SAP on SQL Server の更新まとめ – 2018 年 1 月


執筆者: Cameron - MSFT SAP Program Manager

このポストは、2018 年 1 月 4 日に投稿された SAP on SQL Server: General Update – January 2018 の翻訳です。

 

SAP とマイクロソフトは、SAP on SQL Server プラットフォーム向けの新機能を継続的にリリースしています。SAP on Windows / SQL Serverのキーとなる目標は、最小のTCOとシンプルな操作で、最高のパフォーマンスと可用性を実現することです。今回の記事では、最近数か月にわたってリリースされた更新、不具合の修正、機能強化、推奨されるベスト プラクティスなどをまとめてお伝えします。

1. SAP on SQL Server の最新の導入事例

マレーシア航空は、そのデータセンターをオンプレミスからAzure に完全移行しました。移行対象は大規模な SAP 環境を含む 100 種類以上のアプリケーションで、Tata Consulting Services が作業を担当しました。プロジェクト全体を通じて Tata Consulting Services の SAP チームは傑出したスキルセットと能力を発揮しました。SAP アプリケーションはDB2から Blob ストレージのデータ ファイル上のSQL Server 2016に移行しました。AlwaysOn によってリージョン内での高可用性を実現しています。また、SQL Server AlwaysOnは香港(別リージョン)へのデータベースレプリケーションでも使用されています。この事例の詳細については、以下のページをご覧ください。

https://customers.microsoft.com/ja-jp/story/malaysia-airlines-berhad (英語)

https://partner.microsoft.com/ja-jp/case-studies/tata (英語)

他にも、マレーシアに本拠地を置く農業および海運業の顧客が SAP 環境を Azure に移行しています。

オーストラリアの大手エネルギー企業の事例は、こちらのブログ記事をご覧ください。

2. Windows Server のセキュリティに関する推奨事項

Windows Server では、推奨されるいくつかの簡単なセキュリティ設定を実装することで、Windows server上の SAP 環境のセキュリティを大幅に強化することができます。加えて、Windows の修正プログラムの適用を頻繁に行う必要がなくなるというメリットもあります。

推奨事項 1: SMB 1.0 を無効化する

SAP Note 2476242 – Disable windows SMBv1 」では、古いネットワークの無効化手順を紹介しています。SMB 1.0 は Windows NT 4.0 用に必要だったプロトコルであり、すべてのSAP システムにおいて無効化が推奨されています。SAP サーバーで SMB 1.0 を実行する必要はありません。

詳しくはこちらの記事を参照してください。

推奨事項 2: Internet Explorer を削除する

管理者権限でコマンド プロンプトで開き、次のコマンドを実行します。

dism /online /Disable-Feature /FeatureName:Internet-Explorer-Optional-amd64

以前のバージョンの Windows Server 向け Windows Update では、古いバージョンの IE を IE 11 に更新しようとしますが、このコマンドを実行すると Windows Update 時にブラウザーのバージョン更新を行わなくなります。ブラウザーの更新によりOSの再起動が必要ですが、こちらのツールを使用することで自動更新を回避することができます。

セキュリティとネットワークに関する詳細情報は、SAP OSS Note を参照してください。

2532012 – SSL Security error while installing database instance on SQL Server

1570930 – SQL Server network encryption with SAP

2356977 – Error during connection of JDBC Driver to SQL Server

2385898 – SSL connection to SQL Server fails with: Could not generate secret

1702456 – Errors with Microsoft JDBC drivers connecting with SSL

1428134 – sqljdbc driver fails to establish secure connection

2559590 – SQL Server connection fails after TLS 1.2 has been enabled

詳しくは、SAP on Windows のセキュリティ ホワイトペーパー (英語) を参照してください。

3. Windows Server からの Internet Explorer アンインストール – 新しい SAPInst

SWPM 1.0 SP20 に、Web ブラウザーで実行できる Fiori ベースのインターフェイスが実装されました。非運用環境を含むすべての SAP サーバーにおいて、Internet Explorer、サードパーティ製ブラウザーなどの不要なソフトウェアを削除するよう推奨されています。ブラウザーがインストールされていないサーバーで、新しい SWPM を実行するための方法をご紹介します。

これらのオプションは
SAP ブログ (英語)
で詳しく紹介されています。

オプション 1:次のコマンドラインオプションでSAPInstを実行し以前の GUI を読み込む

Sapinst.exe SAPINST_SLP_MODE=false

オプション 2: Management Server のブラウザーから リモートの SAPinst に接続する

sapinst -nogui を実行します。

Windows ファイアウォールでポート 4237 が開かれていることを確認します。

専用の Management Server でブラウザーを開き、https://<SAP Server のホスト名または IP>:4237/JfIVyDkxlsXSBFYi/docs/index.html に接続します。

(注: 正確な URL は、SAPInst の Program Starter のログで確認できます)

SAPInst を起動した OS ユーザー名とパスワード (例:DOMAIN\sapadmin)を使用します。

ヒント: SWPM の実行中に問題が発生する場合、SAP Server のホスト名と IP のいずれかまたは両方を信頼済みサイトに追加します。

4. SAP NetWeaver システム用 SQL Server 2017

マイクロソフトは、多数の新機能が実装された SQL Server 2017 をリリースしました。

全般的に、SQL Server 2017 の SAP Support Packs は SQL Server 2016 と同じです。詳しくは「SAP Note 2492596 – Release planning for Microsoft SQL Server 2017」を参照してください。

SAP とマイクロソフトは 2017 年 1 月をめどにテストを完了し、2017年1月またはそのすぐ後に一般提供を開始する予定です。

5. 電源オプション – パフォーマンスを最大化する設定

SQL Server および SAP アプリケーション サーバーの電源プランでは、パフォーマンスを最大化する設定が推奨されています。

SAP は、「SAP Note 2497079 – Poor performance in SAP NetWeaver and/or MS SQL Server due to power settings 」というノートを公開しています。

サーバーの BIOS、ハイパーバイザー、Windows オペレーティング システムなど、すべてのインフラストラクチャ層において、電源オプションでパフォーマンスの最大化を設定することが重要です。

6. Business Suite 7、SAP NetWeaver Javaシステム、Windows Server、SQL Server のサポート期限とJDBCドライバーについて

SAP は、ノート「SAP Note 1648480 – Maintenance for SAP Business Suite 7 Software」で SAP Business Suite のサポート期限について言及しており、全世界で 200,000 人以上のお客様が利用する「AnyDB」上の現行 SAP アプリケーションのサポートを 2025 年 12 月 31 日に終了すると表明しています。

多くのSAP ユーザーが、SAP アプリケーションを Windows Server 2016 および SQL Server 2016/2017 への移行を決定し、2025 年 12 月 31 日までサポートされるバージョンにSAPをアップグレードしています。これらの顧客の一部は、S4/HANA の導入を計画するためにも、当面の間サポートが保持されるプラットフォーム スタックへひとまずアップグレードしておくという判断をしています。SAP NetWeaver 7.5 コンポーネント、Windows Server 2016、SQL Server 2016/2017 のスタックは 2025 年までサポートされるため、Azure 上でWindows Server 2016、 SQL Server 2016/2017 に SAP アプリケーションを移行すれば、サポート終了まで OS やデータベース、ハードウェアをアップグレードする必要がなくなります。

以下のマイクロソフトの製品のライフサイクル ツールに記載されているとおり、Windows Server 2016 のメインストリーム サポートは 2022 年 1 月 11 日に終了し、延長サポートは 2027 年 1 月 11 日までとなります。

https://support.microsoft.com/ja-jp/lifecycle/search?alpha=Windows%20Server%202016%20Datacenter

https://support.microsoft.com/ja-jp/lifecycle/search

SQL Server 2016 の最終サービス パック (現時点では SP1 のみ) は、2026 年にサポートが終了します。なお、SQL Server 2016 のサービス パックが追加リリースされた場合、サポート期間が延長される可能性もあります。SQL Server 2017 のサポートは 2027 年 10 月までとなります。

Azure プラットフォームのハードウェアやネットワーク、ストレージは、継続して透過的に自動アップグレードされる予定です。

S/4HANA の導入計画にリソースを集中できるようにするためにも、SAP アプリケーションのサポート期限まで完全にサポートされるスタックに移行することを推奨します。

注:

バージョン 7.5x 用の Java システムのサポートは、2024 年 12 月 31 日に終了します。

Java 7.0 EHP0、EHP1, EHP2、EHP3 のサポートは、2017 年 12 月 31 日に終了します (Java 4.1 のサポートは終了しています)。

7. SAP ASCS ファイル共有と ASCS 共有ディスク

SAP は、従来のクラスター共有ディスクの代わりに SMB UNC ソースを SAP ASCS で利用できるようにする、新しい Windows クラスター DLL とドキュメントを公開しました

このソリューションは、非運用用途のシステでSAP によって検証され、文書化されており、Azure クラウドにも対応しています。この機能は、SAP NetWeaver コンポーネント 7.40 以上で使用できます。

この機能は、オンプレミスおよび Azure のすべてのユーザー向けに一般提供されています。詳しくはこちらのドキュメント (英語) を参照してください。

Azure で SAP (A)SCS インスタンスをクラスター共有ディスクの代わりに SOFS ファイル サーバー と S2D でクラスター化する機能の一般提供を開始

ファイル共有による Windows 上での高可用性 ASCS – 共有ディスクが不要に –

8. ReFS、クラスター、ファイル共有の継続的可用性、Windows Update

SAP Note 1869038 – SAP support for ReFs filesystem」には、ReFS が完全にサポートされることが記載されています。

一部のウイルス対策ソフトなど、Windows IO サブシステムをインターセプトするソフトウェアにはこちらの修正プログラムが必要です。

ReFS を実行するすべての Windows Server 2016 システムに適用する必要があります。

旧バージョンの SWPM の前提条件チェックでは、引き続き Windows の継続的可用性機能 (英語)
の無効化を促す警告が表示されます。

SAP Note 2287140 – Support of Failover Cluster Continuous Availability feature (CA)」に記載されているとおり、SAP は今では継続的可用性機能を完全にサポートしています。

https://blogs.sap.com/2017/07/21/how-to-create-a-high-available-sapmnt-share/ (英語)

https://wiki.scn.sap.com/wiki/display/SI/Should+I+run+the+Web+Dispatcher+as+a+standalone+installation+or+as+part+of+an+ABAP+or+J2EE+system (英語)

こちら (英語)
から最新の SWPM をダウンロードして使用することを推奨します。

最新の SWPM では、機能の無効化を促す警告は表示されません。

これらの更新を Windows 2012 R2 クラスター システムに適用することを推奨します。

http://aka.ms/2012R2ClusterUpdates

http://aka.ms/AzureClusterThreshold

SAP アプリケーションは、Windows Server 2016 の Long Term Servicing Channel でサポートされます。Semi-Annual Channel は使用しないでください。

https://blogs.windows.com/japan/2017/08/04/waas-simplified-and-aligned/

9. クラスター コア リソースへのセカンダリ IP アドレスの追加、読み取り専用のクラスター管理者権限

Windows GeoCluster をオンプレミスと Azure にインストールしている場合、セカンダリ IP アドレスをクラスター コア リソースに追加する必要があります。

この理由は、通常プライマリ クラスター ノードと DR クラスター ノードは異なるサブネットに存在するためです。セカンダリ IP アドレスをクラスター コア リソースに追加する方法は、こちらのブログ記事 (英語) でご確認ください。

ここで重要なのは、以下の PS コマンドです。

PS > Add-ClusterResource –Name NewIP –ResourceType "IP Address" –Group "Cluster Group"

アウトソーサーまたはマネージド サービス の顧客が読み取り専用アクセスを付与する場合は、以下のコマンドを使用します。

Grant-ClusterAccess -User DOMAIN.com\<管理者ではないユーザー> -ReadOnly

https://docs.microsoft.com/ja-jp/powershell/module/failoverclusters/grant-clusteraccess?view=win10-ps (英語)

特定のユーザー (管理者を含む) にクラスターへのアクセスを禁止する場合は、Block-ClusterAccess コマンドを実行します。
https://docs.microsoft.com/ja-jp/powershell/module/failoverclusters/block-clusteraccess?view=win10-ps (英語)

10. SQL Server 2016 の重要な修正プログラ

SQL Server 2016 のお客様には、SQL Server 2016 SP1 CU6 以上にアップグレードすることを強く推奨します。

複数の重要な機能強化やバグ修正が提供されています。TDE、バックアップ圧縮、Azure Blob ストレージ上への直接データ ファイル配置のいずれか、またはこれらを組み合わせて使用している場合は、SP1 CU6 以上か最新の CU にアップグレードしてください。

最新の CU と SP はこちらから入手できます (英語)

SQL Server 2017 の場合は、同じ修正内容が SQL Server 2017 CU3 で適用されます。

4025628 - SQL Server 内の TDE で暗号化された大規模なデータベースの複数のファイルから圧縮されたバックアップを復元するときのエラー 9004 を修正する

その他のトピックと役立つ SAP OSS Note

仮想ホスト名を使用して SAP アプリケーションをセットアップする方法については、「SAP Note 1564275 – Install SAP Systems Using Virtual Host Names on Windows 」を参照してください。

SAP クラスター リソース DLL の更新方法については、「SAP Note 1596496 – Install SAP Systems Using Virtual Host Names on Windows 」を参照してください。

SAP Note 2488097 – FAQ: Memory usage for the ABAP Server on Windows 」には、メモリ分析に役立つ情報が記載されています。

AlwaysOn のアラートおよび監視についてはこちらのページ (英語)
を参照してください。

SAP on Azure ユーザー向けの Azure サポート プランの詳細については、こちらのページを参照してください。

大規模データベースでの CheckDB 実行時のスパース ファイル エラーを軽減することができる、NTFS 用の新しいフォーマット オプションがリリースされました。ラージFRS フォーマットの構文は次のとおりです。<ドライブ名:> /FS:NTFS /L (-UseLargeFRS)
https://blogs.technet.microsoft.com/askcore/2015/03/12/the-four-stages-of-ntfs-file-growth-part-2/ (英語)
https://docs.microsoft.com/ja-jp/previous-versions/windows/it-pro/windows-server-2012-R2-and-2012/dn466522(v=ws.11) (英語)

Content from third party websites, SAP and other sources reproduced in accordance with Fair Use criticism, comment, news reporting, teaching, scholarship, and research

 

Comments (0)

Skip to main content