バックアップと復元のパフォーマンス強化、大容量ディスクのバックアップのサポートを発表

執筆者: Trinadh Kotturu (Senior Program Manager, Azure Backup)

このポストは、2018 年 3 月 13 日に投稿されたAnnouncing backup and restore performance improvements and support for large disk backup の翻訳です。

 

このたびマイクロソフトは、大容量ディスク搭載 VM のバックアップのサポート、およびバックアップと復元の所要時間を短縮するためのさまざまな機能強化を発表しました。これらの機能強化と大容量ディスクのサポートは新しい VM バックアップ スタックで提供され、Managed Disks と Unmanaged Disks の両方に適用されます。新しいスタックにアップグレードする際、現行のバックアップ ジョブへの影響はまったくなく、バックアップや復元のセットアップ方法も変わりません。

今回発表した機能強化の内容は次のとおりです。

  • 大容量ディスクのサポート – Managed Disks と Unmanaged Disks の両方で、最大 4TB (4,095GB) のディスクを搭載した VM のバックアップに対応しました。
  • 即時復旧ポイント – バックアップ ジョブの中でスナップショットが取得された後、これをすぐに復旧ポイントとして使用できるようになりました。バックアップのデータ転送フェーズが完了するまで復元のトリガーを待機する必要がなくなります。この機能は修正プログラムを適用したい場合に特に便利です。修正プログラムの適用に失敗してもローカルのスナップショットの状態に復元できるため、スナップショットの取得が完了すると修正プログラムを適用できます。これは Hyper-V や VMware で提供されているチェックポイント ソリューションと似ていますが、それらの製品にはないメリットとして、バックアップ コンテナーに安全にスナップショットを保存できるという特長があります。
  • バックアップと復元のパフォーマンス強化 – バックアップ ジョブの中で取得されたスナップショットが 7 日間保持されるようになりました。これにより 2 回のバックアップ ジョブの間の変更を効率よく演算できるため、バックアップの所要時間が短縮されます。これらのスナップショットは、復元のトリガーにも使用できます。また、これらのスナップショットはローカルから使用できるため、復元プロセスでコンテナーからストレージ アカウントにデータを転送し戻す必要がなく、復元の所要時間が数時間から数分にまで短縮されます。ローカルに保存するスナップショットの保持期間を構成する機能は、今後のリリースで実装される予定です。
  • 復元される VM のディスクの分散 – Unmanaged Disks 搭載 VM を使用している場合、そのことが復元中に通知され、すべてのディスクが同一ストレージ アカウントに復元されます。今後、元の VM としてこれらのディスクを同一セットのストレージ アカウントに分散するようマイクロソフトに依頼できるようにし、お客様の復元後の再構成の手間を削減する予定です。

使用を開始するには

この機能を使用するには、Azure ポータルまたは PowerShell からサブスクリプションを新しいスタックに更新します。この変更は不可逆であり、既存のポリシーや復旧ポイントはすべて保持されます。

ポータルの場合

このエクスペリエンスは本日から提供が開始され、リージョンごとにロールアウトされます。今週末までにはすべてのリージョンで使用できるようになる予定です。

Recovery Services コンテナーのダッシュボードにバナーが表示されます。このバナーをクリックすると、スタックをアップグレードし前述の機能強化を利用できることを示す画面が表示されます。任意のコンテナーからサブスクリプション全体をアップグレードできます。アップグレード完了後、サブスクリプション内のすべての VM バックアップが新しいスタックでバックアップされます。

PowerShell の場合

PowerShell ターミナルから管理者権限で以下のコマンドレットを実行します。

1.  Azure アカウントにログインします。

 PS C:> Login-AzureRmAccount

2. アップグレード対象として登録するサブスクリプションを選択します。

 PS C:>  Get-AzureRmSubscription –SubscriptionName "Subscription Name" | Select-AzureRmSubscription

3. 選択したサブスクリプションをアップグレード対象として登録します。

 PS C:>  Register-AzureRmProviderFeature -FeatureName “InstantBackupandRecovery” –ProviderNamespace Microsoft.RecoveryServices

関連資料

  • Azure Backup の詳細については、製品ページでご確認ください。
  • 最新情報は Twitter (@AzureBackup) でご確認ください。