【パートナー事例】Azure をベースにした安全運転/快適送迎の実証実験を開始~Azure Machine Learning などを活用した富士ソフトの IoT への挑戦【7/7 更新】


あらゆるモノがインターネットにつながることで、さまざまな分析や予測を行う IoT (Internet of Things) が大きな注目を集めています。多くの会社が IoT によって何が実現できるかを考え、活用するためのソリューション作りに注目し、最新技術や市場動向などにも多くの関心が集まっていると言ってもよいでしょう。そのような状況の中で、マイクロソフトの Licensing Solution Partner (LSP) 17 社の 1 つである富士ソフト株式会社 (以下、富士ソフト) では、IoT推進部を設立し、業界ごとの IoT ソリューションを提供できる体制を整えるための研究と開発を開始しました。

富士ソフトでは、介護業界での送迎を安心かつ快適に行うために IoT を使った実証実験を行っており、プラットフォームとして Microsoft Azure を採用しています。同社は、IoT に対してどのように取り組もうとし、どのように活用しようとしているのでしょうか。

富士ソフトの IoT への挑戦について、MS事業部の高野 祐一 氏、IoT推進部の松本 和也 氏と成瀬 龍一 氏にお話しをうかがい、IoT のプラットフォームとして Azure をなぜ採用したのかについてもお聞きしました。

 

富士ソフト株式会社

営業本部 MS営業部長 兼

MS事業部 営業部長

高野 祐一 氏

 

マイクロソフトとのパートナーシップとクラウド ビジネス

御社は、マイクロソフトとの長年のパートナーシップがありますが、事業の特長や強みについて教えてください。

高野 氏 我々はマイクロソフトの LSP ですが、単にライセンスを販売するだけでなく、SI を主事業として提供できることが大きな強みです。また、独立系の SI 事業者として、マイクロソフト製品を中心に、マルチ ベンダーでお客様に最適なソリューションを提供していることも大きな特長です。また、東京と大阪にマイクロソフト製品を直接体感できる「マイクロソフト ソリューション & クラウド センター」を設立し、お客様へ技術情報の提供やセミナーなども行っています。

 

クラウドに対しては、どのように取り組んでいるのでしょうか。

 高野 氏 富士ソフトもマイクロソフトと同様にクラウド シフトを掲げている中で、中堅および中小企業での Microsoft Office 365 も含めたクラウド販売は、国内リセラーの中でも有数の販売実績となっています。もちろん、Azure にも非常に注力しており、専任の営業部隊や、マイクロソフト ソリューション & クラウド センターといった富士ソフトにしかない施設を活用し、市場をリードしていきたいと思います。また、マイクロソフトとのエコ システムや強力なパートナーシップは、他のクラウド ベンダーには実現できないものであるため、弊社も大いに活用させていただいております。それらの恩恵は、最終的にお客様へ弊社からの SI という形でご提供したく、今年は特にそれを Azure で実現したく考えております。

 

富士ソフトの IoT への取り組み

 

IoT に取り組んで IoT推進部を設立したとお聞きしましたが。

松本 氏 IoT には、デバイス、通信、プラットフォーム、解析、アプリケーションの 5 つのレイヤーがあります。我々は、これらのすべてのレイヤーに対応でき、ワン ストップで提供できる数少ない事業者です。5 つのレイヤーの各製品をマッシュアップさせて、オール イン ワンのソリューションとして提供するために研究し開発していこうと考えました。

成瀬 氏 我々には受託開発で培った業務ノウハウがあり、お客様と直接顔を合わせて仕様を詰めていくことで、お客様の必要とするシステムを構築することを第一にしています。既存の技術を使った SI サービスに加えて、IoT の要素を加えることで、お客様に役立つシステムを構築できると考えています。

 

介護業界向け「安全送迎サービス」の実証実験を行うキッカケについて教えてください。

松本 氏 富士ソフトでは、 “PALRO” という会話やコミュニケーションで癒し効果やセラピー効果を得られるロボットを介護支援のサービスで活用しています。その中で、送迎の安全の課題についての声が聞かれたため、IoT を使って解決できるのではないかと考えました。介護事業では、専任のドライバーではなく、ケア マネージャーが兼任で自動車による送迎を行うところが多いのです。また、住宅街などの細かな街路を走ることが多いため、事故などのリスクが高く、自動車保険料などの負担を軽減させて業務改善する必要に迫られているのです。この実証実験は、2014 年 12 月から東京、埼玉、神奈川で開始しています。

 

実証実験では、どのようなことを行っていますか。

 松本 氏 車載端末からの運転データなどの情報を Azure に蓄積し、走行状況や車両状況を分析して、危険運転時にはリアルタイムに警告を出してドライバーに安全運転を促すようなしくみとなっています。また、蓄積したデータの解析によって危険な地域を特定し、ドライバーに通知することも行っています。たとえば、児童公園の近くで急ブレーキや急ハンドルが多ければ、子供の飛び出しがあることが推測できるため、事前にドライバーに注意喚起を促すことで安全を確保することができます。さらに、急ブレーキ多発箇所を現地調査したところ、道路工事中で歩道が狭くなり、車道へ歩行者がはみだして歩いていた、というケースが判明した例もあります。変動する道路事情を、走行状態から把握できた例として、弊社のソリューションとしての価値があると考えています。また、拠点間や送迎のルートの最適化を行うことも考えています。実証実験を始めてから半年経ちますが、徐々に効果が現れており、ある拠点では半年間事故が発生していないという実績も出始めております。

 

IoT のさまざまな機能が整備されている Azure

 

IoT の分野で Azure などのパブリック クラウドを利用するメリットをどのように考えていますか。

成瀬 氏 クラウド サービスを使うことで、大きな投資を行うことなく、小さな投資から IoT を始めることができることが非常に大きなメリットですね。また、Azure は、既に IoT に関するツールや技術が揃っており、生産性が高く、短期間で結果を出せることも魅力の 1 つと考えています。IoT の 5 つのレイヤーで考えると、デバイスの「Windows 10 IoT」、通信の「Azure Event Hub」、プラットフォームの「Azure」、分析の「Azure Machine Learning」や「Azure Stream Analytics」、アプリケーションの「Power BI」などを機能として使うことができます。

 

具体的には、どの機能に最も注目して活用しようと考えていますか。

松本 氏 特に期待しているのは Azure Machine Learning で、運転傾向などを推定および推測するときに効果的だと考えています。加速度やアクセルの利用状況からどのような運転をしているのかを分析していますが、その精度を上げるために Azure Machine Learning の活用を実証実験の中で進めていますね。また、将来的にはドライバーの生体情報も収集することを考えているので、体調や精神状態にまで踏み込んだ情報分析でも Azure Machine Learning を活用できると思います。

 

その他の機能についての活用も教えてください。

松本 氏 Azure Event Hubs を使えば、さまざまなデバイスとの接続をフレキシブルに行えます。特に、Windows 10 登場後は、多くのデバイスのプラットフォームとして Windows 10 IoT が採用されることが予想できるため、Azure とのシームレスな接続が期待できます。データを蓄積して分析ができても、わかりづらくては意味がないため、わかりやすく簡潔かつグラフィカルに状況を伝えられる Power BI も役に立ちます。使い慣れた Microsoft Excel のユーザー インターフェイスで操作できるため、我々のような SI 事業者だけでなく、お客様自身で利用できるのではないでしょうか。IoT の最終的な目的は、お客様自身が次のビジネスへの判断ができるようになることなので、お客様が分析したい項目を直接操作でき、可視化できるソリューションが重要だと思います。

 

今後の IoT ソリューションの展開

 

御社の IoT ソリューションの将来展望を教えてください。

松本 氏 実証実験の成果をベースに、自動車を利用する介護業界以外の業種に向けたソリューションを 2015 年下半期に作っていきたいと考えています。また、我々は組み込み系に強いことも特長としているので、製造業や産業機械系のお客様にも IoT を使ったサービスを展開しくことを次のステップとしたいですね。故障予知や製品改善などのソリューションを開発して、日本の 8 割を占める製造業を支援し、IoT の活用で日本の産業の底上げに少しでも寄与できれば、と考えています。

 

IoT に興味がある人やビジネスに課題を感じている人にメッセージをお願いします。

 成瀬 氏 クラウドや IoT などの技術を使えば、これまで実現できなかったことが実現でき、わからなかったことが情報として手に入るようになってきています。IoT などのソリューションを手軽に始められるようなサービスを構築するために我々は研究および開発を続けていますので、困ったことや新たなビジネス展開を考えている方は、ぜひ相談していただければと思います。

 

 

御社は、「Microsoft Country Partner of the Year」を受賞しています。最後に、受賞のご感想をお願いします。

高野 氏 我々は、マイクロソフトと足並みを揃えてクラウドにシフトするという方向性でビジネスを進めてきましたので、今回の受賞はそこを評価されたものだと考えています。お客様がクラウドにシフトするだけでなく、我々自身も Office 365 などの製品を導入してクラウドにシフトし、マイクロソフトのソリューションを効果的に活用したいですね。また、マイクロソフトとは、セールスだけでなく、マーケティングの分野での協業も行い、技術情報の提供やセミナーなどの協業の幅が大きく広がってきています。パートナー エコ システムの中で、今後もマイクロソフト ソリューション & クラウド センターを中心に、マイクロソフトと共にビジネスを行っていきたいと考えています。

 

ありがとうございました。

 

写真左より、営業本部 MS営業部長 兼 MS事業部 営業部長 高野 祐一 氏、ソリューション事業本部 IoT推進部 部長 松本 和也 氏、ソリューション事業本部 IoT推進部 企画グループ 課長 成瀬 龍一 氏

 

富士ソフト株式会社

独立系のシステム インテグレーターで、1970 年 5 月に設立。コンサルティング、開発、システム構築からサポートまでをトータル ソリューションで提供している。マイクロソフトのパートナーとしてさまざまなアワードを受賞し、2015 年は国レベルで優秀な業績を収めたパートナーに与えられる「Microsoft Country Partner of the Year」を受賞している。

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