Global Water Project で生徒たちがジャーナリストに変身


(この記事は 2016 年 11 月 17 日に Office Blogs に投稿された記事 Students becoming journalists in Global Water Project の翻訳です。最新情報については、翻訳元の記事をご参照ください。)

今回は、Cvo de Verdieping School で Web デザイン教師 を務める Microsoft Expert Educator メンバーの Koen Timmers 氏の記事を紹介します。

インドのバンガロール郊外で開催された Maverick Teacher Global Summit 2016 で、国連が定める持続可能な開発目標の 7 項目にグループで取り組むイベントに参加しました。現地の教師から、インドでは、貧しい人以外は病気の耐性を持っていないため水道水を飲まないということを聞き、私は大きなショックを受けました。これがきっかけとなり、私は水に関する世界的なプロジェクトを立ち上げたのです。

プロジェクトの参加国は以下の 3 つの条件で選びました。

  • ほぼすべての大陸から、異なる宗教、文化、言語、習慣を持つ人々が参加すること。
  • 水と特別な関係を持つ地域 (死海、アマゾン、ガンジス川、砂漠、ミシシッピ川など) であること。
  • 水不足、飲料水の不足、水の無駄遣いなど、水に関するさまざまな問題を抱えていること。

世界中の教師たちに呼びかけ、アルゼンチン、ベルギー、ブラジル、インド、イスラエル、ケニヤ、ニュージーランド、米国 (カリフォルニア州とミネソタ州) の 6 つの大陸の 9 つの学校から参加者を集め、Global Water Project を立ち上げました。

students-becoming-journalists-1

私は通常、プロジェクトを開始するときに OneNote のノートブックを作成します。それを、ブレーンストーミング、調査時のリンクや表現収集、スケッチ、アイデアのメモ、抽象的なデータの概念化などに活用します。プロジェクトの最終ドラフトを作成した際も、参加予定の学校とドキュメントを共有し、この OneNote ノートブックを共同で編集して仕上げました。

プロジェクトに参加した学校の教師からは、このような声が寄せられました。

「水はとても貴重な資源で、生きるためには欠かせません。Global Water Project に参加でき、本当に良かったと思います。生徒たちは、世界の仲間がきれいな水を確保するために懸命に取り組んでいること、自分たちの水がどれだけ大事であるか、その使い方がどれほど重要であるかを学ぶことができました」–Tammy Dunbar

students-becoming-journalists-2

OneNote で週ごとのトピックを計画

このプロジェクトの目標は、生徒たちが自発的に共同作業をすることです。21 世紀の学習スキルという認識を持って、発見、作成、共同作業、プレゼンテーション、共有という作業を行ってもらいました。生徒たちはジャーナリストに変身し、教室はニュース スタジオとなりました。科学、地理、ICT、文学、生物学、歴史、保健の各分野から、毎週異なるトピックが決められます。私はどんな教科の学習にもコンピューターを取り入れるべきだと考えています。各教科を学ぶ中で必然的にコンピューターの使い方を学べるからです。

21 世紀の学習デザインのフレームワークは、以下の内容を網羅しています。

  • 現実世界の問題を解決する。他国の水不足などの問題について、現地に行かなくても学べる方法を考えます。
  • 共同で作業する。共同学習は重要な鍵となります。グループで生み出す知識は、教師から教えられる知識よりも貴重です。
  • 学習に情報通信技術 (ICT) を応用する。
  • 知識を構築する。創造力を発揮して直面する問題を解決し、知識の再利用ではなく生徒たちが新しいアイデアを生み出すことが必要です。

生徒たちは本物のジャーナリストと同じように調査を行い、アイデアを組み立てます。情報の収集や分析を行い、それを記事やビデオなどのマルチメディアで報道します。

students-becoming-journalists-3

フィールド ワークで水のサンプルを収集しテストするニュージーランドの生徒たち

ここで OneNote ノートブックの出番です。参加国ごとに 1 つのセクションを作成し、アイデアの記録、調査内容のメモ、リンクや一連のストーリーの追加、そして結果発表などに使用します。

生徒たちは 5 週間で 5 つのトピックに取り組みました。まず最初に、自国の水にまつわる場所についてプレゼンテーションを行いました。後半では、水の量や品質、使用状況についてレポートや記事を作成しました。毎週このようなチラシを作成して生徒たちにトピックを出しました。

students-becoming-journalists-4-and-5

毎週のトピックはチラシで連絡

世界に向けて発信

このプロジェクトは多国間で行うことが重要でした。実際に現地に行って人々と話をしなくても、異なる文化や宗教、習慣について学べる方法を考えます。生徒たちは最初、小さなグループでプレゼンテーションを作成しており、各国で異なるアプローチが見られました。いくつかの学校では、生徒たちが 1 つの PowerPoint プレゼンテーションで 1 ページのスライドを作成していました。別の学校では、小さなグループが各自の PowerPoint プレゼンテーションを作成しながら、グループ間で共同作業を行っていました。仲間どうしでの発表後に、各国の学校にプレゼンテーションを配布します。こうすることで、共通の課題について異なる国の生徒たちから直接学ぶことができます。

教師は教えるのではなく生徒たちを案内する役割を務めます。以下は 2 つの国の発表内容です。

students-becoming-journalists-6

グループで記事を作成したベルギーの生徒の例

students-becoming-journalists-7

グループで記事を作成したイスラエルの生徒の例

共同学習が鍵

グループで生み出す知識は、教師から教えられる知識よりも貴重なものです。ジャーナリストに変身した生徒たちは、問題意識を持ってコンテンツの作成、共有、発表に取り組みました。生徒全員が 1 つの OneNote ノートブックを活用することで、コンテンツの構造化、共同作業、共有を実現でき、必要な場面で教師が生徒をサポートすることができます。

OneNote のキャンバスは、テキストやハイパーリンク、マルチメディア、手書きメモなどを自由に書き込んだり配置したりできます。また、プロジェクターを使えば壁がホワイトボードとなり、高価なスマート ボードの代わりとして制限なく利用することができます。

写真をたくさん掲載できる OneNote はフォト ギャラリーとしても活躍します。

students-becoming-journalists-8

ミシシッピ川についての調査を行う生徒たち

その他の活動も目を見張るものばかりでした。教師たちは工夫を凝らし、印象的な活動の写真やストーリーを発信しました。自ら Minecraft で名所を再現したり、湖でフィールド ワークを行ったり、レゴで架空のプールを作成したりするケースもありました。生徒たちもストップ モーション ビデオや Sway、さらに、Lifeliqe による水の循環のデモや、グリーン スクリーンを使用したビデオなどさまざまな方法で、言葉の壁を超えて学べるよう工夫しました。

最初の 1 週間は、他国の生徒との直接の交流はなく、メールでコミュニケーションを取り、作業は 1 つの OneNote ノートブックで共同で行いました。プロジェクトの最後に Skype 会議をセットアップし、生徒たちが直接「対面」できるようにしました。

students-becoming-journalists-9

1 つの OneNote ノートブックでメモや共同作業を行う生徒

現実問題の発見と共有という課題以外に、生徒たちに家庭で実践できるソリューションを考えてもらいました。ある学校では保護者を招き、水の無駄遣いや節水術についての話し合いを開催しました。このプロジェクトでは、水の無駄遣いを減らすことと、健康のためにジュースの代わりに水を飲むことを生徒や保護者に広めることが目標でした。

students-becoming-journalists-10

水の無駄遣いについてインタビューし OneNote に解決策を書き込む生徒

水の無駄遣いに関する課題では、参加校を 2 つのグループに分けて作業を行いました。グループは互いの OneNote ノートブックにアクセスできるようになっており、どちらのグループが水の無駄遣いを防止するヒントを多くリストアップできるか、競争をしてもらいました。コミュニケーションには Skype を利用しました。しばらくすると、時差のあるコミュニケーションの中で、生徒たちはメッセージでやり取りするようになりました。

このようなグローバル プロジェクトは ICT なしでは成功しなかったでしょう。情報収集、分析、構造化、提示、共有に加え、地球の反対側に住む生徒とのコミュニケーションのために、さまざまなツールを活用する必要があったからです。どの生徒も皆、ニュース スタジオとなった教室で、プロジェクトに夢中になっていました。

執筆: Koen Timmers、協力: Jennifer Verschoor (アルゼンチン)、Olivier Dijkmans (ベルギー)、Neeru Mittal (インド)、Karina Batat (イスラエル)、Hannington Ochieng (ケニヤ)、Nikkie Laing および Jodi Hill (ニュージーランド)、Tammy Dunbar (米国カリフォルニア州)、Luke Merchlewitz (米国ミネソタ州)

※ 本情報の内容 (添付文書、リンク先などを含む) は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。

Skip to main content