Windows Azure が TOP500 にランクイン

この日を待ちわびていましたよ。かなり!

年に2回発表される「スパコン世界ランキング」である ”TOP500”. その2012年11月版にとうとう Windows Azure が登場です。

500 ノード、 8,064 コアのクラスタで 151.3 TFlops を記録して 165 位。

102 位に入っている Amazon EC2 先輩より順位こそ少し下ですが、我々の自慢は 90.2% という理論性能比です。

Windows Azure 公式ブログで正式な発表がおこなわれておりますが、とはいえ本家は英語なので、私のブログで肝心なところだけ日本語でお伝えします。

 

新ハードウェア

151.3 TFLOPS というのは、ランキング上位のペタフロップス軍団には遠く及ばないとはいえ、それでもかなりの性能です。この性能を記録できたのは、Windows Azure データセンターに新たに配備された新型サーバーのおかげです。

公式ブログから抜粋するならば、

  • Dual Intel Sandybridge processors at 2.6 GHz
  • DDR3 1600 MHz RAM
  • 10 GigE network for storage and internet access
  • InfiniBand (IB) 40 Gbps network with RDMA!

となります。

TOP500 のサイトを見るともっと具体的です。これ↓

Faenov - Cluster Platform SL230s Gen8, Xeon E5-2670 8C 2.600GHz, Infiniband QDR

そう、HP ProLiant SL230s Gen8 です。東工大の TSUBAME 2.0 は SL390s G7 ですが、あれの仲間といえるかもしれません。

そしてこの新兵器、TOP500 のためだけに調達した特殊なものではなく、今後 Windows Azure のコンピュートサービスとして皆さんにお使いいただける予定です。仮想マシンのサイズとしては 2 種類:

  • 8 コア、 メモリ 60 GB のインスタンス
  • 16コア、メモリ 120GB のインスタンス

です。そう、いつもの Azure と同じように仮想マシンです。TOP500 の記録も仮想マシンが叩き出した性能です。つまりこいつは「世界最速の Hyper-V」 ともいえるでしょう。胸が熱くなるな。

 

ネットワークに工夫アリ

今回、仮想マシン環境であるというハンデをものともせず、理論性能比 90.2% というかなり高い効率を達成できたのは、ノード間通信に新兵器を投入したからです。それが、InfiniBand (IB) 40 Gbps network with RDMA! です。OS のカーネルをバイパスして、アプリケーションがハードウェアと直結する形で通信を行うRDMA 。公式ブログでは、「4 バイトのパケットを 2.1 マイクロ秒で送れるぜ!」と言ってます。物理環境でのRDMAとほぼ同じ。現在の Hyper-V で使われている準仮想化ドライバなんか目じゃない速さです。

 

Windows Azure + Windows Server 2012 + HPC Pack 2012

そして今回の環境ですが、前述の新型ハードウェア上に、Windows Server 2012 と HPC Pack 2012 を組み合わせて構築した、ピッカピカの最新クラウド HPC クラスタです。なお、ヘッドノードもドメインコントローラも同じく Azure 上に置きました。完全に地球の重力を振り払ったニュータイプ仕様です。

これを自分で使えるとしたら、、、どうです。ちょっとおもしろそうでしょう?

Stay Tuned!

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