OneNote Class Notebook を e ポートフォリオとして活用


(この記事は 2016 年 4 月 20 日に Office Blogs に投稿された記事 OneNote Class Notebook as an e-Portfolio の翻訳です。最新情報については、翻訳元の記事をご参照ください。)

 

今回は、リトアニアのカウナス カジス グリニウス プロギムナジウムで ELS 教師兼 ICT コーディネーターを務める Edita Rabizaite 氏による寄稿記事をご紹介します。

2012 年から、私は生徒、教師、保護者と共にポートフォリオを学習に活用する取り組みを進めてきました。数年前に OneNote を採用し、生徒と教師が使用するポートフォリオを作成しました。当時、私は生徒と教師にとって理解しやすいシンプルなソリューションを探していました。OneNote は、デジタル ノートブックのようで生徒や教師にとって親しみやすく、ポートフォリオに最適なツールで、使い方の習得も簡単でした。ポートフォリオに使用される多くのツールは、教師にとっては技術的に理解しづらく、生徒にとっては自分のすべての学習成果を 1 か所にまとめ、整理しておくことが困難でした。しかし OneNote を使用すると、クラスの生徒全員と教師が 1 つの場所でつながることのできる授業用のポートフォリオを作成できました。今では考えられないことですが、2014 年当時は OneDrive にフォルダーを用意して、クラスの各生徒用に OneNote ファイルを 24 個作成し、Word Online で生徒の氏名とポートフォリオへのリンクを一覧表にまとめ、そのクラスの授業を受け持つ複数の教師と生徒で作成した Word ドキュメントを共有していました。こうした数年間の取り組みの結果、ポートフォリオの手法は生徒の学習、創造力、やる気に良い影響を与えることが明らかになりました。生徒たちは、好んで自分の学習成果を昨年度と比較し、この 1 年でどれだけの知識を身に付けてきたかを確認しています。

OneNote Class Notebook は使いやすく、数回のクリック操作で自動的に OneNote の構造を準備できるため、生徒用のポートフォリオを簡単に作成できます。

「OneNote Class Notebook とは何ですか」とたずねられたら「クラスの生徒と教師をつないでバーチャルな学習コミュニティを形成するデジタル空間です」と答えます。

2015 年には、自律的学習能力と 21 世紀のスキルを育むために、OneNote Class Notebook で 5 年生用の e ポートフォリオを作成するようになりました。教師から成る推進グループと共に、さまざまな指導シナリオを試験的に実施し、結果をリトアニアの 35 の学校に公開しました。各生徒のポートフォリオを最低 4 年間利用することを 1 つの目標としていたため、あらゆる資料を見つけやすいように整理して長期的に保存することに重点を置きました。また、生徒が卒業した後に、保存されたものを取り出せることも重要でした。

ここからは、e ポートフォリオの主要な要素をご紹介しながら、それを実現するうえで OneNote Class Notebook が技術的なツールとしてどのように役に立ったかをご説明します。Class Notebook の共同作業用スペースは、保存場所であると同時に、アイデアの共有、話し合い、創作、考察、情報交換など、同じクラスの生徒が一緒に学習を進めるためのワークスペースとして機能します。各生徒のノートブックは、授業の課題、ノート、記録、評価を保存するために使用します。共同作業用スペースでは、生徒は共に学び、各自が学んだことについて互いにフィードバックを行います。コンテンツ ライブラリは保管庫の役割を担い、教師がその Class Notebook で配布したあらゆる資料が数年間にわたって保存されます。生徒のノートブックは次のような役割を果たします。

  • 学習記録、生徒 1 人ひとりの学習計画、他の生徒、教師、保護者からのフィードバックの保存場所
  • 各生徒の作業、学習日記、原稿を作成するためのワークスペース
  • 優れた学習成果の展示場所

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OneNote Class Notebook が e ポートフォリオとして成り立つには、次の 6 つの条件を満たす必要があります。

  1. デジタルであること
  2. 学習記録を含んでいること
  3. コンテンツが構造化されていること、学習過程での生徒の考察を記録していること
  4. 作成者としての生徒の意志を尊重し、ポートフォリオのコンテンツを公開するかどうかを自ら決定できること
  5. 生徒の考察を確認できること
  6. 生徒の学習成果を展示すること

課題に取り組んで何回でも変更できること、最も優れた学習の成果を選択して e ポートフォリオに保存できること、学習の記録や成果として共有できることが求められます。技術的なツールによってのみ実現可能な要素もあれば、教育手法に組み込み、学習計画を作成する際に教師が考慮する必要がある要素もあります。

OneNote-Class-Notebook-as-an-e-Portfolio-2e ポートフォリオの 6 つの要素

カウナス カジス グリニウス プロギムナジウムでは、学習における責任の一部を教師から生徒に転換する方法を見出しています。その実践として、e ポートフォリオを使用する以外に、生徒 1 人ひとりに合わせた学習機会を用意し、自律的学習能力の向上を図っています。

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自律的学習能力について掘り下げてみると、あらゆる授業または学習期間において、この能力は 3 つに分類できることがわかります。

  1. 学習計画
  2. 学習方法
  3. 実践

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このモデルに従って、OneNote でページ テンプレートを作成して保存し、各生徒が学習計画テンプレートとしてカスタマイズして使用できるようにしています。教師は構成を維持したまま、担当科目の授業で必要となる機能を追加します。生徒はテンプレートを基に自分の学習計画を立てます。上の図は、学習計画テンプレートの構成を示したものです。教師と生徒は学習の期間、目標、学習方法、達成条件について話し合ったうえで、学習計画を完成させます。

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生徒は自分の学習目標 (20 個の単語を覚えるなど) を立て、自己評価の基準をどのように設定するかを決めます。教師が生徒のノートブックに学習計画テンプレートを配布したら、生徒は自分の習熟度や学習能力に合わせて自分だけの学習計画を完成させます。

このように、各生徒が学習の目標、達成条件、自己評価基準 (下図参照) を設定することで、自分に合った学習計画を立てることができます。

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学習計画には、学習期間の途中で何度か修正を加えます。生徒は自分で評価するほかに、他の生徒や教師からのフィードバックを受けることができるため、問題が生じた場合にも簡単に把握できます。つまずいている箇所を話し合い、学習計画に修正を加えることで、確実な学習目標の達成を見込めます。教師が Excel で作成した自己評価シートのテンプレート (下図参照) は、生徒が数回使用します。このシートに生徒が入力したデータは、OneNote の学習計画ページに保存されます。生徒は教師に確認してもらうためにアップロードし、学習計画の達成条件を満たすまで、繰り返し修正して教師に再提出することができます。

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当校では、OneNote Class Notebook の e ポートフォリオをどのように構成するかについて議論を尽くし、作成しては破棄するということを 3 度も繰り返しました。授業用ポートフォリオの構成を計画する際は、長期間の使用を想定する必要があります。4 年以上使用した後でも、ノート内の移動のしやすさ、資料の見つけやすさを維持し、さらなる学習と学習記録の保存に必要なあらゆるセクションを保持している必要があります。有効なソリューションをいくつかご紹介しましょう。

生徒の Class Notebook に 2 つのセクションを用意します (下図の Option 3 を参照)。1 つは、重要なリソースを追加するための「My library」、もう 1 つは、優れた学習成果を展示するための「My best works」です。さらに、科目ごとのセクション グループを作成します。こうすることで、各科目の教師は単純なセクションよりも多くのスペースを使用できるようになり、生徒にとっても使い勝手が良くなります。

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また、ページをすばやく移動できるように、年度と授業のテーマをページ タイトルにしました。たとえば、「2015 GR. Tenses」の場合、2015 年度の文法の授業でテーマは時制であることを示します。

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上記の学習計画は、授業用 e ポートフォリオを整理された状態に維持するうえでも有効です。生徒の学習段階ごとの進捗状況を簡単に追跡できるほか、OneNote のページはメールで簡単に送信できるため、保護者への通知も容易に行うことができます。

—Edita Rabizaite

 

※ 本情報の内容(添付文書、リンク先などを含む)は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。

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