Exchange Online の新たな移行オプション


(この記事は 2016 11 28 日に Exchange Team Blog に投稿された記事 New Exchange Online migration options の翻訳です。最新情報については、翻訳元の記事をご参照ください。)

マイクロソフトでは、Office 365 や Exchange Online の導入を容易にするため、新たな移行方式の提供に向けて取り組んでいます。

この移行方式の導入により、Exchange 2010、2013、または 2016 サーバーを少なくとも 1 つオンプレミスで実行しているお客様は、クラウドへの移行をシームレスに進められます。移行を開始すると、Exchange Online の既存の構成状況が診断され、さらに、ハイブリッド構成ウィザードを通じてオンプレミス環境の診断が行われます。現状についてあらゆる情報が収集されたら、いくつかの質問 (Exchange Online への移行をどの程度の期間で進めていきたいか、高度な機能は必要か、など) により、希望の状態の確認が行われます。その後、ハイブリッド構成ウィザードに従って、ユーザーを Exchange Online に移行するために必要となる構成作業が進められます。

現行の構成と、ハイブリッド構成ウィザードで選択したオプションに応じて、次のいずれかの移行方法が実施されることになります。

  • Full Hybrid: 一般的に、規模が大きくて移行に時間のかかるお客様、あるいは、短期間にすべてのメールボックスを Exchange Online に移行するのが困難というお客様に適しています。最も複雑な構成となりますが、クロスプレミスでの空き時間情報の確認や高度なメール フロー オプションなど、高度な機能が利用できます。Full Hybrid の詳細については、こちらのページを参照してください。
  • Minimal Hybrid: 6 月にハイブリッド構成ウィザードに追加された、比較的新しいオプションです。この方法で環境を構成すると、ハイブリッドへの移行と受信者管理が可能になると共に、空き時間情報の確認といった、Full Hybrid で必要とされた高度な機能を構成する手間が省けます。すべてのメールボックスを数か月以内に Exchange Online に移行したいが、ディレクトリ同期は有効にしておきたいと考えるお客様が一般的に採用する構成です。Minimal Hybrid の詳細については、こちらのページ (英語) を参照してください。
  • Express Migration: 今回追加された最新のオプションが、Express Migration です。ハイブリッド構成ウィザードから選択でき、小規模企業のお客様、または数週間以内に Exchange Online に移行したいと強くご希望のお客様に適しています。ディレクトリ同期を有効にしておく必要があるお客様には適していません。このオプションでは、ユーザーの構成が可能です。また、新たな移行方式によって、ユーザーへのサービス中断を最小限に抑えながらメールボックスを Exchange Online に移行することができます。

Express Migration の詳細について

中堅中小企業の管理者の皆様は、これまで、複雑な構成手順を伴うハイブリッド移行か、複雑なユーザー エクスペリエンスを伴う一括移行か段階的移行のいずれかを選ぶしかありませんでした。しかし、これからは、きわめて簡単に実施できる Express Migration を選べるようになります。

Express Migration オプションでは、Minimal Hybrid 構成でディレクトリ同期を 1 度だけ行うことで移行を実施できます。このユーザー アカウントの初期同期を実行した後は、Office 365 とオンプレミスの双方でディレクトリ同期が自動で無効になります。これにより、これまで一括移行を採用してきた中堅中小企業のお客様は、手間を省いてハイブリッド移行のメリットを得られるようになります。

Express Migration を実施した場合、従来の一括移行に比べて、以下のようなメリットがあります。

  • ユーザー名とパスワードがオンプレミスと同期される
  • ユーザーは Outlook プロファイルを作り直す必要がない
  • 移行の前後および最中も、ユーザー間でのメール フローが維持される
  • 基本的に、移行の最中、ユーザーへのサービスが中断されることがない

移行の開始

この記事で取り上げたいずれの移行方法 (Full Hybrid、Minimal Hybrid、Express Migration) も、同じインターフェイスから開始することができます。手順に従って進めると、適切なオプションが提示されるようになっています。

今回の新たな方式で重要な役割を果たすコンポーネントが、移行ウィンドウです。Office 365 管理ポータルに新しく導入されたウィンドウであり、ポータル全体による最新型の外観を踏襲した作りになっています。新しいのは外観だけではなく、数多くのインテリジェンスが組み込まれています。たとえば、移行ウィンドウを開くと、ハイブリッド構成ウィザードを実行済みかどうか、ユーザーの同期を実行済みかどうか、移行エンドポイントを作成済みかどうかが検出されるようになっています。何が構成済みかに応じて適切な移行手順が提示されます。

この新しい移行方式を利用するには、ポータル (http://portal.office.com) の [Users] セクションを開いて、[Data Migration] オプションを選択します。次に、作業を実施する電子メール ソースとして [Exchange] を選択します。このページには、移行元となる各種ソースが表示されます。ここでは、[Exchange] オプションを選択します。

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ソースの選択後、テナントのチェックがすばやく行われ、ハイブリッド構成ウィザードを実行済みかどうかが確認されます。実行済みでない場合、オンプレミス環境で移行準備がまだなされていないと判断され、ハイブリッド構成ウィザードのダウンロードと実行が促されます。

ハイブリッド構成ウィザードを開始すると、ようこそ画面が表示されるので、[next] を選択します。

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次に、サーバー検出画面が表示されます。正しいサーバーが検出されているはずなので、ここでも [next] を選択します。既定では、最新バージョンを実行している Exchange サーバーに接続を試みます。

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オンプレミスの Exchange と Exchange Online の双方で使用する資格情報を提供します。

適切な移行オプションを選択します。ここでは、Express Migration の例をご紹介しているので、[Minimal Hybrid Configuration] を選択します。

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[update] を選択すると、必要な構成作業すべてが実行されて、以降の手順でメールボックスの移行が開始できるようになります。

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次の手順: ユーザーのプロビジョニング

この時点で、ユーザーの同期がまだ行われていない場合は、ユーザーの同期を 1 度だけ実行するか、または AAD Connect を個別にインストールするかのオプションが表示されます。前述したように、すべてのメールボックスを Exchange Online に移行することを計画しており、かつ、ディレクトリ同期を有効にしておく必要がない場合は、1 度だけ同期を行うオプションを選択します。これにより、”Express Migration” の対象であると見なされます。何らかの理由でディレクトリ同期が必要な場合は、AAD Connect を個別にインストールしてセットアップする必要があります。

メモ: 1 度だけ同期を行うオプションを選択した後でディレクトリ同期が必要だと判断した場合は、AAD Connect をセットアップしてディレクトリ同期を実施することができます。

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ウィザードで [Minimal Hybrid Configuration] を選択しなかった場合、ディレクトリ同期を 1 度だけ行うオプションは表示されません。[Full Hybrid Configuration] を選択した場合にこれが表示されないのは、高度な共存機能とディレクトリ同期を必要とする展開シナリオであるためです。

[Synchronize my users and passwords one time] オプションを選択すると、ハイブリッド構成ウィザードに進行状況バーが表示され、AAD Connect が構成されてユーザーが同期されるまで待機します。

ハイブリッド構成ウィザードのセットアップを完了するには、AAD Connect を構成する必要があります。ほとんどの場合、AAD Connect の既定の設定を選択するのが最適なオプションです。

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これが完了すると、ハイブリッド アプリケーションの終了ページが表示されて、フィードバックが入力できます。このページを閉じると、ユーザー リストのページが表示されて、そこからメールボックスの移行を開始できます。

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ユーザー リストのページでは、移行したいユーザーを選択できます。ここで、実際にはハイブリッド移行と同様に MRS を使用してユーザーの移行が行われます。この新しいウィンドウでは、ハイブリッド展開オプションを選択したかどうかにかかわらず、メールボックスを移行できます。ユーザーを選択して [start migration] をクリックするだけなので、操作は簡単です。このとき、前提条件が満たされているかどうかの確認が行われます。満たされていない条件があれば、実施すべき手順が適宜、表示されます。

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制限事項

新しい移行ウィンドウには、注意すべき制限事項がいくつかあります。今後、こうした制限事項をなくしていけるように、取り組みを進めています。

  • サポートされる移行エンドポイントは 1 つだけ: エンドポイントが複数ある場合、ハイブリッド構成ウィザードで作成されたエンドポイントまたは新しい移行方式で作成されたエンドポイントが選択されます。
  • 度に 1 つのバッチしか開始できない: 今回の移行ウィンドウでは、複数のバッチはまだサポートされていません。そのため、前の移行の完了を待ってから、次の移行を開始する必要があります。マイクロソフトは、中規模および大規模企業のお客様にとって、複数バッチのサポートが重要であることは認識しており、これを最優先課題と考えています。
  • 個々のユーザーにライセンスを付与する必要がある: 今回の方式で移行する全ユーザーに対して、移行開始前にライセンスを付与する必要があります (共有メールボックスのオブジェクト タイプを除く)。この作業は自動では行われないため、移行前にユーザーにライセンスを付与しなければなりません。

まとめ

このような更新を通じて、多くの Exchange のお客様に Exchange Online をシームレスに導入していただけるようになると考えています。マイクロソフトは、お客様のご要望にお応えするために移行ウィンドウを作成し、これからも改善を重ねてまいります。移行を実施するにあたり、ご意見・ご感想がございましたら、ぜひ作業中に表示されるフィードバック ボタンからお寄せください。

Office 365 On-boarding チーム

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