、ピコシステム株式会社 (以下、ピコシステム) です。このパッケージを岡山市下水道河川局が下水道 BCP を実現するため、2015 年 10 月に採用。2016 年 1 月に行われた地震・津波対策実地訓練でも、重要な役割を果たしました。

今回はこのパッケージの開発を担当したピコシステムの梶房 氏、小田 氏、西久保 氏に、「メール de レスキューⅡ」の概要と採用の経緯、Azure への評価などについて、お話をお聞きしました。

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ピコシステムと「メール de レスキューⅡ」の概要

 

まず御社の概要についてお教えください。

0405-2梶房 ピコシステムは、岡山県に本社を持ち、東京と神戸にも事業所を展開する、IT ソリューションの総合プロバイダーです。1968 年創業、会社設立は 1996 年で、昨年 20 周年を迎えました。強みはマルチ プラットフォームでのシステム構築技術を持ち、システム設計からソフトウェア開発、保守メンテナンスに至るまで、総合的にサポートできることです。主にお客様の課題を解決する SI 案件を手掛けていますが、オリジナル パッケージ ソフトも手掛けています。またシステム運用支援を目的としたパソコン教室の開催や、モバイル システムへの取り組みを推進するために携帯電話ショップの運営も行っています。

 

そのオリジナル パッケージ ソフトの 1 つである「メール de レスキューⅡ」が、岡山市の下水道河川局様に採用されたとか。

 

梶房 はい、このパッケージは 2015 年 7 月にリリースされ、岡山市下水道河川局様では 2015 年 10 月に本番稼働を開始しました。2015 年 12 月 22 日に行われた市長定例記者会見でも、このことが発表されています。

 

「メール de レスキューⅡ」とはどのようなパッケージなのですか。

 

0405-3西久保 これは BCP (事業継続計画) において必須の課題となる、情報連絡体制の確立を可能にするパッケージです。災害発生時には関係者の安否確認を真っ先に行う必要がありますが、電話や個別メールのやり取りでは時間がかかってしまいます。この問題を解決するため「メール de レスキューⅡ」では、災害発生時に安否確認メールを一斉送信します。メールの文面や送信先は、あらかじめ登録しておきます。受信者はこれに対して、安否情報や近隣状況の写真などを、メールで返信できます。これを収集し、安否状況の一覧表示や現在位置の地図表示、写真確認が行えます。

 

 

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「メール de レスキューⅡ」の概要。安否確認メールを一斉送信し、それに対する返信を位置情報付きで収集することで、安否状況を確認できます。また返信時に携帯端末で撮影した写真を添付することで、現地の様子を確認することも可能です。

 

安否確認だけではなく、現地の被災状況を把握するうえでも、強力なツールになりますね。

西久保 そのとおりです。メールを一斉配信して安否確認を行うシステムは他にもありますが、現地で撮影した写真と連動できるものはないのではないかと思います。岡山市下水道河川局様では 2016 年 1 月 13 日に、南海トラフ巨大地震が発生したという想定の下、下水道 BCP の訓練を行っています。この訓練は大規模災害発生時に、市民や職員の安全を確保しながら、下水道機能を早期に回復することを目指したものですが、ここでも「メール de レスキューⅡ」の写真撮影連動機能が、重要な役割を果たしたと伺っています。

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「メール de レスキューⅡ」の画面例。シンプルで使いやすい画面構成になっています。

 

岡山市下水道河川局に採用された経緯

 

「メール de レスキューⅡ」は、どのような経緯で岡山市下水道河川局様に採用されたのですか。

 

梶房 実はこのパッケージの前に、「メール de レスキュー」というパッケージを提供していました。これは工場夜勤職員の安否を確認するため、一定時間ごとにメールを送信し、その返信を集約して、問題発生を検知するというものでした。この考え方を基に「メール de レスキューⅡ」を開発したのですが、そのきっかけになったのは、ある製造業のお客様からのご依頼でした。

 

最初は SI 案件として始まったのですか。

 

梶房 いえ、はじめからパッケージにすることを想定して開発を進めました。実はこのお客様は、岡山県で BCP の普及と啓発活動に取り組んでおり、2014 年には BCAO (特定非営利活動法人 事業継続推進機構) の「優秀実践賞」も受賞されている企業なのです。そのため、より多くの企業や組織の BCP に貢献することを、当初から視野に入れていました。

 

その取り組みが、岡山市下水道河川局様にも伝わったと

 

梶房 そうです。先ほどのお客様とのご縁から、岡山の BCP を推進している財団とのコネクションができ、この財団の紹介で山陽新聞に「メール de レスキューⅡ」の記事が掲載されました。これをご覧なった市の職員の方から、お問い合わせをいただくことになったのです。

 

 

システム基盤に Azure を採用した理由

 

システム基盤としては Azure をご活用されているそうですね。

 

西久保 はい。Azure は既に 5 年前から使っており、十分な経験がありました。Azure に関するマイクロソフト コンサルティング パートナーとしても認定を受けています。今回も特に悩むことなく、Azure 上で開発とシステム提供を行うことにしました。

 

御社にとっての Azure の魅力は何ですか。

 

西久保 まずは運用コストの低さです。岡山市下水道河川局様のケースでも、価格の安さが重要なポイントになりました。また可用性や信頼性が高いことや、仮想サーバーやデータベースを簡単に立ち上げられるのも、重要なメリットです。これらに加え、Microsoft Visual Basic で開発が行えるのも、私どもにとっては大きな魅力です。これまでの開発の多くを、Visual Basic で行ってきたからです。

 

BCP のためのシステムでは、日常的には負荷が小さく、災害発生時に一気に負荷が上がると思うのですが、サイジングはどうされていますか。

 

0405-6小田 私どもも当初は、負荷は大丈夫か、いざというときにきちんと動くのかを心配していたのですが、最終的には自動スケールを構成することで解決しました。これなら急に負荷が上昇しても、問題なく稼働します。

 

Azure を使ったシステムとしては、他にどのようなものを開発されていますか。

 

梶房 SI 案件としては 5 年前に、Azure Cloud Services (Web roles) を活用した受発注システムを作っています。これは現在 SaaS として提供されており「Microsoft Azure Certified」の認定も受けています。また 4 年前には営業日報システムも開発しています。これは営業担当者の現在位置が把握できる点が大きな特長になっています。他にも金融系のお客様に Azure Backup を導入した経験もあります。Azure で開発したシステムは、既に 30 件近くあると思います。

 

「メール de レスキューⅡ」の開発で、特に便利だった機能は何ですか。

 

小田 今回初めて Azure Scheduler を使ったのですが、これはとても便利だと感じました。以前はメール配信のトリガーを Windows で常駐プログラムを動かして実行していたのですが、Azure Scheduler を使えばその必要がなくなります。この機能は他の開発案件でも活用できると考えています。

 

 

今後の展望について

 

今後使ってみたい Azure の機能はありますか。

 

小田 Azure はどんどん新しい機能が増えているので、できるだけ多くの機能を試してみたいと考えています。Azure で提供されるモジュールを活用すれば、これまで手組みで行ってきた開発を、よりシンプルかつ迅速に行えるからです。

 

「メール de レスキューⅡ」の販売目標は。

 

梶房 まずは年内 100 社を目指しています。既に岡山市の他局様や他の自治体様からもお問い合わせをいただいており、製造業や建設業などのお客様からも複数の引き合いが来ている状況です。実際にデモをお見せすると、シンプルで使いやすいと、好意的なご評価をいただくことがほとんどです。ぜひ多くのお客様にご紹介し、BCP に役立てていただきたいと考えています。

 

ありがとうございました。

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今回の取材にご対応くださった皆さま。左から、ピコシステム株式会社 第1事業部 システム営業 部長 梶房 厚彦 氏、ピコシステム株式会社 第1事業部 システム開発 西久保 優作 氏、ピコシステム株式会社 第3事業部 技術サポート 小田 昌広 氏。

 

ピコシステム株式会社

1968 年に創業、1996 年に設立された、IT ソリューションの総合プロバイダー。システム設計からソフトウェア開発、保守メンテナンスに至るまで、総合的なサービスを展開しています。最大の強みはマルチ プラットフォームでのシステム構築技術を持っていること。パッケージの提供、システム運用支援を目的としたパソコン教室の開催、モバイル システムへの取り組みを推進するための携帯電話ショップ運営も手掛けています。

 

 

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