Azure Zone Redundant Storage のパブリック プレビュー

執筆者: Dinesh Murthy (Principal Program Manager, Azure Storage)

このポストは、2018 年 1 月 24 日に投稿された Azure Zone Redundant Storage in public preview の翻訳です。

 

このたび、Azure Zone Redundant Storage (ZRS) のパブリック プレビューの提供が開始されました。ZRS では、高可用性アプリケーションの開発を大幅に簡素化するために、3 つの可用性ゾーンにそれぞれデータのレプリカを保管します。データの挿入や更新は、すべての可用性ゾーンで同時に実行されます。これにより、いずれかの可用性ゾーンでデータを利用または復旧できなくなった場合でも、引き続きデータの読み取り/書き込みを行うことができます。ZRS は Azure の可用性ゾーンを基盤として構築されており、単一リージョン内の複数のデータセンターによって障害を分離することで、障害からの回復性を提供します。

Zone Redundant Storage の使用は、リージョン内の可用性を確保することが不可欠で、ダウンタイムが許容されず、読み取りアクセスと書き込みアクセスの両方が常時必要となるアプリケーションにご検討ください。

今回の ZRS パブリック プレビューのリリースにより、お客様のストレージに関するニーズに対応する Azure の耐久性オプションがさらに強化されます。このオプションには、リージョン内の高可用性を確保する ZRS、単一リージョンの耐久性に優れたストレージを低コストで提供するローカル冗長ストレージ (LRS)、災害復旧シナリオに備えてリージョン間の冗長性を確保する geo 冗長ストレージ (GRS)、GRS に読み取りアクセスを追加した読み取りアクセス geo 冗長ストレージ (RA-GRS) が含まれます。

ZRS のプレビューはまず以下のリージョンで提供され、その後、他のリージョンも追加される予定です。ZRS のプレビューを利用できるリージョンの最新のリストは、こちらのドキュメントをご確認ください。

  • 米国東部 2
  • 米国中部
  • フランス中部

 

使用を開始するには

上記のプレビュー リージョンに ZRS ストレージ アカウントを作成するためには、Azure CLI、Azure PowerShell、Azure ポータル、Azure Resource Manager、Azure Storage Management SDK など、さまざまな手段を利用できます。

Azure ポータルで ZRS アカウントを作成するには、以下のようにプロパティを設定します。ZRS を使用するために必要なアカウントの種類は、General Purpose v2 です。

ZRSAccountForBlog

Azure CLI で ZRS アカウントを作成するには、最新の Azure CLI (英語) をインストールしてから、コンソールで以下のコマンドを実行します。

az storage account create -n <アカウント名> -g <リソース グループ> -l <リージョン> --sku Standard_ZRS --kind StorageV2

Azure PowerShell で ZRS アカウントを作成するには、まず最新の Azure PowerShell コマンドレットをインストールします。

1.    AzureRM.Storage バージョン 4.1.0 (英語) をインストール

2.    AzureRM.Resources バージョン 5.1.1 (英語) をインストール

上記を正常にインストールしたら、PowerShell コンソールで以下のコマンドレットを実行します。

New-AzureRmStorageAccount -Name <アカウント名> -Location <リージョン> -ResourceGroupName <リソース グループ> -SkuName Standard_ZRS -Kind StorageV2

ストレージ アカウントのデータの読み取り/書き込み用の既存の API は変更されていないため、ZRS アカウントを指定した場合にも既存のコードやツールは引き続き正常に動作します。使用を開始する方法の詳細については、ZRS のドキュメントをご覧ください。

プレビュー期間中の料金については、BLOBFileQueueTable の各料金ページで「ZRS (preview)」の料金をご確認ください。

 

他の種類のアカウントからの移行

ZRS の一般提供が開始されると、Azure の可用性ゾーンをサポートしているリージョンでは、このオプションが既存の ZRS オプションに取って代わる予定です。現在、既存の ZRS サービスの名称は ZRS Classic に変更されており、コードを変更することなく引き続き利用できます。リージョン内で ZRS の一般提供が開始された際には、ZRS Classic アカウントから ZRS に簡単に移行できる手段が提供されます。LRS、GRS、RA-GRS アカウントからの移行など、移行の詳細についてはこちらのドキュメントと FAQ をご確認ください。

ご不明な点やサポートが必要な場合はお知らせください。皆様のプレビューへのご参加とフィードバックをお待ちしています。