医療機関におけるパブリッククラウド利活用の幕開け ~ Microsoft Azure の医療機関向け3省4ガイドライン対応によるセキュリティリファレンスの公開 ~


Posted by: 織田 浩義
執行役 常務 パブリックセクター担当

※ 4 月 14 日導入事例部分追記

日本マイクロソフトで、公共・医療・教育機関のお客様を担当している織田です。本日は医療機関の皆様に向けたクラウド事業についてご紹介します。当社では、昨年 7 月より平野社長就任時に「クラウドビジネスを加速し、2 年後に日本法人の売上げの 50% 以上を目指す」ことを目標に掲げています。パブリックセクター部門でも、この方針のもとに、各分野で当社のパブリッククラウドサービスを推進しています。

医療分野でのクラウド事業をご紹介する前に、まず東京大学大学院 医学系研究科 医療経営政策学講座 特任准教授 山本 隆一様のメッセージをご紹介します。
医療におけるクラウド利用の 現状と展望」において、以下のように述べられています。

「医療は情報処理がほとんどの世界で、情報量が圧倒的に増加した現在、情報処理を助ける仕組みとして医療のIT化が不可欠となっています。また 1 人の医師が 1 人の患者の診療を完結できる時代が終わり、多職種が協力・連携しなければ医療が成り立たず、その解消のために IT 化が必要です。そして今、オンプレミスで始まった日本の医療 IT はもはや限界で、自前でシステムを管理せず、ストレージ容量も心配せず、使いたい分を使う、これをサービスとして提供する仕組みであるパブリッククラウドが実用的になり、医療への応用を真剣に考える時期にあります。これによってセキュリティの鍵を任せることができます。」(「医療におけるクラウド利用の 現状と展望」の冒頭分より抜粋)

本日、株式会社三菱総合研究所様および日本ビジネスシステムズ株式会社様より、厚生労働省、経済産業省、総務省の3省が出している 4 つのガイドラインについて、当社のクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」の対応状況を確認・整理した「医療機関向けクラウドサービス対応セキュリティリファレンスの公開」が発表されました。(三菱総合研究所様発表日本ビジネスシステムズ様発表

この発表により、医療機関の皆様が安心してパブリッククラウドを利活用いただく、新しい時代が始まったと感じています。

■ 背景

現在、医療機関においてクラウド利用の必要性が高まっているという背景をご紹介します。

  • 日本政府の成長戦略
    日本政府より「世界最先端 IT 国家創造宣言」が提唱され、平成 27 年 5 月 29 日に総理大臣官邸で開かれた第6回産業競争力会議課題別会合で、安倍首相は「2020 年までに大規模病院(400 床以上)における電子カルテ普及率を 9 割以上」との目標や遠隔医療の推進を掲げられています。
    また 2 月 10 日発表された診療報酬改定では、在宅専門の診療所解禁、集合住宅を訪問する医師の報酬増などにより、今後在宅医療の提供拡大が見込まれます。
  • ユーザーのクラウドニーズ増加
    医療業界は増税による医療機器の負担、経営難による赤字課題、人材不足、地域医療の必要性、他施設/他職種との連携などの問題で現状におかれています。このような状況で、医療データの急速な増大、およびネットワーク活用の広まりの中でクラウドサービスには「他施設との連携が容易」、「自前で保守管理をする手間がない」、「価格が安い」、など様々なメリットがあり、注目されています。医療分野のクラウドサービス全体市場は 2024 年には現在の 10 倍の約 1800 億円市場となることが見込まれています

■ 日本マイクロソフトのパブリッククラウドの強み

医療機関がパブリッククラウドを利用するメリットとして、低い導入/運用コスト、BCP 対策、医療データ共有による地域医療連携、医療ビッグデータ活用で価値創造、競争力強化などがあげられます。以下に、「Microsoft Azure」の強みをご紹介します。

  • 医療機関向け 3 省 4 ガイドライン対応状況明文化
    医療機関にとって、パブリッククラウド環境で厚生労働省、総務省、経済産業省の示す4つのガイドラインにおいて事業者に求められる要件を満たせるかが不安要素でしたが、三菱総合研究所様および日本ビジネスシステムズ株式会社様の調査により、Microsoft Azure の対応状況が確認・整理されました。
  • 日本初のクラウドセキュリティ ゴールドマークを取得
    2 月 10 日に発表しましたが、Microsoft Azure、Office 365 が情報セキュリティ監査の認定を取得しました。
  • 日本データセンターにおいて日本法に準拠し、万全の コンプライアンス 対応
    医療機関にとって、パブリッククラウドは有事の際の係争を考えると不安要素でしたが、2 年前から Microsoft Azure は日本データセンターからサービスを提供、日本法へ準拠し、東京地方裁判所管轄とさせていただいています。
  • 機械学習などの付加価値要素
    Microsoft Azure ではインフラ部分の機能のみならず、IoT や機械学習などの機能により、医療ビッグデータ分析や予測の簡素化・高速化を実現します。

これらの強みを生かして、日本マイクロソフトでは「Empowering Health」戦略を展開します。マイクロソフトの企業ミッション「Empower every person and every organization on the planet to achieve more.(地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする)」にそって、医療にかかわる全ての個人と組織が、より多くのことを達成できるように支援いたします。

■ 導入事例

医療機関におけるパブリッククラウドの最近の導入事例をいくつかご紹介します。

  • 国立がん研究センター東病院 様
    日本初!パブリッククラウド利用で治験受託数の拡大概要:国立がん研究センター 東病院様では、治験業務におけるデータ閲覧(SDV)の効率化を図るため、Microsoft Azure を活用したリモート SDV 環境を構築されました。
    これにより、製薬会社の担当者の移動時間や病院での閲覧場所による制限を受けることなく、作業を進めることができるようになりました。
    また、クラウドを活用したことで、海外からの SDV も容易になり、今後の治験受託数増にも柔軟に対応できると考えられます。
      
    詳細はこちら
    https://www.microsoft.com/ja-jp/casestudies/ncce.aspx
  • 大分岡病院 様
    電子カルテの BCP 対策を 1 週間で実現、コストも従来比 1/5 に

    概要:救急車受け入れ数、県内民間病院ではトップクラスの実績の 大分岡病院様では、災害時診療継続計画 (BCP) の実現の為にMicrosoft Azure を活用されました。
    Microsoft Azure を活用することで、すべての課題を解消し、BCP を実現するのみならず、地域医療連携を支える情報ネットワークの向上にまで寄与できるソリューションを実現しています。  
    詳細はこちら
    http://www.microsoft.com/ja-jp/casestudies/ooita-oka3.aspx

     

  • 横浜市立大学病院 様
    医薬品の有害事象予測を超安価な機械学習で実現概要:がん、生活習慣病などの克服を目指した基礎研究と、その成果を臨床に応用する橋渡し研究を推進する横浜市立大学 先端医科学研究センター様では、機械学習によって医薬品の有害事象予測を行うためのシステム基盤として、Microsoft Azure を採用されました。
    Microsoft Azureの使い勝手の良さや手間なく低コストで環境が構築できる利便性は、共同研究などで他大学などとリソースを共有する場面でも威力を発揮しています。

      
    詳細はこちら
    https://www.microsoft.com/ja-jp/casestudies/yokohama-cu.aspx

     

  • 長野県厚生農業協同組合連合会 様
    わずか 3 か月で、大規模 SAP ERP システムを Microsoft Azure へ移行概要:長野県下で 10 事業所、14 病院、11 診療所を運営し、訪問看護ステーション、老人保健施設なども有する長野県厚生農業協同組合連合会(JA長野厚生連)様では、SAP ERP システムを Microsoft Azure 上に移行いただきました。
    国内では冗長化された SAP ERP システムを Azure 上で稼働させる初の導入事例となりますが、わずか 3 カ月という短期間で移行を完了し、安価なクラウドリソースを活用することにより従来の 20% ものコスト削減を見込まれております。

      
    詳細はこちら
    https://www.microsoft.com/ja-jp/casestudies/ja-nagano.aspx

日本マイクロソフトでは、医療機関におけるパブリッククラウドの活用を推進し、日本政府の「2020 年までに大規模病院(400 床以上)における電子カルテ普及率を9割以上」という目標への貢献に加え、パートナー様との連携により、中・小医療機関にもパブリッククラウド活用を推進します。パートナー連携においては、電子カルテ、医用画像管理、遠隔画像診断、治験システム、在宅療養システム、地域医療連携システム、データ分析などの医療関連トップパートナー10社以上との連携を1年間で目指します。

幅広い医療機関にパブリッククラウドを活用いただき、医療機関の経営の効率化、医療従事者のワークスタイル変革、そして提供される医療サービスの質の向上へ貢献いたします。

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