【パートナー事例】スマートフォン向けゲーム「聖剣伝説 RISE of MANA」のシステムを開発した Microsoft Azure のフロント ランナー、FIXER の取り組みと Azure への期待、そしてクラウドに対する将来展望 【6/23更新】


2014 年 3 月にリリースされ、1 年以上経過した今も 200 万以上のユーザーに楽しまれている株式会社スクウェア・エニックス (以下、スクウェア・エニックス) のスマートフォン向けゲーム「聖剣伝説 RISE of MANA」。そのシステムを Azure + OSS (Open Source Software) で開発した企業として知られているのが株式会社FIXER (以下、FIXER) です。
同社はクラウド サービス プロバイダーとして 2009 年 11 月に創業。Azure の導入設計、運用、24 時間 365 日サービスの運用要件に合わせて監視・保守を行うフルマネージド サービス「cloud.config (クラウドコンフィグ)」を提供し、お客様の挑戦を強力にバックアップしています。その実績によって 2013 年、2014 年には「Microsoft Azure パートナー アワード (Cloud Service Vendor)」最優秀賞を 2 年連続で受賞。また Azure 上でオープンソース ソリューションを提供する、卓越した企業としても認知されています。
今回は、FIXER 代表取締役社長の松岡 氏と、ジェネラルマネージャーの作原 氏、「聖剣伝説 RISE of MANA」のシステム開発を担当した青芳 氏と井黒 氏に、Azure の魅力と OSS への取り組み、クラウドの将来展望についてお話をお聞きしました。

株式会社 FIXER

代表取締役社長

松岡 清一 氏 (写真右)

 

ジェネラルマネージャー

作原 英輔 氏 (写真左)

 

テクニカルエンジニア

青芳 祐樹 氏 (写真左から 2 人目)

 

テクニカルエンジニア

井黒 麗羅 氏 (写真右から 2 人目)

 

会社の概要と Azure への評価

まず御社の概要と、設立の理由をお聞かせください。

松岡 氏  私は前職では、Linux による ISP 立ち上げや、OSS コミュニティの創設などに関わってきました。 FIXER を起業したのはまだリーマン ショックの影響が色濃く残っていた 2009 年 11 月です。クラウドによる IT コスト削減を支援するため、 Azure のフルマネージド サービス「cloud.config」の提供を開始しました。Web サイトから動画サイト、オンライン ゲーム、エンタープライズの本格的な基幹システムに至るまで、さまざまなシステムでご利用いただいております。

クラウド基盤として Azure を選択されたのはなぜですか。

松岡 氏 2008 年の PDC (Professional Developer Conference) で発表された Azure が目指す PaaS の未来像にとても感銘を受け、日本で公式にサービスが開始される前から評価を続けてきました。日本で商用化された Azure でのサイトを立ち上げや、2014 年 2 月に開設した Azure 日本データセンターでのサイトの配信など、Azure に関する初事例の多くを当社が手掛けています。

 作原 氏 クラウド環境を OS メーカーがデザインしており、開発からデリバリーまで高い一貫性を持っている点は、Azure の大きな魅力です。他のクラウド事業者は単なる “箱” としてクラウドを提供していますが、マイクロソフトは違います。また、タイミング良く新しいソリューションを提供し続けており、OSS (Open Source Software) 活用の発展に寄与している点も Azure を選択する理由の 1 つとして挙げられます。

 

 

OSS を利用した「聖剣伝説 RISE of MANA」のゲーム開発/配信基盤について

OSS と言えば、スクウェア・エニックス様のスマートフォン向けゲーム「聖剣伝説 RISE of MANA」のシステムを、御社が Azure で開発したことが、数多くの記事で紹介されています。

作原 氏 このプロジェクトは 2 年前にスタートし、2014 年 3 月に配信を開始しました。nginx や fluentd、memcached、mongoDB など、多数の OSS を利用しています。実際の環境構築と運用は、テクニカルエンジニアの青芳と、井黒の 2 人を中心に行っています。

実際に環境の構築および運用を行う立場から見て、Azure の魅力はどこにありますか。

 青芳 氏 Azure は開発環境やテスト環境の構築が容易です。たとえば負荷テストを行う場合、一時的にサーバーを増やしてトラフィックを増やす必要がありますが、このようなサーバーも簡単に準備できます。たとえばスクウェア・エニックス様の環境は、複数の OSS を複数のサーバーで動かす複雑なシステムですが、1 日あればきちんと動く環境を提供することができます。サーバーを 1 台追加するくらいなら、10 分程度で対応できます。スクウェア・エニックス様のケースでは、最初は iOS 向けの配信からスタートし、その 3 か月後に Android 向け配信を行っていますが、サーバー増強にすぐ対応出来ました。またトラフィックが落ち着いてきたら、サーバーを縮小することも簡単です。必要なリソースを必要なタイミングで用意できるので、コスト面でも有利です。

 井黒 氏 Azure は PowerShell を使うことで、定型的な運用処理を自動化できるので助かっています。サーバーを立ち上げやすいので、サーバーの “入れ替え” もスムーズに行えます。たとえば MongoDB では 特定のサーバーに不具合が起こった場合に、別のサーバーを立ち上げ直し、調子の悪くなったサーバーを切り離して原因究明を行う、という対応を行っています。

 

 

この案件では AWS (Amazon Web Services) も利用していると伺っていますが。

作原 氏 Azure のバックアップとして AWS を採用しています。万が一 Azure が全面ダウンした場合も、最小限の機能が AWS で提供される “クロスクラウド” 体制で、Azureが保証する SLA 以上の安心を提供します。

OSS 利用に対する FIXER の考え方

ところで御社では OSS の利用を提案することが多いのですか。

作原 氏 使用するソフトウェア アーキテクチャの提案は、お客様によって変えています。今は OSS と Windows の比率は半々くらいだと思います。

松岡 氏 日本ではベンダー ロック オンを避けたいという理由から、Azure を IaaS として利用し、そのうえで OSS を利用するケースが多いようです。しかし現在の状況は過渡期だと考えています。これまで 4 年間、Azure でさまざまなシステム基盤を提供してきましたが、Azure から撤退したお客様は存在しません。IaaS として Azure を使い始め、その後 Azure の 独自機能をお使いいただくようになったケースも増えています。今後は間違いなく、PaaS として Azure を活用するケースが一般的になってくるはずです。

Azure の独自機能として、お客様に特にお薦めしたいものは何ですか。

青芳 氏 ぜひ使っていただきたいのが Azure App Service (旧 Websites) です。これを利用すれば、.NET でも PHP でも Java でも、Web アプリを作成およびデプロイする環境をボタン 1 つで ON にできます。OS 層の面倒を見る必要はなく、パッチ適用も自動化されます。

井黒 氏 私は Redis Cache です。memcached の場合、IaaS でキャッシュ機能を冗長構成で構築する際に、データの不整合が発生しないよう注意する必要がありますが、Redis Cache ならその心配がありません。またスクウェア・エニックス様のシステムでは、構築当時はまだ Azure DocumentDB がなかったためログ収集に MongoDB を使用していますが、今同じ環境を構築するなら間違いなく Azure DocumentDB を使うと思います。レプリケーション構成や運用などの面で、圧倒的に有利だからです。

松岡 氏 マイクロソフトの HALO では、ログ分析に Azure Machine Learning を使っていると聞いていますが、これを活用すればゲーム ユーザーの離脱防止をより的確に行えるのではないかと期待しています。社内検証は既に着手しており、お客様にもできるだけ早く提案したいと考えています。

今後の展望について

最後に、今後の展望についてお聞かせください。

作原 氏 Azure では新しい機能が次々と実装されているので、これらを順次検証し、新しいサービスとしてお客様に提供したいと思います。

青芳 氏 私は Docker に注目しています。これを Azure 上で動かし、巨大な OS の機能をマイクロ サービスとして利用できるようになれば、これまで以上に便利になるはずです。仮想マシンからコンテナーへの変化は、時代の流れだと思います。

井黒 氏 Azure SQL Data Warehouse にも期待しています。これをうまく利用できれば、データをどこに格納すべきなのか、もう悩む必要はありません。

作原 氏 最近では IoT 案件も増えているので、Azure IoT Suite の利用も増えてくるでしょう。これを活用すれば、数個のパーツを組み合わせるだけで IoT のシステムが構築できます。日本企業、特に製造業で注目されるはずです。

松岡 氏 Azure は大きく進化しています。昨年 1 年だけ見ても、利用できる機能は大幅に増えています。Azure の成長スピードに合わせて、当社も成長してきました。今後もこのスピードに合わせて成長を続け、よりよい品質のサービスを提供したいと考えています。

ありがとうございました。

株式会社 FIXER
2009 年 11 月に設立されたクラウド サービス プロバイダー。Microsoft Azure の可能性に早くから着目し、「cloud.config」というブランド名でフルマネージド サービスを提供。Microsoft Azure では日本一と言われる企業に成長しています。

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