女性にとって第 4 次産業革命はリスクか?


Posted by: コーポレートコミュニケーション本部 本部長 岡部 一志

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私たちは、広く第4次産業革命として知られる時代を迎えつつあります。新素材の開発、遺伝子工学のブレークスルー、そして、デジタルトランスフォーメーションが、物理的、生物学的、そしてデジタルの、それぞれの世界の境界をますます曖昧にしていく時代です。

複数の産業が破壊的変化を受ける中で、将来の仕事に必要なスキルを持たない人々はリスクにさらされています。世界経済フォーラムの調査によれば、残念なことに、女性が特にネガティブな影響を受ける可能性が高くなっています。その大きな理由のひとつは、今後5年間に最も高い成長を示すと考えられているSTEM(科学、テクノロジ、エンジニアリング、数学)分野の職業で女性が占める割合が相対的に低いことです。

ダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(社会的包摂)が、重要な競合優位性であることは広く認識されていますが、これは、イノベーションと経済発展を推進する上で女性が中心的役割を果たすきわめて大きな機会があることも意味します。

LinkedIn が発表した 2017 年に最も有望な職業のリストによれば、トップ20の職種すべてにおいてSTEMのスキルが要求されています。しかし、このような機会の存在にもかかわらず、性別のギャップは依然として存在します。世界的に見ると、UNESCO は、科学やテクノロジ分野の研究者のうち女性が占める割合は10人中およそ3人であると推定 (*1) し、LinkedInは、技術系職業で女性が占める割合は10人中およそ2人であると推定 (*2) しています。

 

世界を変えるかもしれないスキルや知識を提供する技術職に、多くの若い女性が増えるのを阻む要因は何でしょうか?最もよく見られる誤解は次の4つです。

誤解その1: STEM 分野の教育が重要なのは高等教育だけである。

実際には、STEM は科学、テクノロジ、エンジニアリング、数学という4つの特定分野を横断して学生が学ぶためのアプローチです。STEM は、個別の科目の教育としてではなく、現実世界での応用に基づいた一貫した教育モデルを統合しています。(*3)

STEM は、基礎教育と就職における基本的スキルであると考えられるようになっていますが、同時に、若い女性に高等教育とより魅力的な職業への機会をひらく役割も果たします。STEMの基礎教育は、コンピューターサイエンス、AI(人口知能)、太陽光エネルギーテクノロジ、そして、ロボット工学などの多様な学位への道をひらきます。(*4) より基本的レベルでは、STEM関連学課での学習は、将来のあらゆる職業で必要とされる批判的思考(クリティカル・シンキング)と問題解決スキルも提供します。

誤解その2: STEM のスキルは STEM 関連の職種においてのみ有用である。

テクノロジ中心の世界では、仕事の大半において、何らかの形で STEM スキルが求められます。世界的にも、企業や組織がビジネスのやり方を変化させています。そのような変化のひとつに、重要な能力を持つ人材の採用があります。つまり、ビジネスを成功させる能力を持った人材を性別にかかわりなく採用しているのです。

 

STEM分野のキャリアを追求する若い女性にとって、そこで得た批判的思考と問題解決のスキルは将来の経済社会で強く求められるものです。実際、世界経済フォーラムは、将来の全業種の職業の3分の1において問題解決スキルが求められるようになると推定しています。斬新な視点、新しいアイデア、そして、複雑な問題解決スキルを備えた女性は重要な変革を推進していくでしょう。

誤解その3: STEM は退屈で創造性が入る余地がない。

Mastercardによる、アジア太平洋地域の12歳から19歳の約1,500 人の女性に対する調査では、84 %は創造性を望ましい特質であると回答した一方、STEM分野の女性は創造性を備えていると関連付けたのは 43 %にとどまりました。(*5)

実際には、創造性と問題解決スキルは STEM 分野でのキャリアの成功に不可欠です。数百万人がWindowsの初期ビルドを通してフィードバックを行なう、マイクロソフトのグローバルなベータプログラム Windows Insider Program のリーダーとして新たに任命されたドナ サーカー (Dona Sarkar)はその典型的な例です。(*6) サーカーは、10年以上前に Windows チームのエンジニアとしてキャリアを開始し、現在の地位に就きました。

サーカーにとって、人々の生活をより豊かにする創造的ソリューションの考案が仕事の中心です。彼女は、テクノロジ、具体的にはオペレーティングシステムがあらゆるものを創造する手段を提供すると考えています。また、サーカーは、世界初の自己完結型ホログラフィックコンピューター Microsoft HoloLens を生み出したチームの一員でもあります。

よくあるケースですが、サーカーはプライベートにおいても、4冊の本を執筆し、ファッションに関するブログを運営し、熱心なファッションデザイナーとしても活躍するなどクリエイティブで多彩な活動を行なっています。コーディングをする時でも、その手でデザインのスケッチをする時でも、創造性は彼女のすべてにおける本質的な部分となっています。

誤解その4: 女性よりも男性の方がSTEM分野で成功する可能性が高い。

残念なことに今日においても、性別に関するステレオタイプな見方は存在します。適切なテクノロジや教育、機会にアクセスできることで、女性はこの認識を変え、未来への新しい道を築くことができます。
約200年にわたり、アダ ラブレイス(Ada Lovelace) や グレース ホッパー (Grace Hopper)をはじめとする 10 人の才能ある女性が、私たちの住む世界の変革に貢献しました。彼女たちが作り上げたテクノロジなしには今日の生活は考えられません。彼女たちは、STEMの領域で大きな成果を上げる上で性別は関係ないことを立証しています。

ダイバーシティの重要性、そして、女性が世界に与える多大な影響の可能性について考える上で、International Women’s Dayほど最適な時はないでしょう。マイクロソフトは、コンピューターサイエンスとテクノロジの領域での支援と機会を提供する取り組みを通じて、#MakeWhatsNextの元、そびえる壁を越えるための、女性たちの勇気と多大な創造力を刺激できることを願っています。

 

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(*1) UNESCO http://www.unesco.org/new/en/natural-sciences/priority-areas/gender-and-science/
(*2) 2016 LinkedIn Workforce Diversity Report https://careers.linkedin.com/diversity-and-inclusion
(*3) http://www.livescience.com/43296-what-is-stem-education.html
(*4) https://www.ice.gov/sites/default/files/documents/Document/2016/stem-list.pdf
(*5) Mastercard による“Girls in Tech”調査 http://newsroom.mastercard.com/asia-pacific/press-releases/parents-are-crucial-influencers-for-girls-pursuing-stem-careers/
(*6) https://news.microsoft.com/stories/people/dona-sarkar.html

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