貴社のビジネスモデルに応じたクラウド化の戦略を立てよう【6/21 更新】


お客様がシステム検討時にまずクラウドサービスを第一に考えるようになってきている世の中で、IT 業界にて今後も継続的に稼いでいくためには、いままでのオンプレミスやカスタム開発主体だったビジネスモデルを見直して、クラウドシフトを行う必要があります。この記事では、貴社が現在どのようなビジネスモデルを取っているかに応じて、どのようにクラウドシフトを進めていくのがよいかのヒントを示せればと思っています。

以前から、IT業界ではビジネス形態について様々な分類がなされてきましたが、大まかにまとめると次の4つの収益モデルのどれかに分類されます。

  • 再販:製品、サービスを仕入れて、顧客に届けるモデル
  • プロジェクトベース:例えば、特定の期間の中で特定の顧客のニーズに合ったカスタム仕様のシステム構築をして、それにかかる人件費を請求するモデル。(受託型のフロービジネス)
  • マネージドサービス:IT機器の設置からシステムの運用サービスやサポート全般を請け負い、顧客との密接な関係を維持しながらサービス利用料を定期的に請求するモデル。(ストック型ビジネス)
  • 知的財産の横展開:汎用アプリケーションを開発して、複数の顧客に提供するビジネス。

それぞれのパートナー収益モデルは、クラウドシフトの中で収益性が変わってくると考えられています。

  • 再販ビジネスは効率化努力によって収益を維持する努力は必要ですが、付加価値をつけて差別化をつけることが難しく収益性は減少傾向にあります。
  • プロジェクトベースですが、比較的大型なプロジェクトによって大きな売り上げを上げられるというメリットはありますが、景気の変動の要因を受けるだけでなく、より安価で短期間に導入ができるクラウドベースのソリューションやアプリケーションの影響を受けて、今後の成長は期待できません。日本においては、マイナンバーや東京オリンピック関連のシステムが景気を下支えしていますが、それらが終了すると、いよいよ需要がへこんでくると考えられています。
  • マネージドサービスは、月額課金などの課金モデルを確立しているとクラウド化のメリットを受けやすく、顧客のニーズに合った運用やより積極的な活用のためのサポートや課金システムによって差別化ができ、今後収益性の成長が期待できるモデルです。
  • 知的財産の横展開モデルも同じくクラウドのメリットを受けます。クラウドを通して世界中のユーザーにアプリケーションが安価に提供され、従来の大型SI案件で対応していたようなニーズもアプリケーションが取って代ることによって、今後最も収益性が高くなると考えられています。

また、クラウドシフトの進行によって、モデル間の垣根が低くなり、そのハイブリッドのようなものが増えてきています。

モデルごとに収益性が変わってきている中で、様々なパートナー企業の皆様が将来に向けてのかじ取りをされています。それをビジネスの成功に繋げていただくにあたってどういった観点を抑えておく必要があるのか、アメリカの市場調査会社の IDC はここにあげました7つの観点での方向性をとらえる必要があると提唱しています。日本とアメリカではビジネス慣習の違いやクラウドシフトのスピードの違いはありますが、これらの方向性に早く対応したパートナーがビジネスにおけるより大きな成功を収めると考えられています。

 

1. 長期的な収益性の視点

短期的な売り上げから、これから3-5年のレンジで継続的に(すなわち毎月、毎年と)収益が上げられる顧客のベースを築き上げてゆくようビジネスを移行していく必要があります。短期的な売上は前年比で低くなりますし、そういった移行を実現してゆくために必要な投資が必要になります。一気にオンプレミスのフロー型のビジネスからの移行は非常に難しいのが現実です。継続的な収益(すなわちストックモデル型)への移行を進めることによって、従来のオンプレミスのフロー型の収益へのフォーカスを下げることが可能になります。

 

2. 再販からソリューションへ

調査によりますと再販モデルが IT ビジネス全体に占める売上の割合は 2005 年の 53% から、2012 年には 36% に減少しています。ジェネラリストとしての販売スキルでは今後さらに付加価値をつけることが難しく、個々のパートナー毎に特定の専門領域で強みを築いてゆき、そのノウハウをベースにしたソリューションを提供してゆくことがさらに重要になってきます。

 

3. 一過性から継続的な営業活動へ

継続的なストックモデル型の営業活動は従来の売り方と大きく違い、長期的な関係を築いてゆくことを目的としています。IDCの調査での顧客ベースを増やしているパートナーがより高い売上成長を実現しています。しかしながら、長期にわたる売上の確保のためには、成功しているクラウドパートナーやマネージドサービスのパートナーは顧客満足に非常に高いフォーカスを充てています。

 

4. デジタルマーケティングへの移行

インターネットへのアクセスの機器の広がりによって、消費者市場に起きたことと同じように、今や多くのビジネス顧客においても製品やサービスについての知識を事前にインターネットで得ており、サプライヤーを探す方法が大きく変わろうとしています。ダイレクトメールや広告、そしてセミナーやイベントだけに頼っていては不十分で、より広く顧客にリーチをしてゆくマーケティングの手段として改めてウェブサイトのデザインの見直しを行っていくことはもちろんのこと、ソーシャルメディア、ブログなどの新しいデジタルマーケティングの手法を取り上げていくことが求められています。

 

5. マネージドサービスへの移行とアプリのパッケージ化

マネージドサービスは今後大きく成長する分野で、調査をしたパートナーのうち約半数は何らかの形でマネージドサービスを提供しており、まだ提供していないパートナーもそのうちの43%は今後 12 カ月以内にサービス提供を計画し、築いたソリューションをパッケージにして広く販売できるように検討を始めているといいます。

 

6. IT 選定が現場にシフト

IDCは、2016年までに新規のIT投資の80%にユーザー部門の責任者が関わることになると予測しています。従来のIT部門に加えて、IT部門に代わってユーザー部門の責任者と密接な関係を築いてゆくことによって長期的により付加価値の高い提案をできるようになるだけでなく、ソリューションスキルの向上にも繋がってきます。

 

7. 新しいタイプのパートナーとの競合

代表的なものがクラウド時代に生まれた新しい会社です。今までのオンプレミス型のビジネスへのしがらみが無く、特定の分野に資源を傾斜して動きが速いという特徴があります。また、顧客の中には自社内に導入したソリューションをベースに、ITサービスの提供を開始するという動きも 出始めています。

 

いかがでしたでしょうか。クラウド化の流れは技術革新による世の中のニーズの変化であり、今後もこの流れは変わることなく進んでいくと考えられています。そうすると、この流れを早めにとらえ、既存のビジネスモデルから早めにうまく脱却して新しいモデルに移行できた企業が次の時代の市場をコントロールできることになるでしょう。マイクロソフトでもこの流れをとらえて早くビジネスモデルを変革できるように日々取り組んでいます。この機会に貴社の現在と将来のビジネスモデルについて熟考し、次世代を切り開く戦略を組み立ててください。

 

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