Azure Time Series Insights を発表

執筆者: Joseph Sirosh (Corporate Vice President, Microsoft Data Group)

このポストは、4 月 20 日に投稿された Announcing Azure Time Series Insights の翻訳です。

 

このたび、Azure Time Series Insights のパブリック プレビューのリリースを発表しました。Azure Time Series Insights は完全に管理された分析、ストレージ、視覚化のサービスで、IoT デバイスで発生する膨大な件数のイベントを即時にインタラクティブな形で検索、分析します。これにより、さまざまなイベント ソースのデータの全体をほぼリアルタイムで把握できるため、迅速な IoT ソリューションの検証や、ミッション クリティカル デバイスの高コストなダウンタイムの防止に役立ちます。このサービスではコーディングの必要がないほか、シンプルで直観的なユーザー エクスペリエンスから隠れた傾向の検出、異常の検知、根本的原因の分析などをほぼリアルタイムで実行できます。また、高機能な API を使用してこの優れた機能を既存の社内ワークフローやアプリケーションに統合することもできます。

Azure Time Series Insights

接続デバイスの増加やデータ収集技術の飛躍的な進歩により、各地域に分散した膨大な量のデバイスやソリューションのデータを抱えた企業では、迅速にインサイトを取得するのに苦戦しています。規模が増大するほか、よりリアルタイムに近いスピードへのニーズも高まっています。インサイトの取得が遅れると、長時間のダウンタイムが発生し、ビジネスに大きな影響を与える可能性があります。また、ビジネス プロセスやワークフローの見直しと最適化を行うためには、異なるセンサーのデータを関連付ける必要があります。この関連付けの作業にかかる時間と専門性を軽減することで、企業の競争力の強化や運用の最適化が実現します。この他にも Azure Time Series Insights では IoT ソリューションに関するさまざまな課題を解決できます。

Time Series Insights のプライベート プレビューには、自動車、風力発電、エレベーター、スマート ビルディング、製造業などのさまざまな業界のお客様が参加し、実際の製品データを使って機能を検証し、コスト削減や運用改善に活かす方法を探っています。

たとえば、BMW では、Azure Time Series Insights と関連する Azure IoT サービスを組み合わせて、複数部門間でのメンテナンス予測に利用しています。Time Series Insights とその他の Azure IoT サービスを組み合わせることで、BMW は、接続デバイスのインストール検証の SLA を削減し、運用効率を改善しました。

IoT 規模のインサイトをほぼリアルタイムに取得

Azure Time Series Insights では、1 日に数億件のセンサー イベントを収集可能で、クエリを実行するための新規データの準備には 1 分もかかりません。また、このデータは数か月間保持することができます。Time Series Insights では、ほぼリアルタイムのデータと数テラバイトの過去データのどちらも、秒単位でクエリを実行できるように最適化しています。データを事前に集計することはなく、イベントのデータをそのまま保存し、この大規模な環境ですべての集計処理を即座に実行します。さらに、収集されたセンサー データの補完や補足に使用する参照データをアップロードすることもできます。Time Series Insights では、種類、イベント ソース、地域、IoT ソリューションが異なるセンサー データを同一のクエリで比較できます。これにより、データ全体を把握し、検証、監視、傾向の把握、異常の検出、根本的原因の分析をほぼリアルタイムですばやく実行できます。

「Azure Time Series Insights を採用したことで、開発の手間をまったくかけずに、リアルタイムでデバイスのテレメトリにアクセスする手法を標準化できました。問題の検出や診断にかかる時間は、数日から数分にまで短縮されました。わずかな操作でエンドツーエンドのデバイス データ フローを視覚化できたことで、お客様や市場のニーズを引き出すことができました」と ThyssenKrupp Elevator のソフトウェア エンジニアの Scott Tillman 氏は語っています。

Trends and correlation

導入が容易

Time Series Insights は、Azure IoT Hub と Azure Event Hubs に既に統合されているため、すぐに使用を開始できます。Azure ポータルから IoT Hub や Event Hub の構成情報を入力すると、Time Series Insights に接続し、1 分以内にリアルタイム データの収集と保存を開始します。このサービスはスキーマに対応しており、インサイト取得前にデータを準備する必要はありません。このため、さまざまなセンサーのデータをシームレスに検索、比較、関連付けできます。また、非常に直感的なユーザー エクスペリエンスを備えており、さまざまな粒度のデータの表示や検索が可能で、さらに特定のイベントまでドリルダウンもできます。さらに、SQL のようにフィルターや集計を実行したり、さまざまな時系列のパターンやヒート マップの構築、視覚化、比較、オーバーレイを行ったり、クエリを保存および共有したりできるため、使用開始からわずか数分でデータからインサイトを収集することができます。また、REST クエリ API を使用してカスタム ソリューションを作成すると、Time Series Insights の機能をさらに活用できます。このほか、Microsoft IoT CentralAzure IoT Suite の構成済みコネクテッド ファクトリー ソリューションの時系列分析エクスペリエンスとしても使用されています。Azure プラットフォームを基盤とする Time Series Insights では、エンタープライズ レベルに求められる規模、信頼性、Azure Active Directory との統合、運用の安全性が提供されます。

ベルギーを拠点とする大手 IT サービス企業の Codit は、ビジネス統合に関するコンサルティング、テクノロジ、マネージド サービスを提供しています。同社では、企業に人員とアプリケーションの統合による効率化を促し、運用コストの削減、効率の改善、制御性の強化を支援しています。「使い勝手のよい Azure Time Series Insights では、膨大な量のイベントをわずか数クリックで迅速に検索、分析、視覚化できます。包括的なクラウド サービスであるため、カスタム アプリケーションを開発する必要もなく、IoT 方針をすばやく変更することができました。今後も Time Series Insights をぜひ活用したいです」と Codit の Tom Kerkhove 氏は語っています。

Heatmap and outlier

Azure Time Series は、Azure IoT Hub、Azure Stream Analytics、Azure Machine Learning、その他のサービスで構成される Azure IoT サービスの幅広いポートフォリオをさらに拡張し、IoT ソリューションから詳細なインサイトを導き出す支援をします。Time Series Insight は、現時点で米国西部、米国東部、西ヨーロッパ、北ヨーロッパの各リージョンで提供されています。Azure Time Series Insights の詳細については、こちらの製品ページを参照してください。また、こちらから Azure Time Series Insights プレビューにサインアップしてすぐにご利用いただけます。

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