【UX】フィールド SE にとっての UX(ユーザーエクスペリエンス)とは

UX(ユーザーエクスペリエンス) なんて、およそ私の Blog とはかけ離れた内容なのですが、思い当たる節がいくつもあるので...

まずは以下の記事をご覧ください。

UX アクティビティ : ROI とユーザーエクスペリエンス ~UX を改善するどんな費用対効果が期待できるのか?~ : PROJECT UX

ご存知の方も多いと思いますが、2011年1月後半よりマイクロソフトの各部門は品川の新社屋に移転を進めています。これに伴い、社内システムの刷新も図られており、その中でも特に利用頻度の高い「会議室の予約システム」について取り上げた記事が上記です。

記事の中では、UX考慮前後のアプリケーションを比較し、その効果について言及しています。一目瞭然ですが、以下の画面の左側が考慮前、右側が考慮後です。効果測定は、某デザイン計ソフトウェアに強い会社の出身で、現在 UX エバンジェリストの春日井(Twitter)を中心に進められました。

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左側の画面...これを見ていると私はキューンと胃が痛くなります(苦笑)。

こんな画面、これまでにいくらでも見てきたし、いくらでも作ってきたからです...。

前職で何年間かパッケージの企画、開発、プロモ、メンテを担当していたことがあります。パッケージと言っても、汎用パッケージでは対応できない比較的ニッチな機能を組み込んだ特定業界向けのものであり、その開発プロセスは、汎用パッケージと比較して、お付き合いのあるお客様に依存する面が大きかったと思います。

こうした形態のパッケージって結構多いですよね。現場のノウハウをパッケージに組み込む...これはコンペでの優位性を確実なものにするために実に正しい施策ですが、問題点が無いわけではありません。その1つが UX へのこだわりです。

いや、意識的に決して使いづらくしよう...と考えているわけでは当然無く、実装しなければならない機能に執着するあまり、どうしても UX がおろそかになってしまうのです。要求事項を満たそうとして機能をたくさん詰め込みすぎるため、結果的に使いやすさは二の次になってしまうのですね...。もちろん、機能が多いからと言って使いづらくなってしまってはもともこもありませんが、予算的に UX にお金と時間をかける余裕がないというのも正直なところでしょう。

普段から UX を考え抜いてパッケージを設計しているエンジニアからすれば非常にナンセンスな話かもしれません。

正直な意見をフィールドSEの立場から言わせてもらうと、「UX を発注する」って行為は、持っていない多くのノウハウが要求されるのですよ。

  • UX の切れ目がよくわからない(単なる画面デザインだけなら別ですが)
  • UX にかけるべき原価の目安がよく分からない
  • UX の発注先がわからない
  • 開発工程における UX 設計 の順番がよくわからない

などなど、なんかモヤモヤしている点が盛りだくさんです...。

Microsoft Expression Brend で優れたUXを!と言われても、プロジェクトを仕切る ITPro は、「どのタイミングで」「誰に」「何を」お願いすればよいのかが分からないという...。結果、今まで通りの工程を繰り返すことになるわけですね...。

このあたりのノウハウを、是非とも UXチームには露出してほしいなぁと願って止まないわけです。

....と、なんだか雑談になってしまいました。