GPU 増強で性能とインテリジェンスを向上

執筆者: Corey Sanders (Director of Compute, Azure)

このポストは、5 月 8 日に投稿された More GPUs, more power, more intelligence の翻訳です。

昨年リリースした、NVIDIA Tesla を基盤とするマイクロソフト初の GPU 製品は、お客様より高い評価をいただいています。Azure NC シリーズでは、最大 4 基の Tesla K80 GPU が搭載された単一仮想マシンで CUDA ワークロードを実行できます。また、他のクラウド プロバイダーにはない特長として、NC シリーズでは RDMA と InfiniBand 接続に対応し、きわめて低いレイテンシ、高スループット、ワークロードのスケールアウトが実現しています。マイクロソフトでは、お客様のワークロードのスケールアップとスケールアウトへの対応に力を入れています。

このような強力な GPU のおかげで、Azure では AI と深層学習の分野のワークロードが急速に成長しています。たとえば、画像認識、音声認識トレーニング、自然言語処理などのほか、自動運転車の歩行者検出などが挙げられます。このような学習機能の可能性をさらに広げるために、このたび Azure の GPU ベース製品を拡張した ND シリーズを新たに追加します。NVIDIA Tesla P40 GPU を基盤とする新しい Pascal アーキテクチャを搭載したこの新シリーズは、トレーニングや推論の用途に最適です。このインスタンス シリーズは、FP32 (単精度浮動小数点演算) で前世代の 2 倍以上のパフォーマンスが得られるため、CNTK や TensorFlow、Caffe などのフレームワークを使用した AI ワークロードに適しています。また、ND シリーズは GPU メモリが大幅に増強 (24GB) されており、従来に比べてはるかに大規模なニューラル ネットワーク モデルにも適しています。さらに、NC シリーズと同様に RDMA と InfiniBand 接続に対応しているため、数百の GPU を使用した大規模なトレーニング ジョブを実行できます。

新シリーズ VM のサイズは以下のとおりです。

AI や深層学習のワークロード以外にも、貯留槽モデリング、DNA 塩基配列解析、タンパク質分析、モンテカルロ シミュレーション、レンダリングなどの従来の HPC ワークロードでも、非常に高いパフォーマンスや性能が求められる用途で活用できます。クラウド サービスでは常に俊敏性が求められます。既存のハードウェアが古くなくても、コンピューティング ニーズの変化や増減、モデルの改良や成熟などに合わせて、最新の優れたハードウェアを使用するのが理想的です。Azure では、このようなことも可能になります。

今回、次世代の NC シリーズとなる NVIDIA Tesla P100 GPU を搭載した NCv2 シリーズもリリースします。この新しい GPU は、従来の NC シリーズの 2 倍以上のコンピューティング能力を発揮します。また、石油およびガス業界、自動車業界、ゲノム解析で求められる高速な相互接続シナリオ向けの InfiniBand ネットワークに対応し、単一インスタンスのパフォーマンスだけでなくスケールアウト能力も向上しています。

NVIDIA のアクセラレーション コンピューティング担当ゼネラル マネージャー Ian Buck 氏は、次のように述べています。「今回のマイクロソフトのリリースで、Pascal アーキテクチャのメリットを得られるようになり、多くの企業が深層学習や高性能コンピューティングをビジネスに利用できるようになります。GPU アクセラレータによるコンピューティング需要がこれまでになく高まっている今日、マイクロソフトと共に Azure に最先端のコンピューティング プラットフォームを提供できることを光栄に思っています」。

今回リリースされる新しいサイズの VM では、アクセラレータを利用したワークロード向けの最先端の仮想マシンをデプロイできます。

今回紹介した新しいサイズの VM は、今年中の一般提供開始を予定しています。プレビュー参加をご希望の方は、こちらのサインアップ ページ (英語) からご登録ください。