Azure Stream Analytics の新機能を発表: 地理空間関数、カスタム コードほか

執筆者: Krishna Mamidipaka (Sr. Program Manager)

このポストは、2 月 1 日に投稿された New in Azure Stream Analytics: Geospatial functions, Custom code and lots more! の翻訳です。

 

本日、Azure Stream Analytics で複数の新機能がロールアウトされました。主なものとしては、地理空間関数のネイティブ サポート、JavaScript を使用したカスタム コード、Power BI を使用した低レイテンシのダッシュボード、Visual Studio との統合およびジョブ診断ログのプレビューがあります。また、本日より受信データの制限が撤廃されたこともお知らせします。

地理空間関数のネイティブ サポート

今回のロールアウトにより、Azure Stream Analytics をご利用いただくことで、コネクテッド カー、フリート マネジメント、モバイル資産の追跡といったシナリオ向けのソリューションを簡単に作成していただけるようになりました。開発者は、ストリーム処理ロジックに組み込まれた強力な地理空間関数 (英語) を活用して地理的区域を定義し、包含、近接、重複といった関係を示す地理空間の受信データを評価して、アラートを生成したり必要なワークフローを簡単に開始したりすることができます。これらの地理空間機能は、GeoJSON の仕様に準拠しています。

プレビュー期間中、100 社以上のお客様にこれらの地理空間機能をご利用いただきました。そのお客様の 1 つが NASCAR です。1947 年に設立された NASCAR は、世界最大級のモータースポーツ団体として知られており、現在、米国の 30 以上の州、カナダ、メキシコ、ヨーロッパで 1,200 以上のレースを認可しています。NASCAR は Azure Stream Analytics の地理空間機能をいち早く使用したお客様です。

「Azure Stream Analytics によるリアルタイムの地理空間分析を使用して、レース中とレース後のテレメトリ分析を実行しています」(NASCAR の技術開発担当マネージング ディレクターを務める Betsy Grider 氏)。

JavaScript ユーザー定義関数を使用したカスタム コード

Azure Stream Analytics で、強力な JavaScript と広く普及しているシンプルな SQL を組み合わせて使用できるようになりました。Azure Stream Analytics ではこれまでも、SQL に似た非常にシンプルな言語を使用してリアルタイムのクエリ ロジックを表現することができましたが、お客様からは高度なシナリオを実装するためにより表現力に優れたカスタム コードをサポートしてほしいというご要望が寄せられていました。今回、カスタム コードのサポートをさらに充実させる取り組みの一環として、Azure Stream Analytics で JavaScript を使用したユーザー定義関数 (英語) がサポートされました。この新機能により、JavaScript でカスタム コードを作成し、リアルタイムのストリーム処理クエリの一部として簡単に呼び出すことができます。

Java Script Image 1

Stream Analytics クエリからの JavaScript ユーザー定義関数の呼び出し

Azure Stream Analytics Tools for Visual Studio

Stream Analytics ジョブの作成、テスト、デバッグといった開発者のエンドツーエンドの生産性を最大限に高めるために、Azure Stream Analytics Tools for Visual Studio (英語) のパブリック プレビューの提供を開始しました。主な機能としては、クライアント マシンでのローカル テストが挙げられます。これにより、完全にオフラインでクエリを作成、テストすることができます。さらに、IntelliSense (コード補完)、構文の強調表示、エラー マーカー (波線の表示)、ソース管理の統合といった、業界最高レベルの開発者エクスペリエンスをもたらす機能が提供されます。

Stream Analytics jobs in Visual Studio

Visual Studio の Stream Analytics ジョブ

Power BI を使用した低レイテンシ ダッシュボード

パフォーマンスとレイテンシの限界に絶えず挑戦することは、お客様のニーズを満たすために欠かせないことです。そのため私たちは、Power BI エンジニアリング チームと緊密に連携して、Azure Stream Analytics で作成されたソリューションのダッシュボード エクスペリエンスを強化しました。これにより、Azure Stream Analytics ジョブを新しい Power BI のストリーミング データセットに出力できるようになり、従来よりもはるかに低レイテンシの視覚的で動的な優れたダッシュボードをご利用いただけるようになりました。

Dashboards powered from Azure Stream Analytics

Azure Stream Analytics のストリーミング データを利用したダッシュボード

ジョブ診断ログ

今回、セルフサービスのトラブルシューティング エクスペリエンスを強化するための取り組みの一環として、Azure Stream Analytics の Azure Monitoring との統合 (英語) のプレビューがリリースされました。これを利用することで、お客様はデータの消失、遅延、無効な形式に体系的に対処できるようになると共に、不正なデータが原因で起こるエラーを効率的に調査できるようになります。

お客様はエラーの原因になった実際のデータに瞬時にアクセスして、問題を迅速に解決することができます。ユーザーは、データにエラーが発生した場合のジョブの動作を制御し、関連するイベント データや運用メタデータ (発生時間や発生回数など) を Azure Storage または Azure Event Hubs に保持することができます。このデータは、オフラインでの診断やトラブルシューティングに使用できます。さらに、Azure Storage に転送されたデータは、Azure Log Analytics のリッチな視覚化機能と分析機能を使用して分析できます。

データ処理エラーの主な例としては、スキーマが一致しない場合のデータ変換およびシリアル化エラー、型や制約 (Null や重複の許可など) の非互換性、変換中の文字列の切り捨てや精度の問題などが挙げられます。

Link to Diagnostics logs on Azure portal

Azure ポータルの診断ログへのリンク

フィードバックのお願い

Azure Stream Analytics チームでは、お客様からのフィードバックを重視しており、皆様の声を今後の取り組みに積極的に反映させていきたいと考えております。ぜひ、UserVoice (英語) に参加し、ご意見をお聞かせください。

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