【パートナー事例】Microsoft Azure ExpressRoute の活用でマルチ クラウド化を支援 ~クラウド事業先駆者 IIJ の事業スタンスと将来展望 【5/12 更新】


閉域網による接続が可能になれば、パブリック クラウドの適用領域は一気に拡大するはず。このように考えている企業は少なくないはずです。これに対し「IIJ クラウドエクスチェンジサービス for Microsoft Azure」を提供しているのが、株式会社インターネットイニシアティブ (以下、IIJ) 。Azure ExpressRoute を活用してデータセンター間を閉域網で接続することで、セキュリティと安定性を高めています。2015 年 1 月にはその最初のユーザーとして、積水化学工業株式会社 (以下、積水化学工業) が自社データセンターと Azure を接続。ERP システム統合に向けた大きな一歩を踏み出しています

それでは IIJ はなぜ、Azure ExpressRoute を活用したビジネスを手掛けるようになったのでしょうか。今回はマーケティング本部 アライアンスマーケティング部 部長の四倉 章平 氏に、クラウドに対する同社の事業スタンスや市場動向、ハイブリッド クラウドに関する将来展望等についてお話をお聞きしました。

株式会社インターネットイニシアティブ

マーケティング本部

アライアンスマーケティング部

部長

四倉 章平 氏

「IIJ クラウドエクスチェンジサービス for Microsoft Azure」の意義

2015 年 1 月に積水化学工業様が、御社が提供する「IIJ クラウドエクスチェンジサービス for Microsoft Azure」の採用によって、Azure ExpressRoute の利用を開始しました。まずはこの案件について簡単にご説明ください。

IIJ は 2014 年 7 月に、私どもの高付加価値クラウド サービスである「IIJ GIO (ジオ) サービス」と Azure を連携させたマルチ クラウド サービスの提供に向けた協業を、日本マイクロソフトと共同で発表しています。積水化学工業様の案件はその最初の事例であり、ERP のグローバル統合に向け、お客様のオンプレミス環境と Azure を閉域網でシームレスに接続するというものです。インターネット回線を介さず、Azure ExpressRoute で既存の WAN 環境を Azure に直接接続するため、セキュアで高い信頼性と、安定性の確保が容易になります。

クラウドに対する閉域網接続のニーズは高いのでしょうか。

 高いと思います。まずハイブリッド クラウドへのシフトですが、これは IT の歴史を振り返ってみても、必然的な流れです。IT の歴史の中で、1 つのものだけが残って他のものがすべて消滅したというケースはありません。複数のものを適材適所で選択し、ポートフォリオを組むというアプローチが一般的なのです。パブリック クラウドも、企業システムを構成するポートフォリオの 1 要素です。しかしインターネット経由での接続では、社内システムに適用することは困難です。ここに閉域接続という手段が出てきたことで、パブリック クラウドが現実的な選択肢になり、社内システムでも利用しようという動きが加速すると考えています。

 

 

 

  オンプレミスとパブリック クラウドの連携は、今後さらに進んでいくと。

ハイブリッド クラウドの構成では、お客様のデータセンターとパブリック クラウド、あるいはプライベート クラウドとパブリック クラウドの接続といった、「マルチ クラウド」の構成が多くなっています。お客様の社内システムとパブリック クラウドとの接続は、むしろ少数派だと言えます。

IIJ のクラウド ビジネスと事業スタンス

御社はプライベート クラウドのサービスも提供しているので、この市場での優位性は高そうですね。

SLA への要求が高いものや専用サーバーが必要なものは IIJ GIO、経済性が求められるものは Azure と、うまく使い分けていただけると思います。その一方で私どもは、ISP としてのビジネスも展開しています。このエリアでは、1 つのキャリアだけに依存するのではなく、複数のキャリアを組み合わせた「マルチ キャリア」のサービスを提供しています。これも「マルチ クラウド」と同様に、日本のお客様から強く求められる、適材適所のアプローチの 1 つです。「マルチ キャリア」「マルチ クラウド」を組み合わせることで、通信経路と地理的な冗長化による災害対策なども可能になります。

クラウドへの取り組みはいつごろから行っていますか。

IIJ では 2000 年ごろから、お客様に IT アセットを月額でお貸しするサービスを行っています。「クラウド」という言葉が生まれる前からです。その後、仮想化技術が使えるようになり、2010 年に IIJ GIO のサービス提供を開始しました。

なぜクラウド ビジネスを行うようになったのですか。

私どもは別に「クラウドを提供する」ことを目的にしていたわけではありません。お客様のニーズに応え続けた結果、クラウド提供に至ったのです。クラウド事業は決して儲かるビジネスではありません。典型的な装置産業であり、大きな投資が必要なわりには回収期間が長いという特性があります。しかし「すべては所有から利用へと変わっていく」というのは必然的な流れであり、お客様もそれを強く望まれています。お客様が求めるものを常に一足先に提供し続けることが、私どもの使命だと考えています。

Azure への取り組みと評価

マイクロソフトのクラウド サービスへの取り組みは、いつごろから始まっていますか。

 Microsoft Office 365 関連のビジネスは 2013 年 4 月からスタートしています。これは Office 365 のライセンス販売を主軸にしたものではなく、お客様の IT 活用の成熟度に合わせた Office 365 の使い方の提案や、それを実現するための環境整備を柱にしたものです。この 2 年間で数万シート分の実績があります。その後、Azure 関連のビジネスにも着手しています。積水化学工業様の事例ように、他社のパブリック クラウドと閉域網で接続するサービスを本格的に提供するのは、Azure が最初のケースとなります。

 

 

 

 最初の接続相手として Azure を選択した理由は何ですか。

Azure はパブリック クラウドの選択肢の 1 つに過ぎません。クラウドを売りたいというのは売り手の論理。お客様は「自分のやりたいことを実現したい」だけであり、別に Azure を使いたいというわけではないのです。しかしほとんどのお客様の社内システムが Windows ベースで動いていることを考えると、これとの親和性が高い Azure は、最も魅力的な選択肢だと言えます。またマイクロソフトも、エンタープライズで利用しやすいように、パブリック クラウドの強化を進めています。私どももこの流れに乗るべきだと考えました。

Azure ビジネスの現況と将来展望

現在のビジネス状況は。

積水化学工業様でのサービスインからまだ 3 か月程度ですが、既に 20 社近くからお申込みをいただき、その半数以上で接続を完了しています。ほとんどのケースで 100 Mbps の帯域を使用しており、帯域合計では数 Gbps に達しています。日本企業は Azure を本気で検討しているところが多いと感じています。その一方で海外でも、Azure ExpressRoute を利用したいというご要望が増えています。

今後の売上目標などは設定されていますか。

Azure ExpressRoute を今後 3 年間で 200 社に導入し、世界で最も提供数の多いパートナーになることを目指しています。海外では既に製造業を中心にクラウド利用が拡大しています。閉域網による接続が可能になれば、日本でも急速にクラウド活用が広がっていくでしょう。

ありがとうございました。

株式会社インターネットイニシアティブ (IIJ)
国内初のインターネット接続事業者として 1992 年に創業。高い技術力をベースに、クラウドをはじめとするアウトソーシング サービス、WAN サービス、システム インテグレーションなどをラインアップし、あらゆるネットワーク利用の要望にワン ストップで応え続けています。

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