教職員の働き方を変えた OneNote


(この記事は 2016 年 4 月 27 日に Office Blogs に投稿された記事 OneNote transforms the way we work as a staff の翻訳です。最新情報については、翻訳元の記事をご参照ください。)

 

今回は、2016 年に開校を予定しているイギリスのアスゴル バエ バグラン スクールの教頭を務める Stewart Davies 氏の寄稿記事をご紹介します。

アスゴル バエ バグラン スクールは、3 ~ 16 歳の生徒 1,600 人に一貫教育を行う、ウェールズの新しい学校です。3 ~ 16 歳を対象とする一貫校はウェールズで初めてであり、当校の職員は誇りを持ってその重要な職務に当たっています。また当校は、非常に優秀な 4 つの学校の統合によって生まれるため、各生徒の教育ニーズや経済的な事情もさまざまです。開校は 2016 年 9 月を予定しており、3 年計画で生徒 1 人につき 1 台 Microsoft Surface を整備する教育プログラムを導入し、新 9 年生から利用を開始する予定です。

当校にとっては、さまざまな背景を持つ教師と生徒によるまったく新しい学校を 2016 年 9 月にスタートさせることそのものが課題です。当校の教師は現時点では 4 つの学校に分かれて勤務しているため、教師たちの円滑なコミュニケーションと共同作業を支援する手段が必要です。1 年半前、私たちは達成目標を決めることから始めました。メールを使ったシンプルなグループ コミュニケーション、授業計画書や教材を作成するための共同作業、会議の議事録の整理、作成、共有などの実現が挙げられましたが、特に教材については、校内に 4 つあるサーバーに保存されたビデオを含めて数千項目もあり、こうした教材の利用と効果的な共有が最も大きな課題となりました。共有方法の条件は、重複して保管されないこと、教師が簡単に利用できること、安全に長期保存できること、有意義な指導と豊かな学習に寄与することでした。

やがて、選択肢はおのずと 1 つに絞られました。必要な機能がすべて揃っている Office 365 です。特に鍵となったのは OneNote でした。OneNote には従来の教育のアプローチを根本から変える力があると確信したのです。

当校はまず Office 365 グループを導入し、教科間の共同作業や作業管理を 1 か所に集約しました。グループでのメールでは、お馴染みの Outlook 2016 アプリケーションを使って簡単にコミュニケーションを取ることができます。Office 365 グループでは OneNote での共同作業も可能です。各グループは、自動でプロビジョニングされる OneNote ノートブックを共同作業スペースとして使えます。

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当校では、グループの OneNote 内に用意したページ テンプレートを使用して、各教科のユーザーが簡単に議事録を記入しています。議事録という名のタブに新しいページを追加するという簡単な操作で、各教科の作業の効率化と定型化を図れます。この改善は、担当教科にかかわらず常に同じ体裁のページが表示されるというシンプルなものでしたが、OneNote がどういうものなのか全員が簡単に理解できたという点では大きな一歩でした。また、OneNote ノートブックへのドキュメント添付や印刷の機能についても、会議に先立って資料を共有して各教科の会議を効率化できるだけでなく、授業でもさまざまな使い方ができるという認識がすぐに広がりました。

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さらに、アイデアを気軽に試す場所として、運用管理用ノートブックを各教科に 1 つずつ作成しました。運用について考えることは、教育について考えるよりはるかに簡単です。ほどなくして、各教科ではグループのノートブックを使った数多くの試みが始まりました。こうした試みは、今後に向けてさまざまな可能性の種を蒔くことはもちろん、OneNote の機能を把握することにもつながります。その結果、あらゆる種類のタブが作成されました。

この段階に移って間もなく、教材の整理をしっかりと考えなければならないことに気付きました。当校では、1 教科すべての教材を 1 つのノートブックに格納する考えはなかったため、12 学年をどのような分け方にすればよいのか、定期的に同期しなければならない量がどれくらいになるのかについて頭を悩ませました。結果的には、基本的に各学年にノートブックを 1 つ作成し、それらを共有しながらそのノートブック上で共同作業を行うことにしました。これで、それぞれのノートブックの内容を容易に把握できるようになり、管理も簡単になりました。実際には、管理者ユーザー 1 人がノートブックを管理し、教科のユーザーと共有しています。これらのノートブックは OneDrive にある [Shared with Me] フォルダーに表示されます。これらの共同作業・共有ノートブックを各教師の Surface Pro 4 で開き、ピン留めすれば、アクセスはさらに簡単になります。当校ではこのような環境を全教師向けに用意し、教材を保存、整理する場所を各教科の教師全員で一元化しました。

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Surface Pro 4 で OneNote を使用するメリットは、テキスト、画像、ビデオ、ファイルのほかにも、OneNote ページでインク機能も使えることです。

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OneNote ノートブックの構造をどのようにするかについては各教科主任に任せましたが、ある程度の一貫性を確保するため、授業計画書テンプレートのタブはすべての教科に設定しました。これまで紙ベースで行われてきた業務フローを簡単かつ柔軟に反映させられるので、各教科主任からは OneNote ノートブックを整理するさまざまなアイデアが生まれました。

たとえば数学科のノートブックのいくつかでは、学習テーマの指導時期に基づく時系列ベースの構造が採用されています。

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それ以外のノートブックは学習テーマ別の構造になっています。柔軟性の高さが逆に持て余され敬遠されるかもしれないという心配は杞憂でした。すぐに各教科で活発にアイデアが飛び交うようになり、ある教科での上手な使い方が他の教科でも検討され、PLC のワーキング グループからも OneNote ノートブック導入の要望が上げられました。

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このような方法による共同作業や教材の共有を教職員に実践してもらうことは、1 つの学校内であったとしても簡単なことではありません。そうした理由から、個別の Class Notebook を初めから導入することはしませんでした。共同作業用ワークスペースの導入にとどめたことで、新しい働き方が始まるというメッセージを最初に伝えることに成功したのです。それ以外の選択肢はありませんでした。教師には個人のノートブックは練習目的以外で作成しないこと、4 つの学校の教材は必ず共有ノートブック上で整理するよう指示しました。この通知はすぐに理解されましたが、代わりに、教材を生徒と共有する方法を知りたいというリクエストが寄せられました。

この要望に応えたのが OneNote Class Notebook です。OneNote Class Notebook があれば、教師は簡単に生徒 1 人ひとりの個人用ワークスペース、資料を配布するためのコンテンツ ライブラリ、授業やクリエイティブな活動のための共同作業用スペースを 1 つのノートブックの中に設定できます。また、簡単に生徒を追加できる共有ノートブックを、生徒の多様性に応じた指導、コンテンツ配信、デジタルな共同作業の場所として利用できます。

こうすれば、教師が管理する各授業専用の OneNote Class Notebook に、各教科の教材が置かれている共有ノートブックのページやタブ全体を一瞬でコピーするといった使い方が可能になります。教師は、授業や生徒個人のニーズに合わせ、共有の教材に対して Class Notebook 上で細かな変更を加えられます。また、あらゆる生徒に教材を利用してもらうという当校の重要なテーマも、Learning Tools for OneNote というすばらしい OneNote アドインによって実現されます。2016 年の最も優れた失読症向けアプリ (英語) と評されたこのアドインでは、あらゆるユーザーに対する OneNote のアクセシビリティを高めることができます。

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授業で Class Notebook を使うようになると、教師が板書した内容が授業の終わりに黒板から消されるのではなく、1 つの場所に永続的に保管されることになります。生徒は見直したい内容があればそこを参照し、課題もそこに保管できます。教師は、インク機能や録音による口頭のフィードバックを課題に追加することも可能です。

それ以上の機能が必要な場合は、OneNote Class Notebook の OneNote 2016 向け最新アドインを適用すれば、Class Notebook をさらに容易に管理できます。これは、Class Notebook の利用を効率化して時間を節約できる、デスクトップ版 OneNote 向けの新しい無料アドインで、ページとセクションの配布機能や、生徒の学習成果をすばやくチェックをできるツールなどが含まれています。

私たちは Class Notebook をいくつかの授業に導入して試しましたが、狙いどおりの効果が得られ、これしかないという確信を得られました。まさに画期的だと思ったのは、Class Notebook を表示した状態の Surface デバイスを Microsoft ワイヤレス ディスプレイ アダプターでワイヤレス接続して、自分のメモやコメントをそのままプロジェクターに映しながら授業を進めるという使い方です。生徒全員から見える場所に立ち、黒板に内容を書き連ねるのではなく、生徒に混ざって座りながら、必要なことは Surface のインク機能で追加できます。何よりもすばらしいのは、これらのツールによって生徒が学習に集中できるようになることです。もちろん生徒もそれぞれの席でインク機能を使うことができます。

教師 107 人と生徒 1,600 人に Class Notebook を整備する難しさは容易に想像がつきます。そんな当校が待ち望んでいるのが Microsoft School Data Sync (英語)Microsoft Classroom (英語) の正式公開です。Microsoft Classroom では、授業ごとに用意される OneNote Class Notebook を使って、教師が課題を作成してその提出期限を設定し、Outlook の予定表のイベントやリマインダーと連動させることができます。情報管理システムとの連携の自動化を支援する School Data Sync では、CSV ファイルをエクスポートするだけで自動的に授業を準備できるため、準備作業に時間を取られることがなくなります。これらの機能が正式公開され、Class Notebook 導入による負担が軽減されることを今から期待しています。

これまでの取り組みは決して容易なものではありませんでしたが、当校の校長である Mike Tate (英語) は、これが最終的に何を目指しているのかが最初からわかっていました。校長が繰り返し私たちに伝えていたのは、大切なことはテクノロジではなく、テクノロジを利用して何ができるかであり、この取り組みに教職員を引き込めなければ生徒たちに新しい可能性を提示することはできないということでした。そのため、導入計画では教師向けのトレーニングも非常に重視されました。当校では、Surface Pro 4 上での OneNote の利用について MIE マスター トレーナーの Jennifer King (英語) 氏および Microsoft Surface ビジネス開発マネージャーの George Isherwood 氏と密度の高い刺激的な打ち合わせを重ね、モチベーションを最大限に高めてスタートを切ることができました。さらに重要だったのは継続的なトレーニングとサポートでした。この点については、当校の ICT チームに加えて Paul Watkins (英語) 氏を始めとする MIE のエキスパートが 4 つの学校に派遣され、さらにニース ポート タルボット州区の教育委員会からサポートを得ることができました。予想外にうまくいったこともあります。たとえば、OneNote のオンライン バージョンを使うことによって、Surface が納品されていないうちからトレーニングを実施することができました。その他、Microsoft Educator Community (英語) は本当に活用させてもらいました。このコミュニティには、OneNote などの Office 365 の各種ツールを利用する教師のための数百時間分ものトレーニング資料が公開されており、当校の教師全員が登録しています。Twitter コミュニティも重要なサポート源でした。特に #MIEExpert のコミュニティと OneNote チームからは、質問を投げるとすぐに有益な回答が返ってきました。

こうしたサポートのおかげで、私たち教職員の働き方を OneNote を軸に大きく変えるという目標がぶれることなく達成されました。しかも開校前にです。OneNote があれば、共同作業も、授業計画書の作成も、教材の一元管理も可能です。最も大きかったのは、強力なコラボレーションとコミュニケーションを基盤とした意識改革が実現したことです。このことは今後、教育と学習の質の向上にも確実に影響するでしょう。これほどの共同作業をたった 1 つのツールで実現する OneNote は、今や教職員にとってなくてはならない存在です。当校の経営陣は既に、当校のすべての活動を OneNote Staff Notebook で管理する、OneNote の新しい使い方を検討し始めています。さらに私たちは、SwayMix、Skype といったその他のマイクロソフト製ツールとの連携による、カリキュラム実施のまったく新しいアプローチの開発に着手しています。当校の内部で、あるいは外部を含めた枠組みの中で、これらのツールをどのように活用できるか、いろいろなことがわかり始めています。

昨年の OneNote の取り組みは、このように大きな成果を挙げることができました。しかし私たちがさらに大きな期待を抱いているのは、その先にある未来です。「OneNote の取り組み」という言葉を使わなくなり、同じ取り組みを「教育と学習のための取り組み」として実践していくようになったとき、私たちは未来を迎えたと言えるのでしょう。皆さんも私たちと同じ感動を体験することができます。OneNote、Office グループ、OneNote Class Notebook、さらにその他の Office 365 ツールは、対象となる教育機関であればすべて無料で提供されます。もはや使わない理由が見当たらない、そう思いませんか。

開校まで 6 か月を切りました。当校の最新ニュースもチェックしていただければ幸いです。

—Stewart Davies

 

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