研究で世界を変える


 

みなさん、こんにちは、技術と開発を担当している加治佐です。

今回は、マイクロソフトの基礎研究機関であるマイクロソフトリサーチ(Microsoft Research 、以下MSR) について紹介します。

MSRは、世界に7つの拠点があり、850名を超える博士号を持つ研究者が、コンピューターサイエンスおよびソフトウェア工学に関連する研究を行っています。これらの研究者は、開発中の製品に直接関係する技術の研究を行っているわけではなく、3年以上先に製品化される可能性を持ったテーマでの研究活動が行われています。コンピューターサイエンスの基礎的なものから、DNA、交通、気象、宇宙などの膨大なデータを解析しながらの応用的な分野まで、大きく55分野での研究が行われています。

私は、5月下旬に、MSRで米国のRedmondに次いで、2番目に大きな規模になる中国の北京にあるMSR Asia (MSRA) を訪問しましたので、その様子を紹介します。MSRA は、約200名の研究者が、ナチュラル ユーザー インターフェース、次世代のマルチメディアなどの5つの分野での研究活動を行っており、それぞれの研究者は違う分野の研究者や、社外の研究者との学術的な交流を積極的に行っています。さきほど「3年以上先に製品化されるかもしれない」と書きましたが、研究を悠長に行っているわけではありません。私が今回の前にMSRAを訪問したのは、今年の1月ですが、この半年足らずの期間で、大きな成果を収めている研究もたくさんありました。先日、Kinect for Windows SDK ver. 1.5が公開されましたが、顔認識に関連した新機能である Face Tracking は、MSRAで研究された技術の成果の一部です。

MSRAには、日本人の研究者も在席していますが、最も長い経験を持つ研究者は、2003年に研究者となった松下康之です。松下は、現在Visual Computing GroupのLead Researcherを務めており、これまでの研究の成果の一つとして、手振れなどによる映像のブレを軽減するVideo Stabilizationが、次期 OS製品の新機能として搭載されるという大きな成果を出しています。松下はこれにとどまらず、先進的なコンピュータビジョンの研究において国際会議で研究成果を発表し続けています。松下以外では、MSRAには、2009年より、日本人の研究者が続々と誕生しており、現在では、合計で5人の研究者がMSRAで活躍をしています。また、日本からも多くの大学院生がインターンとして、MSRAやそのほかのMSRの拠点で研究を行っています。インターンシップ プログラムは、MSRAをはじめとするMSRでの研究活動を通じて、多くの大学院生の研究者としてのキャリアを後押ししています。その他にもアカデミック連携プログラムがあり、これらを通して、アジアや世界の研究者コミュニティとの連携も広がりを見せています。日本マイクロソフトには、MSRAに籍を置き、MSRと日本のアカデミック界との連携活動を推進するための専任者がいます。

 

今日の研究手法は、クラウドコンピューティングの出現により、理論とシミュレーションを統合し、巨大なデータを無数のコンピューターで解き明かすという潮流に変化をしました。研究者や研究組織が、特別な計算施設を準備することなく、いつでも巨大なデータとコンピューターを活用できる環境になり、一人一人の研究者が、独創的なアイデアを即座に立証しながら次の研究ステップに移るということが可能になりました。その一方で、研究者同士の繋がりは新しいアイデアを創る上で極めて重要であり続けます。マイクロソフトと日本の研究者コミュニティとの連携をこれからも強化しながら、日本からの世界へのインパクトを加速させるように取り組んでいきたいと思います。

 

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