Word 2013 のお知らせ


7 月 30 日 Posted by Word Team

この記事では、Word チームのシニアリード プログラム マネージャー、Tristan Davis Word 2013 をご紹介します。

先日、Office のカスタマー プレビュー版が公開されました。これを機に、今後しばらくは Word 2013 関連の記事を投稿することにします。今回はその第一弾として、Word 2013 の概要とその開発哲学をユーザーの皆さんにご紹介します。

  

新しい Office

新しい Office は、皆さんにご愛用いただいてきた Officeの画期的なアップデートです。私たち開発チームはその労力を結集し、Office に次のような特長を持たせることに成功しました。

  • クラウドとの連携。ユーザーはどこにいてもコンテンツやアプリを利用できる。
  • Windows 8 向けの 新しいユーザーインターフェースを採用した操作感。初めて使用する方でも、誰でも気楽に使用できる。
  • キーボード/マウス、ペン/タッチの両方に対応。特定のデバイスに依存することなく、高い生産性を期待できる。

Office 全体を対象とした上記の方針は、Word 2013 にも反映されています。各アプリのアップデートについて私たちが何より重視したのは、他のアプリと共通の快適なユーザー エクスペリエンスをユーザーの皆さんに提供することです。

 

Word 2013 とは

Word 2013 の開発哲学は次のようなシンプルなものでした。

  1. Office のすべてのアプリに共通する一連のシナリオ (上記に説明) を想定し、その実現に労力を集中する。
  2. 新機能を追加することより、既存のユーザー エクスペリエンス/シナリオに磨きをかけることを重視し、ユーザーの日常体験をより良いものにする。

プレビュー版に見られる変更点は、この 2 つの方針に沿って開発チームが実行したすべての作業の成果であり、ユーザーの皆さんにも日々の作業でそれらを目にし、体感していただけるものと確信しています。

この方針の下、Word 2013 の開発で何に労力を投入すべきかを検討した結果、次の 5 つが優先項目として浮かび上がり、構想から実装に至る全工程の道しるべとなりました。

  • 基本的なユーザー エクスペリエンスに磨きをかける
  • Windows 8 上で最大のパフォーマンスを発揮する
  • クラウドとの統合を実現する
  • コラボレーションの壁を取り払う
  • デジタル 作業を快適にする

 

基本的なユーザー エクスペリエンスに磨きをかける

ユーザーの皆さんに日々ご使用いただいている Word の既存機能を強化し、その作業効率を向上させるのは、単に新機能を追加するより大きな労力を必要とします。そこで私たちはじっくり時間をかけて、ユーザーがどこでつまずいているのか、デザインのどこに問題があるのかを理解し、基本的エクスペリエンスを最適化しました。以下に機能の強化内容の一部をご紹介します。

  • 写真の操作
    • ライブ レイアウト - ドキュメント内で写真の移動/サイズ変更/回転を実行すると、その操作と連動して写真の位置が変わっていくので、意図した場所に一回で配置することができます。
    • 配置ガイド - オブジェクトを目的の場所に正確に配置することができるよう、画面にガイドが表示されます。このガイドを使用すると、写真や図を表示領域の右上隅、ページ中央などに移動して位置を確定することが簡単にできます。

 

    • レイアウトのオプション - 画像/グラフ/SmartArt をクリックすると、その右上にボタンが表示され、コンテキスト内で文字列の折り返しを指定することができます。

  • 表の操作
    • 行/列の 1 クリック挿入 - 表の最も基本的な操作は行を追加することです。そこで今回、コンテキスト内で行を追加できる機能を実装しました。追加先の行の先頭にマウス カーソルを移動し、表示されたボタンをクリックすることで、行を追加できます。

    • 改良された罫線ツール - 表の罫線を設定するという作業のわずらわしさを解消してくれるのが [罫線のペイント] です。任意の書式を選択してマウスで罫線に直接適用することができます。
    • 新しい表のスタイル - 表の既定スタイルも一新されています。ドキュメントによく調和するスタイルの選択肢の幅が広がり、どんな種類の情報もクリアに表現することができます。 
  • ヘッダーとフッターの操作
    • 文書情報 - ヘッダーとフッターに関する皆さんのフィードバックを拝見した結果、ヘッダーやフッターに追加したい情報があるのに、それらには簡単にアクセスできないという問題があることがわかりました。[文書情報] ボタンを使用すると、リストからこれらの情報を 1 クリックで追加することができます。

  • テーマとスタイルの操作
    • [デザイン] タブ – 文書の見た目を洗練された説得力あるものに仕上げるまでには多くの時間がかかります。[デザイン] タブには、見栄えのする文書を作成するために必要なすべてのツールがまとめられています。これらを使用すると、独創的で美しい文書を簡単に作成することができます。

    • 新しいテキスト スタイル - Word の既定のテキスト スタイルも一新され、鮮明かつモダンでフレッシュな見栄えのする見出しのセットが追加されています。 
  • 文書のレイアウト – 上記の改良点に加えて Word の基本的なレイアウト エンジンも強化されています。その効果のほどは見てすぐにわかるものではありませんが、複雑なレイアウトでも思いのままに正確に実現できることで実感できるはずです。

 

Windows 8 上で最大のパフォーマンスを発揮する

Word 2013 は Windows 8 搭載機上で最大のパフォーマンスを発揮します。しかも、デスクトップ、ノートブック、タブレットそれぞれについてニーズを想定し、エクスペリエンスを最適化しています。

  • タッチ操作への対応 – タブレット上の Word でタッチ操作を行う場合、リボンが大きくなってコマンドをタップしやすくなります。また、選択時にハンドルが表示されて変更しやすくなります。そして、そのオブジェクトについてよく使用するコマンドが集められたミニバーが (文字どおり指先に) 表示されます。

  • 手描き入力 – ペンを使用すると、本文、余白、コメントのいずれにも簡単に手描き入力できます。
  • Windows RT に同梱 – Word 2013 は ARM ベースの Windows 8 搭載機に最適化されてきましたが、Windows RT 搭載機にも同梱される予定です。

 

クラウドとの統合を実現する

ユーザーがより多くのデバイスを使用するようになってきている現在、開発チームが目標としたのは、どこでも、どのデバイスにも Word のエクスペリエンスを持ち運べるようにするということでした。そして、クラウドとの連携を通じて、Word のデータも、文書も、そして Word 自体でさえも、デバイスからデバイスへと移動させることができます。

  • SkyDrive への保存 – Word 2013 では、すべてのファイルを既定でクラウドに簡単に保存できるため、どこからでも目的のファイルにアクセスできます。また、ファイルは常にキャッシュにも格納されるので、インターネットに接続できない場所からでもアクセス可能です。
  • MRU のローミング – Word 2013 にサインインすると、クラウドで最近開いた文書のリスト (MRU) が格納されるため、ノートブックからデスクトップに切り替えたとしても再びファイルを探す必要はありません。MRU からアクセスすることができます。また、あるマシンで特定のファイルを MRU にピン留めすると、そのファイルは他のどのマシンでも MRU にピン留めされます。
  • 位置の記録 – Word ファイルでは、ユーザーが現在どのページを読んでいるかが自動的に記録され、このデジタル ブックマークはクラウドにも格納されます。そのため、バス通勤中に Word ファイルを読んでいて会社に到着後、デスクトップにログインしてそのファイルを開くと、前回閉じたときのページに自動的に移動します。

  • Office アプリ – Office の拡張モデルも Web 標準ベースの新しい拡張モデル (JavaScript でページの動作をプログラミング、HTML/CSS で表示体裁を指定) と共にクラウドに移行され、クラウドを通じて展開されます (VBA もクラウドに置かれます)。この新しいモデルにより、Word 文書向けの強力な Web ソリューションを構築することができます。詳細については Brian Jones のブログを参照してください。

 

コラボレーションの壁を取り払う

上記にも説明したとおり、近頃はほとんどのユーザーが複数のデバイスを使用していて、複数のユーザーが同じプロジェクトに関与するというコラボレーションの中で大きな成果が上げられています。これを可能にするのが Word 操作の重要部分であるとの認識の下、私たち開発チームは文書作成のシームレスなコラボレーションに役立つツールのセットを追加しました。

  • 共有をより簡単に – 文書をバックステージで共有すると、その文書に各ユーザーが個別にアクセスし、共同作業を行うことが簡単にできます。共有にあたっては、誰と共有するのか、そしてその共有相手にどのような権限を与えるのかを決定します。たとえば、編集を許可するのか、閲覧のみを許可するのか、他のユーザーとの再共有を許可するのかなどです。

  • シンプルな変更履歴 – 複数の人物が同じ文書で作業するときは通常、変更履歴を記録して「誰が何をいつ変更したか」が全員にわかるようにします。その結果、個々の変更履歴が入り乱れ、その文書は読みづらく、現状がどうなっているのかを理解することが困難になります。この場合、変更箇所の表示方法を [シンプルな変更履歴] にすると、左余白部に赤い縦棒が表示され、詳細な変更履歴が非表示になります。そして、この縦棒をクリックすることで詳細の表示/非表示を切り替えられます。たとえば、次のように詳細を表示した状態では変更内容をいちいち確認する必要がありますが、


詳細を非表示にすると、ご覧のように変更履歴が非表示になり、その文書の最終的な状態がすっきりと表示されます。

  • コメントへの回答 / コメントを完了としてマーク – コメントは、複数の人物で同じ作業を編集する場合の強力なコミュニケーション ツールですが、今回はさらに皆さんからの要望にお応えして 2 つの機能を追加しました。その 1 つはコメントに回答できるようにしたこと、もう 1 つはコメントを完了したものとしてマークできるようにしたことです。そのおかげで、コメントに対処したことを示すためにコメントを削除するというわずらわしさから解放されます。

  • 変更記録のロック – 作業中、誰かが誤って変更履歴の記録をオフにすると、変更が記録されなくなります。このような事態を回避するため、変更履歴の記録のオン状態をパスワードで保護できるようにしました。
  • People Everywhere – コメントには、コメント主の名前の他に People に関連付けられている写真が表示されるようになりました。この写真の上にマウス カーソルを置くと Word から抜け出ることなく、電話、インスタント メッセージ、電子メールでコメント主に連絡を取ることができます。

デジタル 作業を快適にする

Word を使用している時間の 2/3 近くは編集作業なしの、文書を閲覧している時間で占められることがわかっており、Word 2013 ではこの閲覧のエクスペリエンスにも改良が加えられています。その目的は、紙と同等の電子版を表示するだけではない快適な環境を実現し、タブレットやノートブック、スマートフォン、さらにはデスクトップ PC の 30 インチ ディスプレイなど、どんな種類のデバイスでもストレスなく閲覧することのできるエクスペリエンスを創出することにありました。

  • 閲覧モード – Word 2013 は、コンテンツ制作とは対極のコンテンツ消費の観点からも最適化され、新しい閲覧モードが実装されています。この閲覧モードには、閲覧効率を徹底的に向上させるためのさまざまな機能があります。
    • 段組レイアウト - 紙ベースのレイアウトの長所 (短所でもある) は、用紙サイズ (レター サイズ、A4 サイズなど) が画面サイズに合っているかどうかに関わらず、どのページも常に同じサイズでレイアウトが崩れないという点にあります。そして、往々にして用紙サイズと画面サイズは合いません。画面に合うテキスト サイズは小さすぎる。読書に快適なテキスト サイズにすれば今度はページが画面に収まらず、読書の時間は画面のスクロールで終始する。私たちはそんな光景を嫌というほど見てきました。閲覧モードの段組レイアウトでは、閲覧に使用するデバイス画面の制約に応じてテキストがリフローされるため、7 インチ画面でも 24 インチ画面と同様の快適さで読み進めることができます。1 つの段組が画面サイズに調整され、右にスクロールすると次の段組のテキストが表示されます。

    • オブジェクトのズーム – 文書の手コンテンツがリフローされると、画像、グラフ、表も段組サイズに合わせてサイズが変更されます。これは多くの場合、これらのオブジェクトが本来のサイズから縮小されるということを意味します。しかし、これらのオブジェクトに多くの情報が凝縮されている場合、縮小されると視認性が大きく低下することがあります。そこで、ダブルクリックまたはダブルタップでオブジェクトに簡単にズームインし、画面の最前面中央でそのオブジェクトの本来のサイズで細部を見ることができるようになっています。

    • 定義/翻訳 - コンテンツを閲覧していると、関連情報 (知らない言葉の意味、ある概念の背景情報など) を検索して参照したくなることがよくありますが、これでは円滑な理解が阻害されます。閲覧モードには、コンテキストから離れることなくこれらの情報にアクセスできるツールが用意されています。

  • Web 動画 – 日々、多くのコンテンツがデジタル媒体で閲覧されるようになり、文書中にかつては存在し得なかった動画などのコンテンツを埋め込むこともできるようになっています。Word 2013 では、文書に YouTube などの Web 動画ソースから動画を直接埋め込んで、その文書自体のコンテンツの中で動画を再生させることができます。

  • ナビゲーション ウィンドウの機能強化 – Word でコンテンツを閲覧中にナビゲーション ウィンドウを多用しているユーザーが多いことから、今回はナビゲーション ウィンドウについても変更が加えられています。私が個人的に気に入っているのは、閲覧中にナビゲーション ウィンドウの情報が更新され、いま自分が文書内のどこにいるかがわかるという機能です。閲覧中のページにカーソルを置いている必要はありません。読み進むにつれて、文書全体のコンテキストにおける現在地点も更新されていきます。

 

その他

Word 2013 関連の話をしていると、生みの親として感慨深いものがあります。今回のアップデート作業には多大な労力を費やしたからです。。どうぞご期待ください。

この記事を締めくくる前に、Word 2013 についてもう 2 点、触れておかなければならい重要な機能があります。

  • その 1 つが、PDF ファイルを Word にインポートできる PDF リフロー機能です。これに関しては実に多くのユーザーの皆さんからご要望いただいていたので、ようやく実装にこぎつけたことをうれしく思います。この機能を使用すると、PDF ファイルを Word 文書に変換してそのコンテンツを分析し、見出し、記号/連番付きの箇条書き、表、脚注、その他すべてを編集可能な状態に戻すことができます。

    お断りしておきますが、これは Word を PDF ビューアー化する機能ではありません。Windows 8 Reader アプリのような再現度の高い PDF ビューアーよりも、私たちが目指したのは、レイアウトの再現度が多少下がったとしても PDF ファイルを Word ファイルと同様に扱える編集可能な状態に戻すことです。

  • 上記のさまざまな機能強化に加えて、開発チームはユーザーの皆さんにご報告いただいている既知の問題の解決にも多くの時間を費やしました。その他、常にアプリケーションの安定性の向上に取り組んでいることをご理解ください。対応できずに残っているバグもあるかもしれませんが、私たちはアップデートのたびに洗練性の度合いを高めることができるよう、努力しています。

今回はこれで筆を置くことにします。ぜひともOffice カスタマー プレビュー版をダウンロードしてご使用の上、感想をお聞かせください。このブログ記事に対するコメントでも、アプリケーション右上隅のフィードバックアイコン (笑顔マーク) をクリックして感想をご記入いただいてもかまいません。皆さんのご意見をお待ちしています。
- Tristan

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