Azure Redis Cache で geo レプリケーションの一般提供を開始

執筆者: Ye Gu (Principal Program Manager, Azure Developer Experience)

このポストは、2018 年 2 月 12 日に投稿された Azure Redis Cache geo-replication is now generally available の翻訳です。

 

このたび、Azure Redis Cache で geo レプリケーション機能の一般提供を開始します。Redis Cache は、一般的なオープン ソース Redis のインメモリ型キー/値ストアを基盤とした、Microsoft Azure が提供するサービスとしてのキャッシュです。geo レプリケーションに対応したことにより、開発者や IT プロフェッショナルの皆様に、ディザスター リカバリー プラン構築のための Azure サービスの 1 つとして Redis Cache をご利用いただけます。この機能では、万が一リージョン規模の障害が発生した場合でも、クラウドで実行するミッション クリティカルなアプリケーションの可用性を確保することが可能です。Azure Site Recovery 対応の Virtual Machines、Traffic Manager、Cosmos DB や SQL Database をはじめとするデータ サービスなどの既存のオプションと共に、Azure で回復性の高いソリューションを構築する際にお役立てください。

Redis Cache の geo レプリケーションの一般提供開始にあたって、パブリック プレビュー (英語) にご参加いただいた皆様に感謝申し上げます。検証の際には、皆様からの貴重なご意見を参考にさせていただきました。ご協力ありがとうございました。

Redis Cache で geo レプリケーションをセットアップ

geo レプリケーションは、Azure Redis Cache の Premium サービス レベルで提供されます。この機能を使用する場合、事前に Premium レベルのキャッシュ インスタンスのペアを準備する必要があります。既に Premium レベルのキャッシュ インスタンスをお持ちの場合は、お好みのセカンダリ Azure リージョンを 1 つ追加するだけで済みます。Basic レベルまたは Standard レベルのインスタンスを使用している場合には、Premium レベルにアップグレードする必要があります。現時点では、プライマリ キャッシュ インスタンスごとに geo レプリケーション用のキャッシュ インスタンスを 1 つセットアップすることができます。インスタンスの設置場所に制限はありませんが、高い回復性を維持するためには、異なる Azure リージョンへ設置することをお勧めします。

geo レプリケーションをセットアップするには、2 つの Azure Redis Cache インスタンスをリンクさせる必要があります。最も簡単なのは Azure ポータルで操作する方法です。詳しい手順はこちらの「Azure Redis Cache の geo レプリケーションの構成方法」をご覧ください。

geo レプリケーションを構成すると、プライマリ キャッシュ インスタンスはこれまでと変わらずクライアントからの要求を処理し、レプリカはプライマリ インスタンスからデータのレプリケーションを受け付けるようになります。レプリカは読み取り専用モードに制限されているため、セカンダリ拠点で実行中のアプリケーションでもすぐに使用することができます。

フェールオーバーの管理

キャッシュのパフォーマンスを最適化するためには、同一 Azure リージョンに設置することをお勧めします。クライアントとサーバーが同一リージョンに設置されている場合、通常、Azure Redis Cache を使用したアプリケーションの応答時間は往復のネットワーク レイテンシを含めて 10 ミリ秒未満に抑えられます。反対に、Azure リージョンが物理的に離れていると全体の応答速度は大幅に低下します。このため、Azure Redis Cache が別のリージョンの geo レプリケーション用キャッシュ インスタンスに自動でフェールオーバーされることはありません。

万が一リージョン レベルでサービスが停止した場合には、ビジネス継続性プランに定義されているとおりに、セカンダリ拠点へのアプリケーション スタック全体の復旧をオーケストレーションします。たとえば、Traffic Manager で要求をルーティングして完全冗長した 2 つの Azure リージョンでアプリケーションを実行している場合、Azure Redis Cache をフェールオーバーしてから、Traffic Manager がすべての要求をセカンダリ拠点にリダイレクトするように変更する必要があります。プライマリ キャッシュのリンクを解除してアプリケーションを構成すれば、いつでも同一 Azure リージョンの geo レプリケーション先のセカンダリ キャッシュ インスタンスにフェールオーバーすることができます。2 つのキャッシュ インスタンスの間の geo レプリケーションのリンクが解除されると、セカンダリ インスタンスが独立してプライマリとなり、書き込み要求を受け付けるようになります。geo レプリケーションのリンクは、Azure ポータルで手動で解除できます。また、PowerShell コマンド (英語) を使用して自動で解除することもできます。

料金

geo レプリケーションの料金は、Azure Redis Cache の Premium サービス レベルの料金に含まれます。ただし、別のリージョン間でデータを複製する場合、送信データ転送の標準料金がかかります。

この機能をぜひお試しください

Azure Redis Cache で geo レプリケーションを使用すると、予期しない災害から重要なデータを保護できます。今回ご紹介した機能や Azure サービスの他の geo 冗長機能を活用すると、クラウド サービスに確実なディザスター リカバリー プランを実装し、ミッション クリティカルなアプリケーションの可用性を確保できるようになります。

ご不明な点やご意見は、お気軽に AzureCache@microsoft.com までお寄せください。