【パートナー事例】ビットコインで世界を変えていく ~ ビットコイン &ブロックチェーンの分野をリードする bitFlyer、そのビジネス展開と今後の展望【2/16更新】


公開された分散型の記録管理によって改ざんを不可能にしたブロックチェーンと、それに基づく価値交換手段であるビットコイン。FinTech への取り組みが加速する中、これらへの注目度も高まっています。このブロックチェーンとビットコインの分野で最先端を走り続けているのが、株式会社bitFlyer (以下、bitFlyer) です。しかもサービスに必要なシステムを、ほぼすべて Microsoft Azure 上で実現しているのです。

今回は bitFlyer 代表取締役の加納 裕三 氏に、同社のビジネス内容と Azure 選択の理由、今後の展望などについて、お話をお聞きしました。

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株式会社bitFlyer
代表取締役
加納 裕三 氏

 

bitFlyer の会社概要

まず御社の概要についてお教えください。

当社は 2014 年 1 月に設立された、ビットコインとブロックチェーンの専門企業です。ビットコインを中心に、人と人との間の価値交換を支援しています。設立当時はまだ日本国内のビットコインの流動性が低かったのですが、自らリスクを取る形で販売を開始し、現在では販売所と取引所の運営を行っています。ここでお客様は、日本円でビットコインの売買を行えます。販売所では当社がお客様からビットコインを購入することもできますので、取引所での流動性がない時でも、ビットコインを日本円に換えることが可能です。ビットコイン関連ではこのほかに、一般的な EC サイトなどのポイントとビットコインを交換するサービスを 2015 年 1 月から開始しています。またメールアドレスを指定することでビットコインの送付が行える「bitWire」や、EC サイトがビットコインで決済できるようにする「bitWire SHOP」といったサービスも行っています。

 

ビットコイン以外では、どのようなサービスがありますか。

0216-2ブロックチェーン研究所を設立し、ここでブロックチェーンを活用したサービスを 4 種類提供しています。ビットコイン・アドレスと日時を指定することでその時点の残高を表示する「ビットコイン監査ツール」。ビットコイン アドレスへビットコインを送り、送付したビットコインを再び受け取ることで、送り元アドレスの所有証明を行う「バウンサー」。トランザクションに特定のメッセージを追加することで、トランザクション発生時点でのメッセージの存在証明を行う「ブロックチェーン・ライター」。そしてトランザクションに特定のファイルを追加することで、トランザクション発生時点でのファイルの存在証明を行う「ブロックチェーン・ドキュメント」です。これらは 2015 年 9 月に発表しています。今後はサービスの種類を、さらに増やしていく計画です。この他にもブロックチェーン関連では、2016 年 1 月 26 日に、日本初となるブロックチェーン事業の創出および育成支援を行う社内ファンド「ブロックチェーン・エンジェルファンド」の組成も発表しています。

 

御社の強みは何ですか。

金融とテクノロジーの両方を深いレベルで理解している人材がおり、ビットコインとブロックチェーンについて精通していることと、独自のブロックチェーンを保有していることです。独自のブロックチェーンを持っている企業は、日本では当社だけであり、世界でも数社程度しかありません。

 

Azure を選択した理由

サービスに必要なシステムの開発と実装は、Azure 上で行っていると伺っております。

オフィス内にオンプレミスで必要なファイアウォールや VPN などを除けば、すべてを Azure 上で実現しています。一部 IaaS としての利用もありますが、ほとんどは PaaS の機能を活用しています。

 

いつから Azure をお使いですか。

ビットコイン総合プラットフォームである「bitFlyer」開発の担当者で CTO の小宮山は、Azure が登場したころから使っていました。bitFlyer を構築するにあたり他のクラウド サービスも検討したのですが、結果的に当初から Azure を採用することになりました。

 

なぜ Azure を選択されたのでしょうか。

0216-3他社のクラウド サービスは、IaaS としてしか使えないケースが一般的だからです。IaaS ではインフラ レイヤーも見る必要があり、セキュリティ確保にも気を使います。システムのバックエンドをネットワーク レベルで攻撃され、ビットコインを盗まれてしまうと顧客資産に多大な損害が発生します。そして他社では実際に起こりました。これに対して Azure は PaaS として利用でき、ネットワークは隠蔽化されておりインフラレベルにまで気を使う必要がありません。アップデートも自動で行われます。これはスタートアップ企業が迅速に開発を進めるうえで、とても重要なことです。また他のクラウド サービスは価格面では競争力があるものの、マイクロソフトには信頼性やセキュリティ、企業が必要とする部分にも徹底的なこだわりを感じます。エンタープライズレベルでの実装に実績のあるテクノロジー企業が提供するサービスに信頼感があります。

 

 

開発環境としては何を使われていますか。

Microsoft Visual Studio (.NET) を使用しています。.NET が使えることも、Azure の大きな優位性だと思います。Java と .NET の状況は以前からずっと見てきましたが、開発環境の整備とデプロイの容易さを考えれば、.NET の方が優れています。たとえば Java で開発環境を構築しようとすれば、バージョンの調整なども含め、専門家でも 1 ~ 2 日はかかります。これに対して Visual Studio なら、すぐに最新バージョンで同じ環境を揃えることができます。

 

マイクロソフトのサポートも利用されていますか。

マイクロソフトのスタートアップ支援プログラム「Microsoft BizSpark」を、設立当初から活用しています。これによって他のユーザー企業との情報交換を行っており、セミナーにも参加しています。このようなサポートと情報交換は、ビットコインの根幹とも言えるデータベースの安定的な稼働に、大きな貢献を果たしています。また 2015 年 7 月からは、EA (Enterprise Agreement) も締結しています。

 

ビジネスの状況

現時点でのビジネスの状況についてお教えください。

0216-4とても順調に伸びています。2015 年 12 月にはユーザー数が 10 万人を突破し、2016 年 1 月は月間取引金額が約 70 億円に達しました。これは私どもが調べた限りでは、ビットコインとブロックチェーンに関して、日本最大の規模です。取引額は毎月約 50% 程度の割合で増えており、年内はこのペースを維持できると思います。またこのような実績が評価され、ベンチャー キャピタルなどより出資も受けています。

 

Azure Marketplace にソリューションを提供する予定はありますか。

具体的な内容はまだ言えませんが、Azure Marketplace への参加は既に検討しています。マイクロソフトは 2015 年 10 月に、ブロックチェーンをベースにしたプラットフォームであるイーサリアム (Ethereum) の導入を発表し、ツールキットも公開しています。これに絡めたソリューションを、近いうちに提供することになると思います。実際にブロックチェーンの処理を行うには、多数のノードを立ち上げる必要がありますが、Azure であればノードの立ち上げやシャットダウンが簡単に行えるため、ブロックチェーンとの相性は非常にいいと思います。

 

ビジネスの拡大に伴い、社員も増えているのでしょうか。

そのとおりです。既に現在のオフィスは手狭になっており、近いうちに移転する必要があります。

 

人材の募集も行っていますか。

もちろんです。いいエンジニアがいれば、ぜひ採用したいと考えています。当社は「エンジニアが一番」というスタンスの会社です。社長もエンジニアなので、エンジニアに対する経営陣の理解もあり、実力を出せる環境も整備しています。実際に「Google Code Jam」で世界ランキングに入っているエンジニアも在籍しています。ストック オプションも用意しているので、腕に自身のあるエンジニアは、ぜひ今のうちに参加していただきたいと思います。

 

今後のビジネス展望

最後に今後のビジネス展望についてお聞かせください。

今後もビットコインやブロックチェーン関連で、新しいサービスを開拓していきたいと考えています。また海外展開も計画しており、既に欧州でのサービス開始に向けた準備を進めています。

ビットコインとブロックチェーンには、大きな可能性があります。たとえばビットコインは、取引コストがきわめて安価で、国際送金もわずか 1 秒で完了します。少額取引にも適しているため、消費者が自分のスマホで道路の混雑情報を提供すると、1 km あたり 1 円もらえるといった、これまでになかったビジネスを実現できる可能性もあります。

また分散型での処理が可能なので、IT コストも大幅に削減できます。銀行や証券会社のデータセンターには巨大なコンピューターが設置されており、これに対する投資や運用に莫大なコストがかかっていますが、これを抑えることができるのです。さらに、ビットコインに DNS 機能を付加したネーム コインを活用すれば、DNS サーバーやサーバー証明書も不要になります。

このような可能性を活かしながら、ぜひ世界を変えていきたいと考えています。

 

ありがとうございました。

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今回の取材にご対応いただいた、株式会社bitFlyer 代表取締役 加納 裕三 氏 (向かって右側) と、取締役 CTO 小宮山 峰史 氏

 

株式会社bitFlyer

2014 年 1 月に設立された、ビットコインとブロックチェーンの専門企業。ビットコインの販売/買取や、ブロックチェーンを活用した各種サービスなどを提供しています。ビットコインの取引額は国内最大となっており、日本で唯一自社開発のブロックチェーンを持っていることも大きな特徴です。

 

 

 

 

 

 

 

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