インテリジェントなツールを求める人々に応える AI


[ブログ投稿日:2017年12月13日]

Posted by:アリソン リン (Allison Linn)

サンフランシスコで開催されたイベントでマイクロソフトのAI分野の技術開発を紹介したジョーディ リバス(左)とクリスティーナ ベア(右)(写真:ダン デロン (Dan DeLong))

 

インターネットの初期の時代を思い返してみましょう。おそらく、ウェブサイト、住所、電話番号などの特定の情報を見つけるために、あたかも電話帳のように検索エンジンを使っていたのでないでしょうか?

それ以来、テクノロジは大きく進化し、私たちのテクノロジに対する期待も大きく変化しています。今では、人々はよりインテリジェントな答えを求めています。たとえば、やろうとしているフィットネスプログラムの良し悪しについて知りたいかもしれませんし、最新のマーベルコミックスの映画が観るに値するのかを知りたいかもしれません。「お腹が空いた」という漠然な要求だけでお気に入りの検索ツールを使いたいこともあるでしょう。

人々がそのようなリクエストを行う時は、単にウェブサイトのリストを必要としているのではありません。たとえば、旅行先の町にあるおすすめのレストランなどを知りたいと思っているのかもしれません。あるいは、ひとつの話題に関する多くの視点を得るための多様な答えを求めているのかもしれません。どういう質問をすれば最適なのかを知るための助けを必要としている可能性すらあります。

水曜日にサンフランシスコで開催されたマイクロソフトのイベントで、マイクロソフト経営陣は、AI(人工知能)を使って微妙な情報や複雑な要求について人々を支援する検索エンジン Bing、インテリジェントアシスタントCortana、そして、プロダクティビティツール Office 365 における多くの技術的進化について発表しました。

これらの製品やサービスは、マイクロソフトが今まで行なってきた製品ライン全般にAIを統合するという取り組みの成果であり、エンジニアやコンピューターサイエンティストが情報の分類以外の分野でも AI を使って人々を支援しようとしていることの最新の例です。

「情報を見つけるという点で AI は大きな進化を達成しましたが、その情報を理解させることが真の課題です」とマイクロソフトの Artificial Intelligence and Research グループのパートナーデザインアンドプランニング担当プログラムマネージャーのクリスティーナ ベア (Kristina Behr) は述べています。

マイクロソフトのAI製品を統括するコーポレートバイスプレジデントのジョーディ リバス (Jordi Ribas) は、AIと聞くと人々はロボットや自動運転車を思い浮かべることが多いと言います。多くの人々が気づいていないのは、人々が毎日使用する検索エンジンや Office 365 などの製品でも、AIが日々の生活に明らかに有用な影響をもたらしているという点です。

「長年にわたり AI の社会への統合が進んできました。人々が長い間 AI を使ってきたためそれに気づかないこともあります」とリバスは述べます。

サンフランシスコのイベントで、マイクロソフトは、より充実した、有効性の高い情報を人々に提供することを目指したインテリジェントサーチにおける AIの最新成果を紹介しました。

これらの成果としては、写真の中にある情報を発見する支援を行うコンピュータービジョンと物体認識技術、機械学習を使ってコンテンツを読み、たとえば、いとこは家族の一員なのかと言った概念を理解するマシンリーディングなどがあります。

また、情報の見つけ方がよくわからない場合でもユーザーが情報を得られるようにするシステムの開発も進んでいます。たとえば、新しいデバイスの Bluetooth をオンにしたいとしましょう。新しいシステムは、ユーザーに対してデバイスのタイプや使用しているオペレーティングシステムなどの追加の情報を求めることができます。

Bing におけるもうひとつのAI による新たな技術進化は、主観的になりがちな検索要求に対して複数の視点を提供することを目標にしています。たとえば、Bing に「コレステロールは有害ですか?」と尋ねると、この質問に対する 2 つの異なる視点が示されます。これは、明確に答えが確定しない質問もあるという前提に基づいたマイクロソフトの開発努力の一環です。

リバスは、これらのインテリジェントサーチツールは、情報検索に対する人々の期待を満足させるための Bing における取り組みの一環だと述べます。人々はインターネットに、事実だけではなく、意見や分析も求めるようになっています。Bing はこのニーズに対応すると同時に、例えばアレクサンダー ハミルトンの生年月日と、「ハミルトン」が良いミュージカルか否かなど、ひとつの定まった答えがある事実と、複数の視点がある分析や意見を明確に区別することを目指しています。

「Bing において私たちが目指すものはウェブ全体から最適な結果を提供することです。最も漏れがなく、関連性が高く、信頼できる結果を提供したいと考えています。人々は、数式のように答えがはっきりしたもの以上を求めることがよくあります。このような質問に対する意見を明確化し、バランスの取れた客観的な形式で提供したいと考えています」とリバスは述べます。

この取り組みの一環として、マイクロソフトはソーシャルニュースアグリゲーションサイト Reddit との提携も発表しました。この提携により、Bing の検索結果に、Reddit での会話やコミュニティの視点を含めることができるようになります。

また、Reddit の著名なサービスである AMA (“ask me anything”) の結果も表示する計画も発表されました。Reddit は、バラク オバマ (Barack Obama) やビル ゲイツ (Bill Gates) などで AMA を実施しています。

Reddit の共同創業者、アレクシス オハニアン (Alexis Ohanian) は、Reddit には世界の他の場所では見つけられないユニークなデータが存在すると指摘します。ヒゲの手入れに最適なオイルからグルテンフリーのパンケーキの上手な作り方まであらゆる専門知識が存在します。さらに、投票によって有用な回答を上位に表示するコミュニティのシステムにより、価値のある情報の発見が容易になっています。

Reddit 共同創業者アレクシス オハニアン (写真:ピーター ダシルバ (Peter DaSilva))

 

逆に、マイクロソフトは Redditにはないスキルを持っているとオハニアンは述べます。すなわち、Reddit のデータの定量化と分析を行ない、Bing の検索結果を通じて人々に有用な情報として提供できる能力です。

総合すると、両社は今まではアクセスできなかった専門家のコミュニティによる優れた検索結果を提供できるようになるとオハニアンは考えています。

「複雑で微妙な質問にも対応できるようになりました」とオハニアンは述べます。

情報をどこでも、好きな形で

インターネット検索の過去を再び思い出してみてください。おそらくは、ほとんどの検索を机の上のコンピューターから行なっていたことでしょう。今では、人々はどこにいても情報を求め、手でタイプできない時や、目で画面を読めない時でも情報にアクセスしたいと考えています。

マイクロソフトのパーソナルデジタルアシスタント Cortana の機能の多くはBing 検索エンジンで実現されているため、Bing の進化により、キーボードやディスプレイがない環境でも人々が有用な情報を得るための助けが得られるとベアは述べています。検索結果をサマリーするマシンリーディングや追加質問をしてくれる会話型検索などはこのような環境で価値を発揮します。

これらの技術進化はウェブ検索だけに適用されるのではありません。

サンフランシスコのイベントで、マイクロソフトは、例えば帰宅途中に Cortana がメールを整理して、上司や妻からの重要なメールをサマリーしてくれるというデモを通し、Cortanaの機能紹介を行いました。この機能は、たとえば、個人メールがGmail、仕事のメールがOutlookといった混在環境でも機能します。

また、マイクロソフトは、スキルチェイニングという機能も紹介しました。これは、有用と思われる別のスキルを提案してくれる機能です。たとえば、Cortana を使ってイベントのチケットを予約すると、Cortana はカレンダーにそのイベントの予定を追加するよう提案することができます。

従来型のコンピューター以外のデバイスを使っている人々に対して有用な情報を提供するための最善な方法はまだ明らかではないとベアは指摘します。これが、マイクロソフトが、技術的課題とデザイン上の課題の両方からアプローチしなければならない理由です。
「最終的にどのような姿になるかは現時点ではまったくわかりません」とベアは述べています。

Office 365 の AI

インターネットが広く使われていた時、既にMicrosoft Word はスペルミスや打ち間違いを修正するためのスペルチェッカー機能を備えていました。

今日、人々は基本的スペルチェック以上の目的で Office 365 を使用しています。Word ドキュメントで言い回しを提案してもらったり、PowerPoint で自動的にプレゼンテーションをデザインしてもらったり、Outlook でメールを重要性の順でソートしてもらったりなどです。

Office のマーケティング担当ディレクター ロブ ハワード (Rob Howard) は、顧客が気づいていないかもしれないが、これらの便利な機能の多くは長きにわたりAIが支援してきたと述べます。

「人々に AI を活用してもらうという点で言えば、Office は最も重要な手段のひとつです。人々は AI を効率性向上、文章の品質向上、美しくインパクトがあるプレゼンテーションの作成などのために活用しています」とハワードは述べています。

これらの機能の多くは、スペルミスを修正したり、写真の配置をガイドしたりというちょっとした支援を人々に提供することで、長期的で多大な時間を節約することを目的にしているとハワードは指摘します。しかし、かつては AI 専門家を必要としていたような重要な作業にも AI ツールが適用されるケースも増しています。

水曜日の AI イベントで、マイクロソフトは、Excel の Insights 機能のプレビューを発表しました。この機能はAIの機械学習を活用して、Excel スプレッドシートのデータを分析し、ピボットテーブルや傾向を示すグラフなどの有用な情報を作成します。

「データにはきわめて大きな価値がありますが、その価値はデータから実際に洞察を抽出できてこそ生まれるものです」とハワードは指摘します。

Office 365 への最近の機能追加の多くがマイクロソフトの所有する大量のデータを活用することで実現されています。たとえば、文書を読んでいて知らない略語に出会ったとします。水曜日に開催された AI イベントでマイクロソフトは、Acronyms という新しい Word の機能をリリースする計画を発表しました。この機能は、大量の Office 文書とメールを分析することで、その組織特有の略語の定義を発見できるよう支援します。

Tap for Word という機能では、作業中の文書から離れることなく、関連する文書、スプレッドシート、プレゼンテーションを検索できます。これは、たとえば、数百ものメールや企業ウェブサイトを見ることなく、利益率のグラフをプレゼンテーションに追加できることを意味します。

また、メール内のアクションが必要とされる要素をハイライト表示し、外出中でも迅速に対応するための選択肢を提供するツールのリリース計画も発表しました。

これらの製品やサービスの多くは情報の処理にクラウドを利用しています。また、Office 365 はクラウド上で稼働しているため、ユーザーは定常的に改良された機能を利用することができます。

たとえば、Designer 機能が最初に PowerPoint で提供された時、何枚かの写真を取り込んでレイアウトを作成することができました。現在では、この機能は箇条書きリストを取り込み、ユーザーがアウトライン作成のステップにあることを理解し、これらのステップを強調したプレゼンテーションを作成します。

「クラウドによりマイクロソフトの開発ペースは大いに加速しています。エンドユーザーの皆様に多くの機能をより迅速にお届けできるようになっています」とハワードは述べます。

 

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