(この記事は 2014 年 10 月 8 日に Office Blogs に投稿された記事 Garage Series for Office 365: Delivering custom Office experiences with Azure RemoteApp の翻訳です。最新情報については、翻訳元の記事をご参照ください。)
今回は、Jeremy Chapman と Azure チームの Klaas Langhout が、RemoteApp を使用して Office デスクトップのエクスペリエンスを配信する場合のメリットとデメリットについて検証します。このビデオでは両名がネイティブ アプリケーションとリモート デスクトップ アーキテクチャのユーザー エクスペリエンスを比較し、その後 Klaas Langhout が、実行中の Office で Azure RemoteApp 環境を短時間でセットアップできることを実演します。
前々回は Sway の概要 (英語) についてご説明しました。今週は我々の IT 専門家としての原点に戻り、多くの方々が「クラウド」と「デスクトップ ソフトウェア」という言葉を聞いたときに自然に思い浮かべると思われる、リモート デスクトップ サービス (RDS、5 年以上前にはターミナル サービスと呼ばれていました) について取り上げます。ネイティブな Office エクスペリエンスは、ローミング設定を使用できる最も一般的なモバイル用プラットフォームおよびデスクトップ用プラットフォームに合わせて最適化されており、Office 365、SharePoint、および OneDrive で作業中のファイルなどを配信する場合に適しています。しかし、下記のような理由により Office を RDS で使用することも珍しくありません。
- 既に RDS 環境が存在する
- Office と統合されたさまざまなアプリケーションを配信する必要がある
- クライアント デバイスにデータを置かないようにする必要がある
- 特殊なケースで、ホストされているデスクトップに非常に近い場所にデータを保持する必要がある
もちろん、Office をリモート ホストのデスクトップで使用すると、一般に下記のようなデメリットがあります。
- モバイル デバイスにデスクトップ アプリを配信する場合、各デバイス向けに設計されたネイティブな Office アプリと比較して、ユーザー エクスペリエンスの品質が低下する
- 永続的で強固なネットワーク接続が必要で、オフラインでは使用できない
- デスクトップをホストするために必要なインフラストラクチャのセットアップと管理が困難な場合がある
上記の点はあらゆるリモート デスクトップ環境に共通することですが、最後の点に限っては、新しい Azure RemoteApp 機能により RemoteApp 環境の面倒なセットアップや管理が不要になりました。RemoteApp は完全なリモート デスクトップとは異なりますが、アプリケーションのウィンドウのみをデバイスに配信するため、ユーザーからはネイティブ アプリケーションのように見えます。Azure RemoteApp (英語) は現在プレビューとして提供中で、そのテンプレート アプリケーションのリストに Office も含まれているため、簡単にセットアップして実行することができます。さらに、Office 365 ProPlus の共有コンピューター ライセンス認証 (英語) を Azure RemoteApp と併用することも可能です。共有コンピューター ライセンス認証は 9 月 1 日からご利用いただけるようになっています。Office 365 ProPlus およびお客様の基幹業務アプリケーションを格納した独自の仮想ハード ディスク (VHD) をカスタマイズし Azure にアップロードすると、幅広い統合型アプリケーションを RemoteApp から多数のデバイス プラットフォームに配信できます。
ここまで説明した機能は、Klaas Langhout が行う Azure RemoteApp のセットアップのデモの中ですべて実際にご覧いただけます。このほかに、Visio やその他の Office スイートを Microsoft リモート デスクトップ アプリケーション経由で iPad で使用するようすもご紹介しています。
このビデオについてのご意見やその他のご要望がありましたら、お気軽にお聞かせください。また、現在 PowerShell に関する 2 本のビデオを作成中で、近日中に皆様にお届けできる予定です。Office 365 ガレージ シリーズは、今月末に開催される TechEd Barcelona でのライブ ショーを予定しています。参加予定の皆様はぜひお立ち寄りください。
次回をお楽しみに。
Jeremy Chapman
参考情報
Azure RemoteApp プレビューへのサインアップ (英語)
ガレージ シリーズ第 1 期のブログ記事のアーカイブ (英語)
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ガレージ シリーズの司会者について
Jeremy Chapman はマイクロソフトの社員で、今後の Office のクライアントおよびサービス配信の最適化を担当するシニア開発リードを務めています。Chapman はアプリケーションの互換性、およびデプロイ自動化ツールとインフラストラクチャの参照アーキテクチャの構築に携わってきており、こうした経験が、最新のクイック実行インストールなど、Office の新しいエンタープライズ機能における優先順位決定の基礎となっています。プライベートでは、自動車改造マニアであると同時に、さまざまな言語に通じています。Klaas Langhout はデスクトップの仮想化について造詣が深く、リモート デスクトップ仮想化チームの主任プログラム マネージャーを務めています。過去には、マイクロソフトではディレクトリ サービスを担当した実績があり、マイクロソフトへの移籍前は金融サービスの IT 管理に携わっていました。