【パートナー事例】被災地支援を支えるシステムをクラウドで実現~Azure ビジネスを加速する JBS の取り組み【4/28 更新】


女川町の災害公営住宅の建設を迅速化するため、三菱東京UFJ銀行と三菱総合研究所が提供している資金支援スキーム。これをサポートするシステムを Microsoft Azure ベースで提供したのが、日本ビジネスシステムズ株式会社 (以下、JBS) です。クラウドの活用によって 1 か月でアプリケーション開発を完了。プロジェクト開始から数えても、わずか 3 か月でのサービスインに成功しています。
このシステムの実現を可能にしたのは、Azure に関する JBS の高い技術力であることは言うまでもありません。それでは JBS ではどのような取り組みによって、その技術力を蓄積してきたのでしょうか。また今後、どのような形での Azure 活用を考えているのでしょうか。
今回はマーケティング本部 ビジネスソリューション部 部長を務める田中 祐司 氏をはじめとする、JBS の開発者の方々 (社会システムデザインセンター プロト開発 主任 ゴンザレズ エドワルド 氏、マーケティング本部 ビジネスソリューション部 アプリケーションテクノロジー課 浅井 小百合 氏、システムインテグレーション統括本部 AmbientOfficeソリューション本部 コラボレーション&ソーシャルデザイン部 アシスタントマネージャー 佐藤 真敏 氏) に、クラウド ビジネス参入に至る経緯と Azure への評価、これまでの取り組み、今後の展望について、お話をお聞きしました。


日本ビジネスシステムズ株式会社
マーケティング本部
ビジネスソリューション部
部長
田中 祐司 氏

女川町災害公営住宅建設事業をサポートするシステムの概要

まず今年 (2015年) 3 月にプレスリリースされた、女川町災害公営住宅建設事業をサポートするシステムについてお教えください。

女川町の災害公営住宅建設事業では、三菱東京UFJ銀行と三菱総合研究所が 2014 年 3 月から資金支援スキームを提供しています。東日本大震災の被災地における災害公営住宅の建設では、建設業者への建設費用支払いが全戸引渡し時に一括で行われるのが一般的で、これが工事の遅れにつながっているという課題がありました。両社のスキームは電子記録債権を利用することで、工事進捗状況に合わせた出来高払いを行うというもので、工事遅れの問題を解消できます。ただしこのスキームを実現するには、建設事業者が現地の工事進捗状況を出来高確認者に正確に報告し、確認を得るプロセスが必要になります。今回構築したのはそのためのシステムであり、建設事業者が Windows タブレットで現地の状況を撮影して蓄積し、そのデータを Azure に転送、出来高確認者がこの情報にアクセスして確認を行えるようにしています。

開発期間はどの程度でしたか。

プロジェクト開始からサービスインまで約 3 か月です。実質的な開発期間は約 1 か月でした。

Azure ビジネスを始めた背景

Azure を活用したクラウド ビジネスは、いつごろから手掛けていますか。

ゴンザレズ

エドワルド 氏

最初に Azure でシステムを構築したのは 2011 年です。これは「YOM」というもので、オンプレミスの Microsoft Exchange や Microsoft Office 365 の予定表を、iOS 搭載デバイスで表示するためのものであり、YOM とは「予定を見る (Yotei O Miru)」の頭文字から作った名称です。このシステムでは iOS からのアクセスをいったん Azure で受け、Azure 上のアプリケーションから Exchange にアクセスしてスケジュール情報を取得、これをデバイス側に転送して表示させるという処理を行っています。これは既に製品としても提供しています。2012 年には ACE (Azure Council Experts:アジュール評議会) にも参加しています。
しかし Azure を活用したクラウド ビジネスに本格参入しようと決めたのは、2013 年 12 月です。女川町の案件はその翌年 3 月に話を頂いたので、ちょうどいいタイミングだったと思います。

 

 

なぜクラウド ビジネスを開始しようと考えたのですか。

2011 年に日本航空 (JAL) 様の Office 365 導入を担当させていただいたことが、大きな契機になったと思います。これは数万ユーザー規模のクラウド導入事例であり、導入の過程ではさまざまな問題も発生しましたが、終わってみると「こんなに簡単に大規模システムが構築できるのか」という印象が残りました。この流れが加速していけば、PC とサーバーをネットワークでつなぐという従来のインテグレーションは、ビジネスとして通用しなくなります。そしておそらく、今後 5 年くらいでクラウドへのシフトが進むだろうと予想しました。このような強い危機感からクラウド ビジネスに取り組むべきと考えたのですが、いち早く取り組めば先行者利益を獲得できるという期待もありました。

数あるクラウドの中から Azure を選択したのはなぜですか。


浅井 小百合 氏

私どもは「カスタマー ファースト」というスタンスで、常にお客様の視点からシステム設計することを心掛けています。お客様のご要望に合わせるには、やはりマイクロソフトが最もいい選択です。IaaS の世界では AWS を提供する Amazon が先行しており、Azure は後発です。しかし Azure は急速な勢いで進化を続け、現在では AWS に追いつき、部分的には既に追い抜いている部分もあります。
日本にデータセンターが開設されたことも重要なポイントです。これによってさらに、Azure を選択しやすくなりました。高い安全性が求められる金融機関などのシステムが満たすべき「FISC安全対策基準」も満たしており、今年 1 月にはマイクロソフトのデータセンターと顧客サイトを専用線で接続する Express Route も始まりました。これからも IT 業界でビジネスを行い、お客様に最適なシステムを提案したいのであれば、Azure に取り組むのは当然だと言えます。

Azure に関するその他の取り組み

Azure を使用した案件で、他に進行中のものはありますか。

まだ JBS の社内だけで使っているものなのですが、Wi-Fi のロケーション機能を利用して社員の所在を示す「IRUCA」というシステムを運用しています。これは、Wi-Fi アクセス ポイントから得られる端末のロケーション情報をオンプレミス システムで収集し、それに対してモバイル アプリから Azure を介してアクセスするというものです。最大のポイントは、Azure とオンプレミス システムとの連携認証によって、社外からも安全にアクセスできる点です。Azure を間に入れることで、オンプレミス システムに手を入れることなく、そのままクラウド システムのように利用できます。

それはおもしろいしくみですね。

それから今年 3 月に正式提供が始まった「Azure Machine Learning」の活用にも取り組んでいます。機械学習の機能をクラウドで利用できれば、大量の仮想マシンや Hadoop のようなソフトウェアを準備することなく、推論や予測を手軽に実現できます。Azure には Microsoft SQL Server の機能も用意されているので、データの蓄積も簡単です。現在はまだ検証段階ですが、できるだけ早くノウハウを蓄積してお客様に提案したいと考えています。

収益への貢献度と今後のビジネス展開

御社の収益に対するクラウド ビジネスの貢献度はどの程度でしょうか。

今はまだそれほどではありませんが、今後年々大きくなっていくはずです。既にお客様からのご要望も、Office 365 や Microsoft Dynamics CRM Online など、クラウドを前提にしたものが増えています。クラウドへのシフトは着実に進んでいると感じています。

今後のビジネス展開は。


佐藤 真敏 氏

女川町の事例は、JBS における Azure ビジネスのスタート ラインに過ぎません。Azure 活用は、これからさらに加速させていきます。JBS ではシステム インフラから手掛けることが多いため、これまでは Azure を IaaS として利用するケースが多かったのですが、今後は Azure を PaaS として利用することも視野に入っています。また、Microsoft SharePoint や Microsoft Dynamics CRM の構築運用を支援する「Live Support」の、Azure 版の提供も検討しています。
Azure は毎日のように進化しています。「先週できなかったことが今週可能になっている」といったことも、日常的に起きています。このスピードにキャッチアップできる技術力は、JBS の重要な価値です。私どもはこの進化の波に乗りながら、お客様により使いやすいシステムを提供していきたいと考えています。

 

 

ありがとうございました。


今回の取材に対応してくださった JBS の皆様
左から、佐藤 真敏 氏、田中 祐司 氏、浅井 小百合 氏、ゴンザレズ エドワルド 氏

日本ビジネスシステムズ株式会社

マイクロソフトの製品群を中心とした「Ambient Office」などのソリューションを提供する、マイクロソフトのゴールド パートナー。「お客様にとって最良のシステム・最善のサービス」という発想に基づき、戦略的かつ実践的なシステムを実現し続けています。

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