Azure Maps の一般提供を開始


執筆者: Chris Pendleton (Principal PM Manager, Azure Maps)

このポストは、2018 5 7 日に投稿された Announcing Azure Maps の翻訳です。

 

Azure Location Based Services の名称を「Azure Maps」に一新して、本日より一般提供を開始します。

6 か月間のパブリック プレビュー期間中、貴重なフィードバックをたくさんお寄せいただき、その結果 Azure 初のネイティブな地理空間サービスを正式にリリースすることとなりました。エンタープライズのお客様向けに開発された Azure Maps の堅牢なマップ機能は、さまざまなアプリケーションに統合することができます。また、使いやすい各種サービスや JavaScript のマップ コントロールを利用して、多彩な地理機能や地理空間機能を組み込んだ堅牢なアプリケーションを構築できるようになります。パブリック プレビュー期間には、サービス拡充や機能強化につながる有益なフィードバックをお寄せいただきました。おかげさまですばらしい機能をすべての Azure ユーザーに提供することができます。マイクロソフトでは、この Azure Maps を通じてさまざまな業界に変革がもたらされることを確信しています。特に、位置情報を含むセンサー データの視覚化やビジネス分析を行う IoT 分野については、人工知能の利用がさらに進むことが期待されます。

Azure Maps アプリケーションを早期に導入したお客様には、地図の統合から複雑な経路最適化ソリューションまで、幅広い用途でご活用いただいています。Fathym の WeatherCloud (英語) は、Azure Maps を下地として、気象情報のレイヤーを重ねて時間ごとの天気の移り変わりを視覚的に表示しています。Cubic Telecom は、Azure Map Control を使用して地図上の電気自動車用の充電スタンドの位置を参照し、Route Service によって走行経路沿いの最適な充電場所を判断しています。

今回の初期リリースでは、強化されたパブリック プレビュー (英語) の機能と新機能を提供します。

Search Service

Azure Maps Search Service は、実際の目的地を検索して位置情報を取得できるサービスで、主に次の 3 つの機能があります。

1.   ジオコーディング: 住所、位置座標、ランドマークを探す

2.   POI (Point of Interest) の検索: 位置情報に基づいて企業を探す

3.   逆引きジオコーディング: 位置座標から住所や交差点名を調べる

Search Service では、世界中の住所や位置座標の検索が可能です。Azure Maps 38 地域の住所レベルのジオコーディングをサポートしており、それ以外の地域では、家番号、街路レベル、市区町村レベルでのジオコーディングに段階的に対応していく予定です。住所の検索には構造化された住所形式を使用しますが、非構造化形式を使用して、1 回の問い合わせで住所、位置座標、企業情報を検索することもできます。また、地域や境界ボックスで検索範囲を限定したり、特定の座標を問い合わせたりすることで検索精度を高めることができます。さらに、GPS 受信機などの座標情報を利用すれば、最寄りの住所や交差点を調べることができます。

Azure Maps Search Service では、ビジネス リスティングで企業を検索することも可能です。数百のカテゴリとサブカテゴリに分けられたリストから、特定の地点の周りやエリア内に存在する企業や POI を見つけることができます。ユーザーは、位置、境界ボックス、地域などで絞り込んで、企業名や一般的な業種を検索することができます。

Azure Maps Search Service の新機能

一般提供の開始に伴い、Geometry SearchNearby SearchSearch Along Route の機能を追加しました。Geometry Search は、特定のジオメトリまたは複数のジオメトリ内を検索する機能です。指定された境界内の POI を探し出せるため、特定の町、近隣地域、ユーザーを拠点とした円の範囲で検索を行う場合に便利です。Nearby Search Geometry Search と同様の機能で、地点と半径距離を指定して「付近」の POI を検索します。Geometry Search との違いは、ユーザーの現在地に「距離が近い」POI を検索できる点です。Search Along Route は、特定の経路上にある POI を探す機能です。これを使用すると、経路や道路の情報を考慮して、複数の POI が提示されます。たとえば、高速道路上の現在地から 400 m ほどの地点にガソリン スタンドがあったとしても、5 km 先の高速道路の出口を出て逆戻りしなければならないような場合には、そのガソリン スタンドは提示されません。これにより、地理空間の単純な距離ではなく、ルート情報に基づく有効な POI を複数割り出すことができます。

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Route Service

Azure Maps Route Service は、単に 2 地点間の道順を示すだけではない、高度な経路案内サービスです。大量の地図データを経路選択エンジンで利用可能なため、さまざまなシナリオの計算に基づいて経路を割り出すことができます。経路を順序立てて案内する基本的な経路機能では、渋滞や交通事故を避けて、最速経路または最短経路を導き出すことができます。交通量ベースの経路設定には 2 種類あります。特定の経路に関する通常の交通量を知りたい場合には「履歴」を利用します。これは、将来的な経路予測を行うのに最適です。現在地から目的地までの間に発生している交通渋滞や、回避経路を知りたい場合には「ライブ」を利用します。これは、アクティブに経路を決定するのに適しています。

Azure Maps Route Service の商用車向けの経路案内機能では、トラックに特化した代替経路を提供します。この機能は、貨物などの輸送に最適かつ安全な推奨道路を選択するために、次のようなパラメーターをサポートしています。

·         車両の高さ

·         車両の重量

·         車軸数

·         危険物の積載

Routing Service には、歩行者、自転車、バイク、タクシー、トラックといったさまざまな移動モードがあります。

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経由地があらかじめわかっている場合は、経路上に最大 50 か所の通過地点を指定することができます。複数の経由地を通る効率的な経路を選定することができ、配送順序を決める際に役立ちます。単純に最大 20 個の通過地点を Routing Service に送るだけで、経路を作成することもできます。

また、特定の時間までに到着する必要がある場合には、到着時刻を指定できます。Azure Maps は、約 10 年間かけて頻繁に収集されたジオメトリごとの大量の交通データを利用しており、特定の曜日や時間帯における最適な出発時刻を知ることができます。さらに、最新の交通状況を取得するため、経路に影響しそうな変化があればユーザーに通知し、移動時間や代替経路を更新します。

Azure Maps では、車両のエンジンの種類なども考慮に入れることが可能です。既定では、燃焼エンジンの使用を前提としていますが、電気エンジンの場合は、動力設定の入力パラメーターを切り替えることで、最もエネルギー効率の高い経路を作成することができます。

Routing Service は、1 回の問い合わせで複数の代替経路を作成します。「最善」ではない経路も提示されますが、エンドユーザーが好みの経路を選ぶことができます。また、有料道路、高速道路、フェリー、カープール道路など、特定の経路を避けるよう指定することも可能です。

Render Service

Azure Maps Render Service は地図情報を取得するためのサービスです。Azure Maps の地図機能や Azure Map Control の視覚化機能の基盤としてベクターの地図タイルを要求して表示したり、クライアント上でスタイルを適用したりできます。また、地図イメージを Web ページやアプリケーションに埋め込む場合には、ラスター地図を利用します。Azure の地図には、世界中の 200 以上の地域の精細な地理情報が含まれており、35 の言語でベクター形式とラスター形式の 2 種類のグラウンド トゥルースを柔軟に利用することができます。

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Azure Maps の地図は、企業のお客様に利用していただくことを念頭にゼロから設計されました。小さい縮尺 (ズームアウト) の状態では情報量は少なく、縮尺が大きくなる (ズームイン) と供に情報量が多くなります。このような設計により、Azure Maps の上に企業独自のデータを描画しやすくなります。余計な作業の手間もなく、お客様のデータの価値が損なわれることはありません。

Azure Maps Render Service の新機能

一般提供の開始に伴い、新しい静的イメージ API を追加しました。これを使用すると、Azure Maps ブランドのデザインで、埋め込み可能な地図イメージを作成することができます。

Time Zone Service

Azure Maps Time Zone Service は、世界各地のタイム ゾーンと時刻の問い合わせができる初の機能です。Azure Maps に位置情報を送ると、対応するタイム ゾーン、そのタイム ゾーンでの時刻、協定世界時 (UTC) との時差が返されます。Time Zone Service では、夏時間の切り替えなど、タイム ゾーンに関する過去や未来の情報を取得できます。また、すべてのタイム ゾーン一覧や最新のデータを入手できるため、問い合わせやダウンロードしたデータを最大限に活用できます。IoT で利用する場合、Azure Maps Time Zone Service POSIX 出力が可能なため、インターネットに常時アクセスしていなくても情報をデバイスにダウンロードすることができます。さらに、Microsoft Windows ユーザーは Windows タイム ゾーン ID IANA タイム ゾーン ID に変換することができます。

Azure Maps Time Zone Service の新機能

49 の言語にローカライズされたタイム ゾーン名を備えた Time Zone Service では、複数の言語でタイム ゾーン名を取得することができます。

Traffic Service

Azure Maps Traffic Service は、交通量や事故情報を問い合わせたり地図上に表示したりできるサービスです。TomTom とのパートナーシップにより、世界中の 55 の地域をカバーする、業界最高レベルの交通情報を利用することができます。Traffic Service では Azure Map Control 上に交通情報をネイティブに重ね合わせて、すばやく簡単に確認することができます。また、交通事故、経路上でリアルタイムに発生する問題、路面状態などの情報にもアクセスすることができます。事故の情報には、事故の種類や正確な発生地点などの補足情報が含まれています。さらに、現在地から事故発生地点までの距離や移動時間、事故に伴う渋滞距離や時間などの交通量の詳細情報を確認することもできます。

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Azure Map Control

Azure Map Control は、Azure Maps のベクター地図タイルの取得、データの描画、マップ キャンバス操作などの機能を組み込んだ JavaScript Web コントロールです。これを使用すると、開発者が Azure のベクター レイヤーおよびラスター レイヤー上に企業の点、線、ポリゴンの座標データを重ねることができます。また、工場、ショッピング モール、テーマ パークなどのアノテーションを含むラスタライズ化した新規地図レイヤーを Azure のマップに重ねることができます。Map Control には、マップ キャンバスのクリック時にピクセル画像から座標を取得するリスナーがあります。これを他の Azure Maps サービスと組み合わせることで、(1) 付近にある企業を探す、(2) 最寄りの住所または交差点を見つけ出す、(3) 特定の場所への、またはそこからの経路を作成する、(4) 空間アルゴリズムを応用して、自社データベース内のビジネスに役立つ地理空間情報を探し出す、といったことが可能になります。

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Azure Map Control の新機能

新しいネイティブのアクセシビリティ機能により、マップ コントロールがより使いやすくなります。マップ コントロールのネイティブなナレーター機能では、マップ ビューポートの中心でマップ コンテナーを認識すると、Web ページにマップ アプリケーションが存在することをユーザーに知らせます。

次のステップ

Azure Maps は今すぐにご利用いただけます。詳しくは Azure Maps のページをご覧ください。開発者向けドキュメントをお読みのうえ、Azure Portal でアカウントをお作りください。

 

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