Azure SQL Database Managed Instance を使用してデータベースをフルマネージド サービスに移行

執筆者: Borko Novakovic (Senior Program Manager, Microsoft Database Systems Group)

このポストは、2018 年 3 月 7 日に投稿された Migrate your databases to a fully managed service with Azure SQL Database Managed Instance の翻訳です。

 

このブログ記事は、CADD & AI チームのシニア プロダクト マーケティング マネージャーを務める Eric Hudson と共同で執筆しました。

このたび、Azure SQL Database Managed Instance のプレビューを開始します。これは、SQL Server ワークロードをフルマネージド型のデータベース サービスへ効率的に移行するための SQL Database の新しいデプロイ オプションです。SQL Server エンジンとの完全な互換性を持ち、仮想ネットワーク (VNET) をネイティブにサポートします。

「これこそが、当社が求めていたソリューションです。SQL Server の機能や互換性を活用しつつ、VM を 24 時間 365 日体制の管理負担や運用コストを軽減したいと考えていました。SQL Managed Instance は、機能や管理の容易さだけでなく、ソフトウェア アシュアランスを通じて既存の SQL Server ライセンスを活用する Azure Hybrid Benefit を利用できるメリットもあります。Azure と SQL Managed Instance のおかげで、驚くほど簡単にかつ低コストでアプリケーションを開発、デプロイ、管理できるようになりました」

Pivot Technology Solutions、シニア ソフトウェア開発プロフェッショナル、Robert Shurbet 氏

フルマネージド サービスにデータベースを移行

Azure SQL Database は、マイクロソフトがお客様に代わって SQL Server を運用し可用性とパフォーマンスを保証する、フルマネージド型のデータベース サービスです。お客様のセキュリティとビジネス継続性を最高のレベルで維持する革新的な機能が豊富に揃っています。たとえば、組み込みの高可用性 (HA)、自動バックアップ、ポイントインタイム リストアなどでビジネス継続性を保証します。また、包括的なセキュリティ ポートフォリオにより、データベースの警報システムの役割を果たす脅威検出などのインテリジェント機能を実装して、疑わしいアクティビティに対するプロアクティブなアラートを通知することができます。これにより、数百、数千もの SQL Server データベースの管理の負担が大幅に軽減されます。

フルマネージド サービスのメリットに加えて、インスタンス スコープのプログラミング モデルをサポートし、オンプレミス版 SQL Server (バージョン 2005 ~最新版) との高い互換性を持っているため、クラウド移行後にアプリケーションを再構築したり、データベースを管理したりする手間もなくなります。Managed Instance では、データベースのネイティブ リストア、SQL エージェント、データベース メール、Service Broker、共通言語ランタイム (CLR)、Change Data Capture などの使い慣れた SQL Server ツールをクラウドでもそのまま使用することができます。近日中には、Azure Data Factory のマネージド環境で SQL Server Integration Services (SSIS) パッケージを Azure に移行し、生産性向上と TCO の削減を実現できるようになります。

お客様の効率的なクラウド移行に向けて、Azure Database Migration Service (Azure DMS) でプレビュー版の Managed Instance をサポートします。これにより、SQL Database Managed Instance へのワークロードの移行がより簡単になります。Azure DMS は、クラウド移行の複雑さを解消する包括的な単一サービスです。移行元と移行先のデータベースの種類が同じでも異なる場合でも、プロセス ガイドに従って簡単に移行することができます。DocuSign では、社内の生産性向上とスケーリングの取り組みの中で、SQL Database Managed Instance の大きな効果を実感しています。

「DocuSign のプラットフォームは、現在 1 日あたり 110 万件のトランザクションを処理しており、処理量は毎年約 2 倍ずつ増加しています。データセンターと Azure をもっと活用したいと考えていた当社にとって、Azure SQL Database は最適な解決策でした。既存のインフラストラクチャを選択してから、数秒で Azure のデプロイが完了しました。ほとんど手間をかけず、高速でビジネスをスケーリングすることができたのです。膨大な作業や再設計の必要なしに、既存プラットフォームを Azure にリフト & シフトできるのはすばらしいと思います」

DocuSign、バイス プレジデント兼チーフ アーキテクト、Eric Fleischman 氏

詳細については、Database Migration Service のページをご覧ください。

完全な分離とセキュリティを保証

お客様の仮想ネットワーク内に限定される Managed Instance では、データは完全に分離され、最高レベルのセキュリティが提供されます。そのため、自社環境とパブリック インターネットを分離したまま、パブリック クラウドのメリットを得ることができます。

以下は、Azure またはハイブリッド環境でさまざまなアプリケーション トポロジのデプロイ オプションを示した図です。これは、フルマネージド サービスの場合でも、フロントエンド アプリケーションのホスト モデルの場合でも共通しています。

上記のいずれかのオプションを選択すると、プライベート IP アドレス経由でのみ SQL エンドポイント (TDS: Tabular Data Stream) に接続可能になるため、確実なデータ分離が保証されます。詳細については、アプリケーションを Managed Instance に接続する方法 (英語) をご覧ください。

クラウドでオンプレミス ワークロードをサイジング

Managed Instance では仮想コア (vCore) 数に基づく料金モデルが導入され、必要に応じたリソース (ストレージおよびコンピューティング) を柔軟に選択できるため、オンプレミスの物理コアと比較しながらワークロードを容易にサイジングすることができます。初回は単一のパフォーマンス レベル (General Purpose) で利用できますが、プレビュー期間中に Business Critical のパフォーマンス レベルが公開される予定です。詳細については、SQL Database の料金ページをご覧ください。

オンプレミスの SQL Server ライセンスを活用してコストを最大 30%* 削減

コスト削減の効果を高めるために、Managed Instance は SQL Server 向け Azure Hybrid Benefit をサポートしています。この特典により、既存の SQL Server ライセンスへの投資を最大限に活かしながらクラウドへ移行することができます。SQL Server 向け Azure Hybrid Benefit は Azure 限定の特典であり、ソフトウェア アシュアランス付きの SQL Server ライセンスによって Managed Instance のコストを抑えることができます。また、SQL Server Integration Services (SSIS) ライセンスを Azure Data Factory に割引価格で移行することができます。ソフトウェア アシュアランス (SA) を契約中の SQL Server Enterprise Edition または Standard Edition のお客様は、SQL Server 向け Azure Hybrid Benefit を使用すると、最大で 30%* の Managed Instance コストの削減が可能です。

20 の Azure リージョンで提供中

この記事の公開時点では、Managed Instance は 20 の Azure リージョン (カナダ中部、カナダ東部、米国中部、東アジア、米国東部、米国東部 2、東日本、韓国中部、韓国南部、米国中北部、北ヨーロッパ、米国中南部、インド南部、東南アジア、英国南部、米国中西部、西ヨーロッパ、インド西部、米国西部、米国西部 2) でご利用いただけます。プレビュー期間中に対応リージョンをさらに拡大する予定です。

今すぐお試しください

Managed Instance をご利用いただき、ぜひご意見をお聞かせください。フルマネージド型のデータベース サービスへの移行準備ができている場合は、Azure ポータルからプレビューに登録し、プレビューの使用条件に同意してください。

ご要望が多いことを踏まえ、最高のエクスペリエンスを維持するために、プレビューへの参加は承認制となっています。ポータル登録後、通常 3 営業日以内に承認されます。承認後、Azure ポータルでプロビジョニング プロセスを完了してください。承認されない場合は、今後の登録日程を別途ご案内します。

プレビューを開始したら、SQL Database Managed Instance の作成 (英語) クイックスタートで最初のインスタンスを作成する方法、Azure DMS (英語) を使用して SQL Database Managed Instance へ移行する方法をご確認ください。詳細およびしくみについては、Lara Rubbelke による以下の 5 分間の動画をご覧ください。

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ユーザー シナリオおよび機能一覧については、Managed Instance のドキュメント ページ (英語) をご覧ください。

SQL Database Managed Instance で、ぜひ SQL Server データベースの管理の課題を解決してください。

* 米国東部の Azure SQL Database Managed Instance で、正規の料金 (ライセンス込み) と比較した基本料金を基に削減額を試算しています。Open プログラムの No Level (NL) の SA 料金を含みます。SA の料金は、EA の種類によって異なる場合があります。