Azure Stream Analytics のリアルタイム地理空間分析を発表

執筆者: Samartha Chandrashekar (Program Manager)

このポストは、3 月 1 日に投稿された Announcing real-time Geospatial Analytics in Azure Stream Analytics の翻訳です。

 

先日、Azure Stream Analytics で地理空間関数の一般提供が開始され、ストリーミング中の地理空間データのリアルタイム分析が可能になりました。これにより、車両監視、資産追跡、ジオフェンシング、基地局間の通話追跡、つながる工場、ライドシェアリング ソリューションなど、専門実用レベルの品質のシナリオを数行のコードで実現できるようになります。

コネクテッド カーの現状や、自動車のリアルタイム データ利用への転換は、自動化ビジネスの新たな可能性を生み、保険やコンテンツ プロバイダー業界にアフター サービスの収益化をもたらします。NASCAR では Azure Stream Analytics の地理空間機能をいち早く実用化しました。

「Azure Stream Analytics によるリアルタイム地理空間分析を使用して、レース中とレース後のテレメトリ分析を実行しています」(NASCAR、技術開発担当マネージング ディレクター、Betsy Grider 氏)。

今回のリリースでは、ポイント (点)、ライン (線)、ポリゴンでの地理空間データの指定や、ポリゴンの重複や通路の交差の計算など、Azure Stream Analytics で地理空間操作の計算に使用できるネイティブ関数が提供されます。地理空間データを含む複数のストリームを結合する機能を使用して、ストリーミング データに関する複雑なクエリに回答することができます。
地理空間データ処理には GeoJSON 標準が採用されています。新しい関数をいくつかご紹介します。

  • CreatePoint: GeoJSON ポイントを指定します。
  • CreateLineString: GeoJSON ライン ストリングを指定します。
  • CreatePolygon: GeoJSON ポリゴンを指定します。
  • ST_DISTANCE: 2 つのポイント間の距離をメートルで判定します。
  • ST_OVERLAPS: あるポリゴンが別のポリゴンと重複するかどうかを判定します。
  • ST_INTERSECTS: 2 つのライン ストリングが交差するかどうかを判定します。
  • ST_WITHIN: あるポリゴンが別のポリゴンに包含されているかどうかを判定します。

地理空間シナリオに対して、SQL に似た宣言型言語による簡略化されたクエリを使用して、以下のように転送中の地理空間データを推測することができます。

車の 10 km 圏内にガソリン スタンドがある場合にイベントを生成する。

 SELECT Cars.Location, Station.Location 
FROM Cars c  
JOIN Station s ON ST_DISTANCE(c.Location, s.Location) < 10 * 1000 

以下の場合にイベントを生成する。

  • 車のガソリン残量が 10% 以下である
  • キャンペーン実施中のガソリン スタンドがある
  • 車の進行方向にガソリン スタンドがある
 SELECT Cars.gas, Cars.Location, Cars.Course, Station.Location, Station.Promotion 
FROM Cars c 
JOIN Station s ON Cars.gas < 0.1 AND Station.Promotion AND ST_OVERLAPS(c.Location, c.course) 

建物が洪水浸水区域にある場合にイベントを生成する。

 SELECT Building.Polygon, Building.Polygon 
FROM Building b 
JOIN Flooding f ON ST_OVERLAPS(b.Polygon, b.Polygon) 

車両に向かって嵐が進行している場合にイベントを生成する。

 SELECT Cars.Location, Storm.Course
FROM Cars c, Storm s
JOIN Storm s ON ST_OVERLAPS(c.Location, s.Course)

Power BI との統合により、リアルタイム ダッシュボードで地理空間データを地図上にリアルタイムで視覚化できます。また、地理空間関数を使用して、Bing Maps (英語) の地図上でホットスポットの特定やオークション、グループ化、ヒートマップを使用したデータの視覚化などのシナリオを実現することもできます。

Live Heat Map

機械学習と地理空間分析を使用したライブ ヒート マップにより、ライドシェアリングや車両管理などのシナリオのビジネス成果を向上できます。

 

こちらのビデオ (英語) では、上記の関数を使用して構築された車両監視の例をご紹介しています。

Fleet Monitoring US

Azure Stream Analytics の地理空間関数を使用した車両監視

地理空間関数のドキュメント ページ (英語) では、詳細なドキュメントと使用例をご確認いただけます。ぜひ、Azure Stream Analytics を使用して地理空間関数をお試しください。