VMware 向け Azure Site Recovery Deployment Planner のパブリック プレビューを発表

執筆者: Nitin Soneji (Program Manager, Cloud + Enterprise)

このポストは、3 月 1 日に投稿された Public Preview of Azure Site Recovery Deployment Planner for VMware の翻訳です。

 

Azure Site Recovery (ASR) を信頼できる障害復旧ソリューションとして導入する場合、大企業では何百という仮想マシンを Microsoft Azure で保護することになるため、運用環境への移行前には適切な導入計画を行わなければなりません。そして今回、Azure Site Recovery Deployment Planner のパブリック プレビューをリリースしました。このツールを使用すると、オンプレミスのネットワーク要件、ASR のレプリケーションとアプリケーションのテスト フェールオーバーまたはフェールオーバーに必要な Microsoft Azure のコンピューティング要件やストレージ要件を把握することができます。今回のパブリック プレビュー版では、VMware から Azure へのレプリケーションにのみ対応しています。

  • Deployment Planner はオンプレミス環境に ASR コンポーネントをインストールすることなく実行できます。
  • 運用環境のサーバーには直接接続せず、サーバーのパフォーマンスに影響を与えません。すべてのパフォーマンス データは、運用環境の仮想マシンをホストする VMware vCenter Server または VMware vSphere ESXi Server で収集されます。

ASR Deployment Planner で確認できる項目

ASR の概念実証から運用環境へ移行する際に、Deployment Planner を実行することを強くお勧めします。このツールでは以下のような項目を確認できます。

互換性の評価

  • ASR を使用した Azure での保護に適さないオンプレミス サーバーとその理由

ネットワーク帯域幅のニーズと RPO の評価

  • 必要な RPO でのサーバーのレプリケーションに必要なネットワーク帯域幅
  • 所定の時間内に利用可能な帯域幅で初期レプリケーションを行う場合に、Azure に同時にレプリケートできる仮想マシンの数
  • プロビジョニングされたネットワークでの ASR のスループット
  • 利用可能な帯域幅で達成できる RPO
  • プロビジョニングされた帯域幅が狭い場合の RPO への影響

Microsoft Azure のインフラストラクチャ要件

  • Microsoft Azure でプロビジョニングが必要なストレージ アカウントの数
  • アプリケーション パフォーマンスに最適な、仮想マシンを配置する Azure ストレージ アカウントの種類 (Standard または Premium)
  • 単一のストレージ アカウントにレプリケートできる仮想マシン
  • 適切なテスト フェールオーバーまたはフェールオーバー時に、Microsoft Azure サブスクリプションでのプロビジョニングが必要なコア数
  • テスト フェールオーバーまたはフェールオーバーに最適な各オンプレミス サーバーの Microsoft Azure 仮想マシンのサイズ

オンプレミスのインフラストラクチャ要件

  • 必要なオンプレミスの ASR 構成サーバーとプロセス サーバーの数

将来の成長を考慮

  • オンプレミス ワークロードが将来的に拡大して使用量が増加した場合に、上記のすべての要因が受ける影響

ASR Deployment Planner のしくみ

ASR Deployment Planner には、主に以下の 3 つの処理モードがあります。

  • プロファイリング
  • レポートの生成
  • スループットの取得

プロファイリング

このモードでは、特定の日数 (30 日など) で保護するすべてのオンプレミス サーバーをプロファイリングします。このツールは、仮想マシンがホストされている VMware vCenter Server または VMware vSphere ESXi Server に接続して、読み取り/書き込み IOPS、書き込み IOPS、データの変更頻度といったさまざまなパフォーマンス カウンターや、コア数、ディスクの数/サイズ、NIC の数といったその他の仮想マシンの特性を格納します。プロファイリングの詳細については、こちらのページをご覧ください。

レポートの生成

このモードでは、プロファイリング データを使用して、Microsoft Excel 形式の導入計画レポートを生成します。レポートは以下の 5 つのシートに分かれています。

  • Input (入力)
  • Recommendations (推奨事項)
  • VM < - > Storage Placement (仮想マシン< - >ストレージの配置)
  • Compatible VMs (適合 VM)
  • Incompatible VMs (不適合 VM)

既定では、すべてのプロファイルされたパフォーマンス指標の 95 パーセンタイルが対象となり、30% の増加率が適用されます。これらのパーセンタイル計算と成長係数のパラメーターはいずれも変更できます。レポートの生成について、詳しくはこちらのページをご覧ください。

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スループットの取得

このモードでは、オンプレミス環境から Microsoft Azure への ASR レプリケーションのネットワーク スループットを見積もります。これにより、ASR レプリケーションに追加でプロビジョニングが必要な帯域幅を特定できます。スループット取得の詳細については、こちらのページをご覧ください。

ASR では Microsoft Azure でアプリケーションを完全に回復することが可能ですが、障害復旧や移行のシナリオには綿密な計画が必要となります。新しい ASR Deployment Planner を使用することで、新規または既存のデプロイの保護やサーバー移行に関して、Microsoft Azure における最高の ASR のレプリケーション エクスペリエンスとアプリケーション パフォーマンスを実現します。

詳細な製品情報をご確認のうえ、Azure Site Recovery を使用してワークロードを Microsoft Azure にレプリケートしてください。新規に複製した物理サーバーまたは仮想マシンで、Site Recovery の強力なレプリケーション機能を 31 日間無料でご利用いただけます。さらに詳しい情報や他のお客様との情報交換については、MSDN の Azure Site Recovery フォーラム (英語) をご利用ください。今後追加してほしい機能のご提案は、ASR UserVoice (英語) までお寄せください。