パートナーシップによる Azure および Windows Server コンテナーでの Kubernetes のサポート強化

執筆者: Brendan Burns (Partner Architect, Azure Container Service)

このポストは、12 月 7 日に投稿された Partners enhance Kubernetes support for Azure and Windows Server Containers の翻訳です。

 

先日マイクロソフトは、コミュニティへの貢献度を高めるために新しいサーバーレス機能と DevOps 機能を強化することを発表しました (英語)。そこで発表されたのが、Azure Container Instances 用の Kubernetes コネクターの次期バージョンである Virtual Kubelet (英語) と、コンテナーを Azure サービスに容易に接続できるようにする Azure 用 Open Service Broker (英語)、および Brigade パイプライン用のダッシュボードと視覚化ツールである Kashti (英語) です。

マイクロソフトではこの取り組みを強化するべく、Kubernetes エコシステムの拡充をさらに推し進めたいと考えています。Kubernetes コミュニティがこれほど充実しているのは、さまざまな人々が参加し、多種多様なテクノロジが提供されているためです。Azure を Kubernetes を実行する最高の環境とするために、また Windows Server コンテナー エコシステムを Kubernetes コミュニティで利用しやすくするために、私たちは今後も新規パートナーシップの構築と既存のパートナーシップの強化に取り組み続け、皆様が必要とするツールを確実に提供し、マイクロソフトのプラットフォーム全体でご利用いただけるようにしてまいります。今回の記事では、Heptio と Tigera の 2 つの共同プロジェクトを開始すること、および SIG Windows の取り組みの進捗についてお伝えします。

Heptio、Kubernetes の災害復旧機能と移行ソリューションを Azure で利用可能に

本日、私の元同僚で Kubernetes 共同創設者の Craig McLuckie (英語) が、Heptio とマイクロソフトが共同で Heptio Ark (英語) を Azure に組み込む取り組みを開始することを発表しました。彼は Heptio の共同創設者で、CEO でもある人物です。Ark は、災害復旧の管理、およびオンプレミス環境とパブリック クラウド環境で Kubernetes の移行を促進するユーティリティです。一連のチェックポイントからアプリケーションや永続ボリュームのバックアップや復元を、シンプルかつ構成可能な方法で堅牢に運用することができます。この 2 社の連携によって Azure ユーザーの皆様にこれらのさまざまなメリットを提供することで、完全なパブリック クラウド環境の場合でも、オンプレミスと Azure を使用している場合でも、マイクロソフトのクラウド プラットフォームでシンプルに Kubernetes をご利用いただけるようになります。詳細については、Craig McLuckie のブログ記事 (英語) を参照してください。

Tigera とマイクロソフトのパートナーシップで Windows Server コンテナーのネットワーク セキュリティ構築を簡素化

このたびマイクロソフトは Tigera とパートナーシップを締結し、Kubernetes コミュニティの皆様が SIG Windows で Windows Server コンテナーをより手軽にご利用いただけるようにさらに取り組みを強化することになりました。Windows Server バージョン 1709 では、Windows はプラットフォームとして Linux と同等の Kubernetes ネットワークを使用できます。これらの新しいネットワーク機能を披露するために、マイクロソフトは Tigera と共に Project Calico というプロジェクトに取り組んでいます。この機能はコミュニティ ベースの無料のオープン ソース ソリューションであり、コンテナー ネットワークやその中で実行されるアプリケーションの簡素化、拡張、セキュリティを目的として設計されたものです。Calico と Windows で最新のアプリケーションのセキュリティを確保する方法については、こちらのブログ記事 (英語) を参照してください。

企業に Windows と Kubernetes ソリューションを届けるエコシステム

マイクロソフトは、SIG-Windows にご参加の Cloudbase、Apprenda、Red Hat の協力のもと、Kubernetes 1.9 での Windows Server コンテナーのベータ サポートを開始します。今回の発表は、.NET および Windows ベースのアプリケーションに多額の投資を行っている多くの企業の皆様の Kubernetes の拡張を支援する重要なマイルストーンとなります。また、コミュニティの皆様に人気のツールである kubeadm を Windows でご利用いただけるようになり、Windows Server に Kubernetes ノードをブートストラップできるようになりました。さらに、大きく進展した取り組みとして、Heapster によるポッドの自動スケーリングがあります。Windows コンポーネント向けの e2e テスト、Kubernetes 1.9 向けの Windows ドキュメント (英語) の更新などが進みました。詳細については、Taylor Brown 氏の Kubernetes ブログ記事 (英語) を参照してください。

ダイバーシティのメリット

ダイバーシティ (多様性) とは、Kubernetes エコシステムに膨大な数の企業の皆様が参加されていることを単純に意味するだけではありません。私たちのコミュニティにさまざまな意見やアイデアをもたらしてくれる人々がたくさん集まってくれていることを、ダイバーシティと表現しています。私はマイクロソフトのようにダイバーシティを支持し、支援している企業で働いていることを非常に誇りに思います。マイクロソフトは今後も積極的に Kubernetes コミュニティのダイバーシティを強化することを考えています。ここまでの KubeCon のハイライトは、マイクロソフトや Google などの企業が、過小評価されているコミュニティからの KubeCon への参加を促進するためにダイバーシティ奨学金を提供したことです。KubeCon と Kubernetes コミュニティは、ダイバーシティによってメリットが引き出されます。Google、CNCF、そして、Kubernetes コミュニティの強化にご協力いただいた一人ひとりの皆様に感謝を申し上げます。

フィードバックのお願い

マイクロソフトは今後もオープン ソース、そして Azure 上の Kubernetes エクスペリエンスを強化させる取り組みを続けていきます。皆様からいただくフィードバックはたいへん貴重なものです。今回の新たなパートナーシップに関しても、ぜひご意見をお寄せください。今後の取り組みや皆様が期待されていることについて、このイベントやプロジェクトへの参加を通じて、あるいはコメント欄からご連絡ください。また、Azure ブースにもぜひ足を運んでください。私たちのセッションは 1 週間を通じて行われる予定です。皆様にお会いできることを楽しみにしています!