IT 業界私的英雄"外"伝 ー 嘘のような未来の始まりです!


2007 年 4 月 21 日に日本のマイクロソフトに入社してからまもなく丸 9 年が経過し、10 年目に突入します。

入社して2か月後、大胆にも System Center の発表イベントに登壇し、System Center Essentials という懐かしい製品を担当しました。

あまりの緊張に自己紹介を忘れ、セッション途中でふと思い出し「あ、こんにちは安納です」と東京ダイナマイト張りの自己紹介を行ったことは、いまでは懐かしい思い出です。ホールの後方で見ていた当時直属の上司 長坂さん、奥主さん、田辺さん(今はなぜか V 社に)がずっこけいてる様子がよく見え、「あー、こんな広い会場でも一番後ろの人の顔まで見えるのか」と感動したものです。

ちなみにこのイベントは、現在は会長の樋口さんの登壇デビューでもあり、そういう意味では樋口会長と私は同期であると言えなくもないです(こ、こえぇぇこと言ってる。。。。気がする。。。)。

はじめてのセミナーは、確か Active Directory でした。あの頃はまだ Windows Server 2003 R2 を使っていたはずです。このセミナーは、高添さん骨折によるピンチヒッターでした。まだ新宿のサザンタワーにオフィスがあった時代です。なつかしいですね。Zoomit の使い方に慣れておらず、注目してほしいところに丸をつけるつもりが塗りつぶしてしまうという Zoomit アルアルもよい思い出かと。

初めての出張も、確か高添さんとじゃなかったかな。この辺の記憶が定かではありませんが、場所は仙台でした。

私は前職の影響で「資料のようなスライド」を作る癖がありました。文字がビッチリ書いてあるような。”読めばわかる”資料です。

一方で、高添さんの資料はシンプルなんです。当時の超馬鹿な私から見れば、「え?それでいいんすか?オヤビン?」って感じです。

で、セミナーが始まり高添さんが話し始めて驚きました。

さっきまで「文字が無くてスカスカですけど?」なスライドに明確な意味が出てくるんですよ。スライドとスライドが物語のようにつながってくるんですよ!

なんですかこれ!?この感覚、高添さんのセッションに出たことがある方はわかると思うんですが、「この素材にはこの調味料!」的な組み合わせなんです。

「このスライドにはこの説明しかない!」。逆も真です。「この説明にはこのスライドしかない!」んです。スライドと説明が互いに欲しあっているという(いやらしい言い方だな)。高添さんは物語を語るようにテクノロジーを語ります。まるで一流の紙芝居(ってのがあるのかどうかわかりませんが)を見ているような感覚です。

それまで私はスライドで語ろうとしていました。言葉はスライドの補足だと思っていたんですね。だからビッチリと文字を書きこまざるを得なくなるんです。しかし高添さんは全く逆だったんです。伝えるのはスライドじゃなくて高添自身さんであり、主体はエバンジェリストである高添さん自身であると。聖書に語り部たるエバンジェリストがいるように、これこそが テクニカル エバンジェリストに求められている役割なのであると理解したのです。

今でも、忙しいとついついスライドを主体にしてしまいたくなるのです。何でもかんでも書き込むと楽なんですよねぇ~。読めるからww。でも、スライドを極限までシンプルにすると、ストーリーを組み立てて覚える必要があるので時間もかかるし大変なんです。でも、そのほうが聴き手には響くんです。間違いなく。

これを知れたのは、これから始まる私のエバンジェリスト人生にとって非常に大きな収穫でした。

ちょっと話が変わりますが、入社前は Windows Server Management という分野の MVP でした。今は亡き、柳原さんの推薦によるものです。

今だから言いますが、「オレ、ケッコウ、クワシイ、ナカナカ、イケテル、トミタヤスコ、スキ」と思っていましたヨ。

ほんと恥ずかしい(赤面)。

で、こんなオイラなら MS に入社しても十分やってけるだろう!とうかつに考えていたのですが、いざ入社してみると。。。。orz

そりゃー Windows の会社ですから、Windows に詳しい人間なんて捨てるほどいるわけですよ。

しかも、エバンジェリズムグループに入社したわけですから。ここはその道のプロ集団です。誤解を恐れずに言えば、ずーーーーーーーーーーーーーっと Windows とかを触っていられる部署なんです。

提案書とか、お金の計算とか、上司と一緒に3時間客先で謝り続けるとか、夜中にスイッチのセットアップをしたりとか(小塚さんはしてるなww)、そんな必要は基本的に無い部署だったんです。9年の間に会社の変化とともに状況は変わりましたけどね。そんな環境にいる人たちに、そもそも敵うはずないじゃないですか。

いままで「MVPさん!」とか言って持ち上げられてきましたけど、社員になった瞬間に誰も尊敬してくれなくなるしwww扱いは雑になるわで、もう。。。

入社1か月で、かなりへこみました。ありゃー、これは想定外だったなと。こんなんでやっていけるんかいなって。

しかも彼らは情報収集が早いんですよ。いや、「収集」じゃないな。

正確には「把握」かな。情報を正しく「把握」するスピードが速いんです。

極端な例ですが、こんなことがありました。

アメリカ本社の人事で、どこかの製品開発本部の VP が変わったとき、当時同僚だった奥主(おくぬし)さんが何と言ったかというと。

「あぁ、あのテクノロジーはVPが始めたプロジェクトだからディスコンに向かうな。次に来るのが○○だから、こういう風に変わるよ」

ええええええ???????なにそれ~~?????

意味わからない~ww で、結果、その通りになるんですwwww 怖いです。外資怖いです。

でも、そういうことなんですよね。情報を正しく「把握」しておかないと、市場に向けるメッセージがブレますし、早めの把握は間違いを犯さないための防御にもなりえます。

「田辺の壁」って言葉が私の中にあります。「田辺」とは、今は V 社の田辺さんのことです。

私の入社が決まったあと、人事にお願いして事前ミーティングを開いていただきました。入社前に部門の様子とか求められることを聞いておきたかったんです。

そのとき、これから部長になる長坂さん(現 Empathy Co., Ltd. 経営戦略室長)がふともらしたのは「一人まだ変態が来ていないけど、始めましょうか」。「変態?どんな?」と思ったところにやってきたのが田辺さん。いたって普通の人でした。見た目は。

でも、後にその真意がわかりました。田辺さんは RFC の策定状況とかを見ながら数年後のテクノロジーや実装を予測する人でした。今 Windows にこの機能が実装されているのはこの RFC によるもので、その追加仕様が委員会を通過するから将来はこういう方向に進んでいくよ~なんてことを平気で言える人でした。「あの部署に、以前どこどこ会社にいたカレがやって来たから、今後この製品はこういう風に強化されるはず」とか。

「これは確かに変態だ。でも素敵だ!この壁を登りたい!」そう思ったものです。いまだに壁は登りきれていませんorz

そんな変態な方々に囲まれつつ、エバンジェリストとして少しだけ成長し、部門編成も大きく変わり、上司がアメリカ人になり、なんとか 10 年目を迎えようとしているいま、会社自身も大きく変わろうとしています。

マイクロソフトの本社社長 Satya Nadera は以下の 3 つがマイクロソフトのミッションであると唱えています。

  • Reinvent productivity and business processes
  • Build the intelligent cloud platform
  • Create more personal computing

上記それぞれに「Openness」というエッセンスを加えると、マイクロソフトの動きがより明確に見えてくると思います。マイクロソフトのテクノロジーをより広いプラットフォームで利用できるよう、そして逆に、オープンソースなテクノロジーもマイクロソフトのプラットフォーム上で違和感なく使用できるようにすること。それは Interop とか相互互換性などというレベルではありません。すべてのエンジニアがプラットフォームの壁を越えて、違和感なく創造性を発揮できる環境を整えようとしています。

日本でも、そうした環境をがっつり訴求できるチーム作りを続けています。これはかなりマジです。どれくらいマジなのかを図るには直近の人事を見るのがいいです。なぜならば人事はお金がかかるからです。お金をかけていれば、それは間違いなく本気の証です。マイクロソフトの場合は。

エバンジェリズムチームには、新たに 元V社で Azure エバの山本さん、DevOps エバの牛尾さん、元 Oracle で Java エバの寺田さん、漫画家で Xamarin エバの千代田まどかさんが加わりました。他にも XBox エバの鵜木さん、DirectX エバの千葉さんとかがいたりするんです。ちょっと向こうのテーブルでは太田寛さんがガジェットの店を広げてハンダ付けとかしてるんです。日本のエバンジェリズムチームも、そうした動きを支え推進できる組織編制になったと、心から思います。

現在、Build 2016 というイベントがアメリカで開催中です。1日目のKeynoteをご覧になられた方は少ないと思いますが、もしお時間があれば是非ご覧ください。

https://channel9.msdn.com/Events/Build/2016/KEY01

メインテーマは More Personal Computing で、素敵なニューテクノロジーが次々と紹介され、さぁ最後にどこに終着するのかと思ったら!

私、ニコ生本番中にちょっと涙ぐんじゃいましたww。そっか、そういうことなのかと。それが、我々が目指す More Personal Computing なのかと思うとすごく勇気が出てきました。テクノロジーをもてあそびたいわけではないのです。

そんな我々は、5月24-25日に東京のプリンスパークタワーで有償のイベントを開催します。

いま私たちが感じている「変革する IT」を皆さんとともに共有できたら幸いです。有償ですけど。なんとかして稟議を通してお越しください!

早期割引は 4月28日までです!お待ちしております。Build 2016 のような、素敵な Keynote を現在検討中です。

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今年のマイクロソフトは面白いですよ~!!

最後になりましたが、せっかくのエイプリールフールなので嘘をかましときますね。

  • Linux 上で SQL Server が動くようになります!
  • Windows 10 では Bash が使えるようになります!
  • .NET は .NET Core という名前で Linux と Mac 向けにオープンソース化されました!
  • Xamarin はマイクロソフトに買収され、今後無償化し、全ての Visual Studio ユーザーが利用できます!
  • Xamarin は Visual Studio Community でも使えます! Xamarin Studio Community も無償です!
  • Visual Studio では iPhone のエミュレーターが使えるようになります!
  • Visual Studio では Android のエミュレーターが既に使えてます!

やばい。嘘がつけない。。。

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