【パートナー事例】Azure ベースで遠隔データ消去ソリューションを提供するワンビ、その主力製品 TRUST DELETE Biz の概要と Azure 採用の理由 【6/16 更新】


最近ではモバイル端末を積極的に活用し、ワークスタイル変革やビジネススピードの向上を実現したいと考える企業が増えています。しかし実際にモバイル活用に踏み切る際に気になるのが、端末紛失に伴う情報漏洩。この課題を解決するため、独自性の高いセキュリティ ソリューションを提供しているのが、ワンビ株式会社 (以下、ワンビ) です。
同社の主力製品は、遠隔地から端末のデータを消去する「TRUST DELETE Biz (トラストデリート ビズ)」。当初はパッケージ版としてリリースされましたが、2009 年 12 月に Microsoft Azure 対応を行い、現在ではクラウドによる提供が主流になっています。
今回はワンビ社長の加藤 貴 氏に、TRUST DELETE Biz の概要とクラウド化のねらい、Azure 採用の理由などについて、お話をお聞きしました。

ワンビ株式会社
CEO 代表取締役社長
加藤 貴 氏

ビジネスと主力製品の概要について

まず御社の概要についてお教えください。

 当社は 2006 年に設立された、セキュリティ専業のソリューション プロバイダーです。最初の One ステップにこだわり、今までにないセキュリティ製品を世の中に送り出したいという気持ちから、OneBe (ワンビ) という社名を付けました。ビジネスの柱は、遠隔データ消去製品である「TRUST DELETE Biz  (トラストデリート ビズ)」の提供です。この製品は 2006 年 8 月にパッケージ版をリリースし、わずか 8 か月あまりの期間で 1 万本の出荷を達成しました。また 2009 年と早くから Azure 上でのクラウド サービスも提供開始し、「Microsoft Innovation Award 2009」の最優秀賞をいただいております。現在ではほとんどのお客様がクラウド版を使用しています。出荷シート数は直販だけで約 20 万、OEM も含めると約 30 万に達しています。

 

 

 

TRUST DELETE Biz は、どのような目的で使用するものなのですか。

最近では PC やタブレットを社外に持ち出して使うことで、ビジネスを活性化させたいという企業が増えています。しかし持ち出し PC には常に紛失のリスクがあり、重要なデータが保存された状態で第三者の手にわたってしまうと、情報漏洩の危険性が高くなってしまいます。TRUST DELETE Biz は、このようなケースが発生した時に遠隔地からデータを消去し、情報漏洩を防止するソリューションです。他の多くのセキュリティ製品とは異なり、エンド ユーザーはその存在を意識する必要がありません。ユーザーの利便性を損なうことなく、いざというときに威力を発揮するものなのです。
データ消去の指令は、Azure からインターネット経由で送り出します。PC が一定期間インターネットに接続しない場合には、自動で PC をロックしたり、指令なしでデータを自動消去する機能も備えています。また 2010 年からは、パナソニックと共同開発し、PC の電源が入っていない状態でもキャリアの SMS (ショート メッセージ) で指令を受け、データ消去を実行する「TRUST DELETE Biz パナソニック版」も提供しています。

顧客からの評判と販売時の配慮

お客様からの評判はいかがでしょうか。

実際にご活用いただいているお客様からは、効果を発揮したとコメントを数多くいただいております。たとえばあるお客様からは、スペインの展示会に出張の際に PC を紛失し、すぐにデータを消去して事なきを得たという感謝の声をいただきました。また PC のキッティング後わずか 1 週間で紛失したケースもあります。この時はお客様が私どもの目の前でデータ消去の操作を行い、導入効果を実感されていました。

販売に際して配慮していることはありますか。

 お問い合わせいただくお客様は情報システム部門の方が多いのですが、このソリューションは「システムありき」ではなく「ポリシーありき」であることを、まずご理解いただくようにしています。セキュリティ ポリシーを定めても、実際のシステム運用とはなんらかのズレが生じます。そのズレをテクノロジーで埋めるのが、このソリューションの役割なのです。
また最近では「モバイル デバイスの管理は MDM を導入すればいい」とお考えの方も増えていますが、TRUST DELETE Biz と MDM は相互に補完する関係にあります。TRUST DELETE Bizはデータ消去に特化していますが、既に 10 年近くの歴史と実績があり、高い信頼性を持つ技術を確立しています。それ以外の機能は、Microsoft System Center や Microsoft Intune といった管理製品で補完しながら、適材適所の組み合わせでご活用いただきたいと考えています。

拡販のための取り組みはどのように行っていますか。

OEM 先となるハードウェア ベンダー様への提案や、セミナー開催などの取り組みを行っています。ただ、セキュリティ製品はお客様の導入事例が取りにくいので、認知拡大はなかなか難しい状況です。今はマイ ナンバー導入によってセキュリティ製品への注目度も高まっているので、これまで以上に認知拡大に向けた取り組みを積極化したいと考えています。このようなインタビューも、認知拡大に役だつと期待しています。

Azure 選定の理由と Azure への評価

2009 年に Azure 対応というのは、かなり早い動きですね。

当時はまだベータ版が出たばかりでした。Azure 上で本格的なパッケージ ソリューションを提供したのは、国内では当社が初めてではないかと思います。

なぜこのような早い段階で Azure 採用を決められたのですか。

それ以前はオンプレミス型のパッケージと、他社のデータセンターにサーバーをホスティングした ASP の 2 種類の形態で提供していました。しかしオンプレミス型はパッチ適用などのサーバー保守に手間がかかり、ASP 型はユーザーが増えて新たなサーバーを構築するとアクセス先の URL も増えてしまい、サポートが煩雑になるという問題を抱えていました。ベータ版の段階で Azure 対応に踏み切ったのは、これらの問題を一気に解決できると考えたからです。当社にとってシステム インフラはあくまでも裏方の存在であり、人的リソースはできるだけ掛けたくありません。Azure ならパッチ適用が自動化されており、URL の問題も解決できます。またシステムがダウンしても自動で復旧し、リソースも必要に応じてすぐに増減できます。インフラの面倒をみる人員をゼロにできるのは大きな魅力です。

他のクラウド サービスも検討されたのですか。

 AWS や SoftLayer も使ってみましたが、使い比べた結果、最終的に Azure が最善の選択だと判断したのです。開発からデプロイまで一気通貫の環境が整備されていることが、Azure の最大の魅力です。またマイクロソフトが有するリソースや投資金額の大きさから、将来的にクラウドの勝者になるのはマイクロソフトだろうという思惑もあります。実際、Azure は短期間で急速に進化しており、利用料金も他社に負けないスピードで下がり続けています。圧倒的な物量と規模感があるからこそ、このようなことが可能なのでしょう。

 

Azure をベースにしていることは、お客様からはどのように評価されていますか。

ほとんどのお客様は、インフラに何を使っているのかについて、特に意識はしていないようです。OEM 先の方からはインフラの構成を聞かれることがありますが、「Azure です」とお答えするとすぐに納得し、それ以上の質問が出てくることはありません。取引先に安心していただけることも、Azure 採用の大きなメリットだと感じています。

今後の展望について

最後に、今後の展望についてお聞かせください。

SMSを活用しリアルタイムなセキュリティを提供できるハードウェアを、今後さらに増やしていきたいと考えています。近い将来には Microsoft Surface の LTE モデルへの対応も計画しており、既にマイクロソフトの担当者様にも提案を始めています。
またお客様のニーズ多様化に対応するため、クラウド活用の幅を広げていくことも検討しています。たとえば大手のお客様からは、プライベート クラウドで使いたいというご要望もいただいております。このようなケースでは、お客様のプライベート クラウドにある Microsoft Active Directory の配下に Azure を置けば、管理性や利便性が向上します。これを実現するため、Azure ExpressRoute の研究も始めています。またお客様が既に Azure をお使いの場合には、そこに TRUST DELETE Biz のインスタンスを展開するといった対応も視野に入っています。その他にも、Azure Machine Learning を活用した PC 紛失予測や、Microsoft OneDrive と連携した消去データの保護なども検討しています。
これからもマイクロソフトのクラウドを活用しながら、お客様が手軽に安心を手に入れられるソリューションを、提供し続けたいと考えています。

ありがとうございました。

ワンビ株式会社

2006 年 5 月設立。セキュリティに特化したソリューション プロバイダーです。2006 年 8 月には主力製品である「TRUST DELETE Biz」をリリースし、2009 年 12 月に Azure 対応によってクラウド化。モバイル端末の遠隔データ消去を手軽に実現できるソリューションによって、情報漏洩防止に貢献し続けています。

 

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