XP Mode と Active Directory ドメインの関係 その3 - 差分ディスクをファイルサーバーに置いてみた

ここのところ、XP Modeがインストールされた1台のWinodws7を、複数のユーザーで使いまわすことを前提に投稿を続けています。

前回の投稿では、XP Modeをドメインに参加させることができたものの、それをデフォルトプロファイルに埋め込んで他のユーザーが使えるようにする…というところで止まってしまいました。

その後の調査では、Sysprep を XP Mode に埋め込んでおき、ユーザーが最初にXP Modeを使うときに、その都度ドメイン参加(もちろん自動的に)を行わせる…といのが推奨の手順のようなのですが…(うーん、ちょっと面倒…そういえば、Windows 7 ではプロファイルの複製が出来なくなっているような気がしますが、これと関係があるのかな…)。まだ実際に試していないので、追って投稿したいと思います。

ご参考(英語ですみません) Deploying Windows XP Mode
https://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?displaylang=en&FamilyID=9f142a1a-a7b7-4d0b-bd56-d9627f39c14f
※実はこのドキュメントがリリースされていることに気づいておらず、BLOGをご覧になった Nさんに教えてもらいました。Nさん、恐縮でございます。

で、ちょいと疲れたので、現実逃避な話題を。

※以下、ご参考ということで…実装の際にはくれぐれも検証をお忘れなく

大学などのように、利用者が複数のPC(1つのADドメインに参加しているものとする)にログインする可能性がある場合、はたしてXP Modeの利用環境を持ちまわることができるものだろうか?…と考えたとき、速攻で思いつくのが「移動ユーザープロファイル」です。

が…考えてみれば、Windows 7 と同じユーザーIDを使用する場合、プロファイルが保存されるパスも共通になってしまいます。

そこで、考えられる方法は2つです。

  • XP Modeの差分ディスクをリモートに保存する
  • 移動ユーザープロファイルを、なんとかしてWin7とXPで分ける

■XP Modeの差分ディスクをリモートに保存する

差分ディスクをファイルサーバー等に保存する場合、2つの方法が考えられます。

ー 差分ディスクを移動プロファイルに含め、ログオフのたびにサーバーに書き戻す
ー 差分ディスクの保存先としてUNC名を指定する

前者はあきらかに運用に耐えられないことがわかります。ログオンやログオフのたびに何百メガ~数ギガのファイルをコピーされたんでは、いつになっても授業が始まりません。

後者はどうでしょう?ひとまず技術的には可能です。試すには、以下のように、差分ディスクと仮想マシンファイル(VMCファイル)の保存先をUNC名を使用して、ファイルサーバー上に設定してください。

image  image

差分ディスクだけをファイルサーバーに置いてもダメです。というのも、XP Modeを休止状態にした場合には、メモリの内容がVSVファイルに保存されるからです。でもって、VSV(Virtual Machine Saved State)ファイルは仮想マシンファイル(VMCファイル)と同じ場所に保存されるのです。

実際に、上記の設定をした場合、XP Modeを使用している間の書き込みは、すべてファイルサーバーに対して行われます。体感的にはどうか?といえば…ネットワークの帯域さえ確保できていれば、もたつくことなく極めて快適に使用できます。

ただし、それはクライアントがほんの少数である場合か、ファイルサーバーがこのような使い方を見越して最適化されている場合でしょう。大学のように100や200人が一斉にログオンする…といった状況で利用に耐えるとは、とても思えません。

また、仮に使用に耐えたとしても…ファイルサーバーのディスク容量が気になります。私がちょっとテストしただけで、差分ディスクの容量は1GBになりました。大きくなりすぎたVHDファイルを、夜間バッチ等で VhdResizerのようなツールを使って圧縮できればよいのですが、そうでなければファイルサーバー自身をリサイズしなければなりません。

ということで、差分ディスクをファイルサーバーに保存するというのは…現時点では現実的ではないのだろうと考えます。

■移動ユーザープロファイルを、なんとかしてWin7とXPで分ける

長くなるので、これについては次回にまわします。

グループポリシーのロールバック適用、および環境変数の利用がキーになります。