セキュリティ インテリジェンス レポート第 14 版 ~特集: リアルタイム保護の効果を知る~


インターネット ユーザーがマルウェアからコンピューターを守り、安全に Web ブラウズを行うには、充実したセキュリティ機能が搭載された Web ブラウザーを使用し、不用意にリンクをクリックしないなど、日頃から注意を払うことが重要です。しかしながら、経験値の高いユーザーであっても、昨今のソーシャル エンジニアリングやドライブ バイ ダウンロードなどの巧みな攻撃手法によるマルウェア感染を完全に防ぐのは難しい場合も多くあります。

今回のセキュリティ インテリジェンス レポート第 14 版では、リアルタイム保護を提供するマルウェア対策製品がどれ程マルウェア感染に対して効果があるのかについて、マイクロソフト独自のテレメトリ観測データを分析した結果を初めて発表しています。今日は、その内容を紹介したいと思います。

 

リアルタイム保護されていないコンピューターの感染率は 5 倍以上

2012 年下半期、マルウェア対策製品のリアルタイム保護が有効に機能しているコンピューターと比較して、リアルタイム保護が機能していないコンピューターでは、マルウェアおよび迷惑なソフトウェアへの感染率は、およそ 5.5 倍高いという数字が出ました (図 1)。リアルタイム保護が重要だということがわかるデータです。

図 1: 保護された PC (緑) と保護されていない PC (赤) における、1000 台あたりの感染 PC の台数 (2012 年下半期の各月)

 

上記データは、全世界で約 6 億台以上のコンピューター上で実行される悪意のあるソフトウェアの削除ツール (MSRT) により収集したデータを基にしており、コンピューターの管理者ユーザーがデータ収集に同意している場合、そのコンピューター上のマルウェア対策製品のリアルタイム保護の状態を確認し、それを感染状況と相関分析しています。

 

保護されていないコンピューターの割合は 24 %、Windows 8 ではわずか 7~8%

今回のデータでは、保護されていないコンピューターは感染率が高くなることが示されましたが、悪意のあるソフトウェアの削除ツール (MSRT) で収集されたデータによると、2012 年下半期平均で、24% のコンピューターが、リアルタイム保護が有効なマルウェア対策製品を実行していない、もしくは、期限の切れたマルウェア対策製品を使用しているという数字が出ています (図 2)。


図 2: 保護されていない PC の割合 (2012 年下半期の各月)

 

これを OS 別に見ると、図 3 のようになります。

図 3: 保護されていない PC の割合 (2012 年下半期、OS および SP ごと)

 

Windows 8 は、保護されていないコンピューターの割合が一番低く、32 ビット版で 8.1%、64 ビット版で 7.0% となっています。これは、Windows 8 には、保護されていないコンピューターに対する保護を提供する Windows Defender が搭載されていることが主な理由と考えられます。なお、サポート対象 Windows のうち、保護されていないコンピューターの割合が一番高かったのは、Windows 7 RTM でした。次に、Windows XP SP3、Windows Vista SP2、そして Windows 7 SP1と続いています。

この違いは、マルウェア感染率にも影響しており、保護されたコンピューターの割合が最も高い Windows 8 の感染率は、32 ビット版で 0.8%、64 ビット版で 0.2% と最も低くなっています (図 4)。Windows 8 にはセキュアブートはじめ、マルウェアに対する強化点がいくつか取り入れられているため、それらも感染率の低さに影響していると考えられます。


図 4: 1000 台あたりの感染 PC の台数 (2012 年下半期、OS および SP ごと)

 

保護されていないコンピューター、その理由は?

現在サポート対象の Windows では、コンピューターが保護されているかをモニターし、保護されていない コンピューターに対してデスクトップのバルーン通知やアクション センターを通して警告を出すメカニズムが備わっています。それにもかかわらず、なぜこれほど保護されていないコンピューターが多いのか。主に次のような理由があると分析しています。

  • コンピューター購入時に同梱されていたマルウェア対策製品のトライアル期限が過ぎ、サブスクリプションを更新しない場合 (期限切れ。このパターンのユーザーが最も多い)
  • マルウェアがセキュリティ製品を無効化してしまう場合 (ユーザーは気づかない)
  • ユーザーが意図的に無効にする場合 (パフォーマンスの観点、なくても大丈夫だという思い込み、もしくは検疫や駆除の対象となるようなプログラムをあえて使用したい、など)

特に、気づかないうちに期限が切れていたり無効化されてしまったユーザーにおいては、Windows 8 Defender のような保護されていないコンピューターを保護する仕組みは有効に機能するかもしれませんね。

 

おわりに

セキュリティ対策に完璧なものはありませんが、今回のデータが示すように、リアルタイム保護のセキュリティ製品を使用し、それを常に最新に保つことで、個人および企業におけるマルウェア感染リスクを 80% も減らすことができます。マルウェア対策製品の重要性、費用対効果を理解し、信頼できるベンダーが提供するセキュリティ対策製品を使用してお使いのコンピューターおよび情報資産を守ってください。

また、最新の OS である Windows 8 を使用することで、マルウェア対策製品の期限切れなどで保護されていないコンピューターに対する保護機能が提供されますし、セキュアブートによる保護 (ルートキットなどのマルウェアを先に起動させない) 等で Windows の安全性はより一層高まっています。そういった安全面の向上という観点も、コンピューター買い替えや移行の際に、是非頭の片隅に入れておいていただければ幸いです。

 

Skip to main content