Windows と Windows Phone によるモバイルワークプレースの構築


      

 皆さん、こんにちは。米国サンフランシスコで開催中のBUILD 2014において、Windows 8.1 Update の企業向けの新機能などが発表されました。以下は、その Windows for your Business Blog(英語)の日本語訳です。

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本日(現地時間4月2日(水))、サンフランシスコで開催されているBuild 2014コンファレンスにおいて、マイクロソフトは、Windows 8.1 Updateの企業向け新機能と機能強化、そして、Windows Phone OSの最新版である Windows Phone 8.1を発表しました。

 

18ヶ月前のWindows 8の提供開始により、マイクロソフトは、デスクトップ、ノートブック、タブレット、スマートフォン間で一貫したユーザーインターフェースを提供することで、お客様、パートナー、開発者にとってのWindowsとWindows Phoneの体験を統一していく最初のステップを取りました。本日の発表は、開発プラットフォームの共通化、そして、デバイスによらないアプリ体験の共通化を目指したWindows ストアとWindows Phone ストアの体験の統一化によるもうひとつの大きなステップとなります。この統一化により、企業の開発者は、小型のスマートフォンから大型のPPIディスプレイ、そして、その中間にあるあらゆる形態のデバイスで稼働するアプリ向けのコードとビジネスロジックを、容易に再利用できるようになります。また、ISV(Independent Software Vendor, 独立系ソフトウェア会社)にとってWindowsデバイスのエコシステム全体で稼働できるアプリの作成も容易になります。エンタープライズのお客様向けのアップデートの詳細について見ていきましょう。

 

Windows 8.1 Update

Windows 8では、タッチの重要性が増し、Windows ストアが提供され、多様なデバイスフォームファクターが提供されました。この新しいWindowsは、世界中の数多くのエンタープライズのお客様に価値を提供しています。そうしたお客様の例として、りそなホールディングスやUnited Utilitiesがあります。両社ともWindows XPからWindows 8への直接移行することを選択しました。

日本の5大銀行グループのひとつであるりそなホールディングスは、全社的な効率性と生産性向上のために、Windows 8 Enterpriseへの3万台の移行を完了しました。Windows 8 Enterpriseの機能により大幅な運用コスト削減が達成されると共に、BitLockerドライブ暗号化テクノロジによってセキュリティも強化され、コンプライアンスの維持も容易になりました。

Windows 8.1は、お客様の声に応えてマイクロソフトのビジョンを押し進めたOSであり、UIやプラットフォーム機能が改善されています。これらの改善に基づき、英国最大の上場水道会社であるUnited Utilitiesは、2014年12月までに2,000名以上の従業員をWindows 8.1に移行させる計画です。遠隔地で働く現場のエンジニア、顧客コンタクトセンター、本社の管理職といった多様な要員を擁する同社において、Windows 8.1 Updateと Windows Phone 8.1の提供は既存アプリを容易にサポートし、デスクトップ、タブレット、スマートフォンというあらゆるデバイス上でなじみのある使い心地を提供し、適切な情報を適切な時に適切な人へ提供することを実現します。

United UtilitiesのIT担当ディレクターであるウィリアム ヒューイッシュ (William Hewish) 氏は次のように述べています。「Windows XPは十分な価値を提供してきており、それをリプレースするOSの選択に苦心してきました。重要な目標のひとつは単に既存の基盤の単なる更改ではなく、イノベーションとビジネス変革をもたらす選択を行なうことでした。Windows 8.1はあらゆる条件を満たしていました。管理が容易であり、将来に向けた最適なプラットフォームであると考えています。」

Windows 8.1 Update は、本日MSDNとTechNetにおいて公開され、米国西海岸時間4月8日にWindows Update で提供され、今月後半にはボリュームライセンスのお客様向けに提供され、企業向けに以下のような重要な機能を提供します。

  • Internet Explorerの互換性向上 – Internet Explorerのエンタープライズ モードにより、Windows 8.1とWindows 7向けのInternet Explorer 11でのInternet Explorer 8の互換性が向上しています。これは、最も安全でエンタープライズに適したブラウザーであるInternet Explorer 11によって、Internet Explorer 8のウェブベースアプリとモダンなサイトを同時かつシームレスに利用できることを意味します。企業は、すべてのWindows 8.1とWindows 7上で最新バージョンのInternet Explorerによる標準化を行ない、性能の向上、セキュリティの強化、優れた後方互換性、そして、モダンなウェブ標準のサポートといった利点を享受できます。
  • UIの改良 – モダンWindows UIとWindows ストア アプリが、マウスとキーボードを使用するユーザーにとっても使いやすくなりました。マウスを画面最上部に移動するとなじみのある「最小化」と「閉じる」が表示されます。マウスを画面最下部に移動するとタスクバーが表示され、迅速にアプリの起動、状態確認、切り替えが行なえます。また、Windows ストア アプリをタスクバーに直接ピン留めしてデスクトップで容易にアクセスできるようになりました。
  • モバイルデバイス管理 – Mobile Device Management (MDM)の拡張により、特定のWindows ストア アプリのホワイトリスト化とブラックリスト化、URLフィルター、Internet Explorerエンタープライズモードの設定など、組織のポリシー設定をより詳細に管理できるようになりました。
  • 容易な展開 – Windows Update 経由でWindows 8.1 Updateを配布することで、企業は新しいアップデートをより確実に展開できます。また、企業によるモダンなアプリの開発と従業員に対する展開を支援するために、ドメインに参加しているすべてのWindows Pro PCやタブレット向けにサイドローディングを可能にしました。
  • 低コストの最新ハードウェアのサポート – Windows 8.1 Updateは、あらゆるビジネスのニーズに適合できる多様なデバイスを提供することで、最新ハードウェアのイノベーションの活用を可能にします。わずか1 GBのRAMと16GBのHDDしか必要としない低コストのマシンをハードウェア パートナーから提供できるようにしました。また、Intel Atomプロセッサ上の64ビット版Windowsなど、新型タブレットや2-in-1オプションの市場への登場も期待されます。

 

企業ではWindowsでの体験をより柔軟な形でユーザーに提供したいというニーズが増しています。このニーズに応えてより大きなビジネス価値を提供するために、以下のようなライセンシングモデルの変更を行ないました。

  • Windows Embedded エディションの利用権 – 今月からWindowsあるいはWindows EmbeddedのSoftware Assuranceを契約しているボリュームライセンスのお客様はWindows EnterpriseとWindows Embedded Industryの両方にアクセス可能になります。特定業界向けシステムやデバイスを展開するお客様はどのデバイス上でも適切なWindowsエディションを選択できます。自社環境に応じた詳細情報についてはこちらをご参照ください。
  • エンタープライズ サイドローディング – 5月にマイクロソフトは一部のボリュームライセンスプログラム*のお客様にどの製品を購入したかにかかわらず、追加コストなしでエンタープライズ サイドローディングの権利を提供します。その他のWindows 8.1の独自の業務系アプリを展開したいお客様は、デバイス数の制限がないエンタープライズ サイドローディングの権利を、ボリュームライセンシングを通じて、約100ドルで入手できます。サイドローディングライセンスに関する追加情報はWindows Volume Licensing Guideをご参照ください。

* Enterprise Agreement, Enterprise Subscription Agreement, Enrollment for Education Solutions (under a Campus and School Agreement), School Enrollment, Select and Select Plus

 

また、Windowsは既存のコードを活用してタッチ対応のビジネスアプリを容易に構築し、展開し、どのデバイスでも効率性を向上できる新しいツールも提供します。このようなツールには以下があります。

  • Windows ランタイム コンポーネント用ブローカー(Brokered Windows Runtime Components) – サイドロードされたWindows ストアアプリはアプリのコンテナーの外部で稼働するWindowsのランタイムコンポーネントにアクセスし、Windowsと.NETの全機能を利用できます。
  • ローカル ネットワーク ループバック(Network Loopback) – サイドロードされたWindows ストアアプリは、ネットワーク ループバックを介してデスクトップのプロセスやアプリとやり取りできます。Windows ストア アプリでは利用不可能だったWin32やBase Class Libraryのコンポーネントに依存した既存コードを使用して、タッチ中心型のアプリを構築できます。開発者は、ツールAPIを使用して、Windows ストア アプリのループバック通信を有効にできます。
  • Windows 通知サービス(Windows Notification Services) – サイドロードされたWindows ストア アプリが、Windows 通知サービス(WNS)を介してプッシュ通知を受信できるようになりました。Windows ストア開発者アカウントを使用して、アプリの名前を予約し、アプリの一意識別子として使用できます。アプリがWindows ストアで公開されなかった場合でもこのアプリの一意識別子はアクティブな開発者アカウントから削除されることはありません。アプリの名前の予約プロセスに関する詳細情報はMSDNのこのページを参照してください。

 

Windows 8.1 UpdateはWindows Updateを通じて配布されます。さらに、Windows Server Update Services、System Center Configuration Manager、 Windows Intuneなどの管理ツールを使用して既存のWindows 8.1デバイスをアップデートすることもできます。企業の全デバイスに対する展開を容易にするためにWindows 8.1 Updateの更新イメージが今月後半に利用可能になります。Windows 8.1 Updateは、将来のWindows 8.1サービスの新基準になるため、Windows 8.1 のユーザーは将来のアップデートを適用するためにWindows 8.1 Updateをインストールすることが必要です。展開に関する詳細情報はSpringboardブログをご参照ください。

 

Windows Phone 8.1

今日の企業のモバイル対応にはスマートフォンを含むすべてのデバイスでの効率性と生産性が要求されます。Windows Phone 8.1は、企業のお客様向けのユニークな機能により、ユーザーがWindowsから期待するセキュリティと管理容易性をスマートフォンの世界で提供します。

Windows Phone 8.1は以下のような重要なエンタープライズ向けの機能を提供します。

  • モバイルデバイス管理 (MDM) – Windows Phone 8.1にはMDMクライアント機能が組み込まれており、情報システム部門はWindows Intune、MobileIron、Citrix、SAP、Sophosなどの多様な管理システムを使ってデバイスを管理できます。デバイスの登録作業が劇的に単純化され、BYODでも企業所有デバイスのシナリオでもサポートコストが低減されます。MDMシステムによる登録作業により、IT管理者は、多数の構成ポリシー、メールやOffice 365のアカウント、ユーザー認証の証明書、VPNとWi-Fiのプロファイル、アプリを初めとするWindows Phoneの要素を全社的に管理できます。
  • Windows アプリプラットフォームの共通化 – Windows Phone 8.1は、WindowsとWindows Phone間の開発プラットフォーム共通化に向けた大きな一歩です。90%以上のAPIがWindows 8.1 UpdateとWindows Phone 8.1間で共通になりました。Windowsデバイス向けのアプリ開発では、もはやタブレット、PC、スマートフォン向けの個別プロジェクトを管理する必要はなくなり、開発コストを大幅に削減できます。もちろん、既存のWindows Phone 8アプリもWindows Phone 8.1上で稼働します。
  • セキュリティ – Windows Phone 8.1では、セキュリティ アーキテクチャが進化し、スマートフォン上の企業データの保護が容易になりました。デバイスの紛失・盗難時用のデータ遠隔削除機能が利用でき、安全で信頼できるブート機能が実装されています。マルウェアやルートキットからの保護をより強化するために、アプリはサンドボックス環境で実行されます。
  • S/MIMEによるメール暗号化 – Windows Phone 8.1は、業界標準のS/MIMEを提供します。MDMシステムやExchange Serverによって管理でき、従業員は、スマートフォン上のOutlookクライアントから直接メールに署名し、暗号化できます。また、IT部門は企業ポリシーに合致させるためにS/MIMEポリシーを強制することもできます。これらの作業のために追加ソフトウェアのインストールは不要です。
  • アサインドアクセス(割り当てられたアクセス) – Windows Phone 8.1のMDMソリューションのサポートと、新しい「割り当てられたアクセス(キオスク モード)」機能により、企業は低価格のスマートフォンを単一のビジネスアプリ専用にすることができます。
  • アプリ管理の強化 – 組織はマイクロソフトにエンタープライズアカウントを登録し、MDMシステムの管理の下にWindows Phone 8.1スマートフォンに対してアプリをプライベートにかつ安全に配布することができます。各アプリをデバイスにプッシュ配信し、更新し、削除し、また、インストール必須にできます。Windows Phone ストアのアプリをMDMシステムで管理されたプライベートなアプリカタログを通じて公開することもできます。信頼できるアプリをホワイトリスト化することに加えて、不要なアプリをブラックリスト化したり、ストアへのアクセスを禁止したりすることもできます。
  • 証明書管理 – MDMシステムとSCEPによってユーザー証明書をWindows Phone 8.1スマートフォンに配布でき、情報システム担当者がユーザー認証用の証明書を登録し、更新し、無効にすることができます。証明書は、Exchange Server、イントラネットのウェブサーバー、VPN、Wi-Fi、業務系アプリの認証処理に使用できます。高度な証明書管理機能が提供され、Windows Phone上の組み込み済みTPM対応 Virtual Smartcard機能により証明書を保護できます。
  • エンタープライズ向けVPNとWi-Fi – Windows Phoneには、IPsecとSSL VPNゲートウェイをサポートする特定アプリ用のVPN機能が搭載されています。VPNトンネルはMDMシステムで構成設定可能であり、アプリあるいはアクセスされたロケーションにより自動的に起動され、ユーザーが必要な時には自動的に再接続されます。Windows Phone 8.1のVPN機能は、Checkpoint、Del/SonicWALL、F5、Juniperなどの多くの主要VPNベンダーによりサポートされており、企業ネットワークへのWindows Phone 8.1デバイスの追加を容易に行なえます。さらに、EAP-TLSとEAP-TTLSを備えたエンタープライズWi-Fi機能により、MDMシステムによって管理された企業Wi-Fiネットワークに従業員がアクセス可能になります。コスト削減のために、Wi-Fiオフローディング機能によって、既知のWi-Fiネットワークが通信範囲内にある時にはすべてのデータトラフィックをWi-Fiで通信するようにして携帯電話からのデータ接続を行なわないようにすることもできます。

 

これらの機能強化により、多国籍の通信事業者であり、Windows 8.1タブレットのユーザーでもあるBritish Telecom(BT)は、2014年に自社のモバイルエコシステムを拡張し、5,000台のWindows Phone 8.1デバイスを採用する計画を発表しています。

Windows Phone 8.1への移行を行なうことで、BTがモバイル向けにWindowsプラットフォームで標準化を行なう方向性が設定されました。Windows OSとWindows Phone OSの共通化により、BTは、従業員の生産性、そして、IT部門の開発と企業アプリとデバイスの管理効率性を向上するために、デバイスフォームファクターによらずアプリを構築・稼働するというビジョンを実現できました。

Windows 8.1 UpdateとWindows Phone 8.1は、エンタープライズのお客様を念頭において設計され、今日的なモバイル指向のビジネスを進める上で求められる機能、セキュリティ、管理性を提供します。これらのアップデートによりハードウェアの選択肢がさらに拡大し、スマートフォン、タブレット、PCで一貫したOS体験を維持しつつ、組織にとって最適なデバイスを選択できるようになります。また、アプリプラットフォームの統一化により、4インチのスマートフォンでも82インチのPPIディスプレイでもアプリ体験をシームレスに維持できます。お客様からのフィードバックによりWindowsプラットフォームをさらに優れたものにできたことに感謝しています。皆様のビジネスの現場でどのように活用されるかが待ち遠しくてなりません。

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